SoundCloud、ファンがアーティストにストリーミング料金を直接支払える機能実装か!?

このモデルが実装された場合、大手音楽ストリーミングサービスではSoundCloudが初となる模様。
SHARE
2021.02.09 11:00

近年、様々な新機能を追加してきたSoundCloudが、新たにファンがアーティストに直接ストリーミング料金の支払いを行えるシステムを実装する可能性が浮上した。Billboardによると、この機能はまだ公式に発表されたものではないが、SoundCloudに近い複数の情報筋が明かしているという。



SoundCloud、大手音楽ストリーミングサービス初の支払いモデルを採用か!? 


Billboardによると、このようなビジネスモデルは、すでにTencent MusicのQQ Musicのような中国のストリーミングサービスでは、何年も前から採用されており、PatreonやOnlyFansのようなサブスクリプションサービスによってビジネスモデルが構築されてきたという。もし、SoundCloudが実装した場合、大手音楽ストリーミングサービスでは、このモデルを実装した初のサービスとなるようだ。 


SoundCloudに近い情報筋によると、同社では現在、いくつかの既存のものに代わる代替ストリーミング配信の支払いモデルを模索中で、2021年の第1四半期末までに計画を発表する予定だというが、Billboardの取材に対して、同社はコメントを拒否したことも報じられている。



現在の主要音楽ストリーミングサービスは"プロラタ"モデルを採用 


この新たなモデルが採用された場合、Billboardは、SoundCloudにとって大きな転換点になると指摘。現在、主要音楽ストリーミングサービスは、"プロラタ(pro-rata)"モデル(金融経済用語で残高に応じて比例配分すること)を採用しており、加入者から徴収するサブスクリプション料金をプールし、最も多くのストリーム再生をもたらしたアーティストに収益が優先的に分配されるため、収益のほとんどが世界の大物アーティストたちによって占められている。


そのため、アーティストの間ではストリーミングで得られる収益の低さに不満を持つ者も未だに少なくない。 大物アーティスト以外のアーティストを支援するシステムを求める声 月間1億7500万人に数えるSoundCloudユーザーは、現在、同社のサブスクリプションサービス「SoundCloud Go+」を10ドル/月(日本ではサービス提供なし)で利用できるが、このサブスクリプション利用料金は、ユーザーが個人的にどのアーティストの音楽を聴いているかに基づいて、対象となるアーティストに分配されるわけではなく、「投げ銭」するなど、お気に入りのアーティストに分配したりすることはできない。(コロナ禍においてはアーティストを直接支援するために寄付機能は実装されている)。



また、今年1月にイギリスのSony Music、Warner Music、Universal Musicの各部門のトップが、同国の議会で現状の音楽ストリーミングサービスの収益分配モデルについて、レーベル側に有利になっていないと主張したことも報告されている。一方で、現在、SpotifyやAppleのような大手ストリーミングサービスは、レーベルのマーケットシェアの一部に基づいてレコードレーベルに収益を分配しているが、批評家たちの中には、世界のストリーム再生の大部分を牽引しているメジャーレーベルの大物アーティスト以外のアーティストのみならず、それ以外のアーティストも支援するためにファンが、サブスクリプション利用料金を実際に聴いているアーティストにも分配できるようなシステムを求める声を上げてきた。



近年、アーティスト支援サービスに力を入れるSoundCloud 


先述のようにSoundCloudは、近年、アーティストサポートに力を入れており、2019年に権利管理/配信会社の「Repost Network」を買収。昨年4月にインディーズアーティスト向けの独自マーケティング及び配信プラットフォームの「Repost」を立ち上げている。


「Repost」は、SoundCloudで音源を配信するアーティストがプラットフォーム上で音源の収益化を図れるだけでなく、Spotify、Apple Music、TikTokなどの主要ストリーミングサービスに音源を配信できるプロモーションツール提供及び収益化プランだ。このプランは30ドル/年の利用料金をSoundCloudに支払うことで利用でき、それによってアーティストは、SoundCloudの収益の100%、ほかのプラットフォームからの収益の80%を得ることができる(SoundCloud上でのストリーミングによる収益化には対象となる国があるなど諸条件あり)。 


今回、明らかになった代替支払いモデルは、2021年に前CEOのKerry Trainorの後を引き継いだMichael Weissmanが、新たにSoundCloudのCEOに就任後、わずか数ヶ月で開始されるとみられている。また、Michael Weissmanは、2月18日に8組のSoundCloudアーティストをフィーチャーしたオンラインゲーム『フォートナイト』内のライブストリーミング・ゲームトーナメント「SoundCloud Player One」開催を発表するなど、現在、SoundCloudは、音楽以外の分野にも注力し始めている。


果たして、今回浮上した新たなストリーミング料金支払いモデルは本当に実装されるのか? 今後のSoundCloudの動向に注目が集まりそうだ。 


written by Jun Fukunaga 


source: 

https://www.billboard.com/articles/business/9522066/soundcloud-payout-system-fans-artists-direct-payments

https://www.ifinance.ne.jp/glossary/loan/loa288.html


photo: pixabay 




SHARE