Spotify CEOの「アーティストは3〜4年のペースで作品をリリースするだけでは生活できない」発言が物議を醸す

発言を「音楽は質よりも量」と捉えたことによる批判的な意見がSNS上では多く見られた。
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2020.08.03 14:00

先月末、リモートでプレイリストやポッドキャストを共有できる「Group Session」のベータ版を公開したことで注目を集めたSpotifyだが、CEOのDaniel EkがMusic Allyのインタビューの中で語った内容が物議を醸している。



「3~4年のペースで作品をリリースするだけでは十分な収益を得ることはできない」 


インタビューでDaniel Ekは、ストリーミングによるアーティストの持続性を語る中、Spotifyにこれまで寄せられてきた十分な収益をアーティストに支払っていないという批判を否定した。 


そのことについて、「サービスが成長するにつれて、多くの人が参入するようになった。しかし、特定のアーティストの声に注目が集まる傾向にあるのは興味深い」と語り、「数百万人のアーティストが参加する市場のうちで、注目が集まっているのは一部の不幸な人の声だ」とアーティスト側からの批判の問題点を指摘。続けて、Spotifyの中では、ストリーミングによる収益に満足していると公言している人は見たことがない。しかし、プライベートでは満足を口にする人もいる人がいるものの、それを公に発言するメリットはないと考えている人がいる。しかしながら、データを見る限りはストリーミングの収益だけで生活できるアーティストが増えている」と発言。


さらにこのことを受けて、「これまでのように3~4年のペースで作品をレコーディングしてリリースするだけでは生活するのに十分な収益を得ることはできない」といい、ストリーミングで十分な収益を得るためにはアーティスト自身が、ファンとの継続的なエンゲージを行うなど現在の環境に適応した施策を行う必要があるという持論を展開した。



「アーティストは稼ぎたいなら質より量で音楽を大量生産するべき」と捉えられ、炎上 


しかし、発言はSNS上で「アーティストは稼ぎたいなら質より量で音楽を大量生産するべき」と一部のアーティストや音楽ファンによって捉えられたことで炎上。「生活できないのはそもそもSpotifyから支払われる収益が少ないから」という従来の批判に関連した反論や「作品を制作後にリリースして、ツアーを行い、またスタジオに戻り制作をするというサイクルで動くアーティストは怠けているということなのか?」、「大量生産によって音楽の芸術性が損なわれる」などの批判的な意見が見られた。



ただ、近年の音楽業界では複数のクリエイターによる分業制や既存のビートをアーティストが購入して利用するタイプビートからヒット曲が生まれているという事実があり、ヒットする音楽の大量生産は不可能かと言われると一概にそうだとは言い切れない部分がある。またSpotifyは昨年、音楽クリエイター向けのマーケットプレイス「SoundBetter」を買収しており、先述のような現代的な音楽制作の環境を促進させるシステムを保有している。これらのことが少なからず、Daniel Ekの発言に影響を与えているのではないだろうか? 今回の炎上を受けて、今後示されるであろうDaniel Ekの見解が気になるところだ。


written by Jun Fukunaga 


source: 

https://www.complex.com/music/2020/07/spotify-ceo-daniel-ek-addresses-controversy-around-streaming-royalty-rate 

https://realsound.jp/tech/2019/12/post-460702.html


photo: maxpixel



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