Peanut Butter Wolfが主宰するStones Throw。ヒップホップシーンで最重要レーベルといわれる魅力を紹介

Stones Throwがヒップホップシーンで偉大な理由を紹介。
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2020.02.11 22:00

Stones Throwがヒップホップシーンで偉大な理由を紹介


Stones Throw(ストーンズ・スロウ)は、ヒップホップ好きなら絶対に外せないレーベルだ。1996年にPeanut Butter Wolf(ピーナッツ・バター・ウルフ)が立ち上げて以降シーンの最重要レーベルともいわれるほど確固たる地位を確立している。なぜ、Stones Throwがそれほどの存在なのか。ここでは、レーベルの魅力を紹介する。





ヒップホップ界の最重要レーベルStones Throw


Stones Throwは、1996年にPeanut Butter Wolfが立ち上げた、アメリカ西海岸にあるインディーズ系レコードレーベルである。数々の才能あるアーティストを輩出しており、ヒップホップのシーンで最重要レーベルともいわれている。また、ヒップホップだけにとどまらず、あらゆるジャンルの音楽ファンから絶大な支持を受けているレーベルだ。Stones Throwに所属しているアーティストを見ても、レーベルの重要度がわかる。


Peanut Butter Wolfの盟友であるMadlib(マッド・リブ)や、2006年にこの世を去った伝説のヒップホップ・プロデューサーJ Dilla(J・ディラ)、ビートアーティストのMF Doom(MF・ドゥーム)など、ヒップホップ史に残るようなアーティストが多く所属している。センスにしてもスキルにしてもずば抜けているアーティストばかりで、Stones Throwほど個性的かつ面白いレーベルはないといえる。


Stones Throwが音楽シーンで重要な存在になったのには、創設者であるPeanut Butter Wolfの理念が大きく影響している。Peanut Butter Wolfは「自分の好きなものしかリリースしない」ことがレーベル創設以来変わらない理念であり、レーベルのスタイルを作っている。楽曲がどれだけ売れそうでも、Peanut Butter Wolfが好きでなければ契約しないのだ。お金よりも本当にやりたいことをやるのがStones Throw独自のスタイル。ビジネスとしては良くないが、このブレない姿勢が、確固たる地位を築く重要なポイントであり、支持を得る理由である。このスタイルからPeanut Butter Wolfほど、音楽が好きな人はいないことがわかる。


Stones Throwには、ヒップホップアーティストだけでなく、THE STEPKIDS(ザ・ステップキッズ)のようなバンドまで、異なるジャンルのアーティストが所属している。そのためジャンルを超えてレーベル所属のアーティスト同士で曲を作成することもある。音楽シーンに影響を与えるアーティストが所属しているだけでなく、このような試みもStones Throwの特徴だ。レーベルという存在を超えて、ひとつのカルチャーにもなっている。





Stones Throwの 創設者・Peanut Butter Wolf


Stones Throwの創設者であるPeanut Butter Wolf。しかし創設者という肩書きだけでなく多くの顔を持ち合わせている。DJ、プロデューサー、経営者などあるが中でも有名なのはレコードコレクターである。7インチのレコードは世界で1番持っているといわれるほど、世界に名を馳せるコレクターだ。またDJとしてもDJプレイに映像を使用する新しい試みで独自のスタイルを生み出している。


プロデューサーとしても、ヒップホップからジャズまで網羅する鬼才である。もともとは、Charizma(カリズマ)というラッパーとコンビを組んでいた。しかしコンビで楽曲を制作しいざアルバムをリリースするという直前に、Charizmaが自動車強盗に射殺されてしまう。そのためこのアルバムはお蔵入りとなってしまった。その後レーベルを立ち上げたのち、1999年に自身のアルバムをリリースしている。また当時お蔵入りになったアルバムは2003年に『Big Shots』というタイトルでリリースされている。


またゲームのサウンドトラックも監修しておりプレイステーションソフト「NBA 2K8」のサウンドの制作を担当。このゲームに使用されているサウンドトラックは、「2K8 B-BALL ZOMBIE WAR」というタイトルで、2007年10月5日にCDでも発売されている。レーベルのプロデューサーとしてアーティストを世に輩出するだけではない。Peanut Butter Wolfの活動は多岐に渡る。






Stones Throwの軌跡を描いたドキュメンタリー映画


音楽シーンに多大な影響を与える存在であるStones Throw。それだけに、レーベルの軌跡を描いた映画も制作されている。タイトルは『Our Vinyl Weighs A Ton(ストーンズ・スロウ・レコーズの軌跡)』Stones Throwの歩みを追ったドキュメンタリー映画だ。レーベルの歴史が映画化されていることからも、Stones Throwの偉大さがわかる。映画は2014年に公開され1996年からの18年間という長いレーベルの歴史を、紐解く内容となっている。相棒のCharizmaや伝説のプロデューサーJ Dillaの死を振り返る場面は、ヒップホップファンであれば胸が詰まるシーンだ。出演アーティストも超豪華でKanye West(カニエ・ウェスト)、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)、Common(コモン)らが登場する。アーティストのインタビューと音楽で振り返り、秘蔵映像も満載だ。


この映画はもともとフランス人映像製作者であるルーカス・ブラヤとセバスチャン・バウアーがフランスの国営テレビ局でドキュメンタリー番組として作り始めたもの。しかしテレビ局の都合で中止になったため、監督であるジェフ・ブロードウェイなどにより映画化されることになった。なお日本国内ではDVDを購入すると、Madlibのオリジナルトラックを含むサントラCDが付属される。



written by 編集部


photo: facebook

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