Frasco × SKYTOPIAインタビュー|不自然派エレクトロ・ポップス・アルバム『UNNATURAL』が出来るまで

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タカノシンヤと峰らるのメタポッププロジェクトユニットFrasco(フラスコ)とKero Kero Bonitoの元メンバーKen KobayashiによるソロプロジェクトSKYTOPIA(スカイトピア)。両者はいくつかのコラボ曲リリースを経て、11月10日には今までのシングルやリミックス曲を含めたコラボ・アルバム『UNNATURAL』をリリースした。
意外にも、両者ともキャリア初のアルバムリリースが本作の『UNNATURAL』だ。「不自然派ポップス(=UNNATURAL)」をコンセプトに掲げ、真っ直ぐと思いきや手元で変化する魔球のようなアプローチが満載されている作品になっている。
チームフラスコのメンバーでライブのサポートやエンジニアとして両者を支える屋台骨、ナギーも同席し、FrascoとSKYTOPIA、共通点も多い2組の関係性や、チームで作り上げたというコラボアルバムについて話を聞いた。
Interview:Tomohisa Tomy Mochizuki
Photo:Joe Kojima
SKYTOPIA「完成させることを切り離すことも大事」
FrascoとSKYTOPIAに通ずるのは、楽曲にユニークなコンセプトや仕掛けをふんだんに盛り込んでいるところ。そんな両者のアルバムリリースはどのようにして進んでいったのだろうか。
SKYTOPIA:僕らは制作以外のプライベートでも頻繁に遊ぶくらい仲が良いんですけど、一緒に制作していてたくさん良い曲が出来ちゃったので「アルバム、イケるんじゃない?」という空気になりました。
Frascoは今まで、リリースしたシングルをまとめプレイリスト化する「シンバム」というプロジェクトを行っている。基本的にはアルバムは出さずにシングルを切り続けるという戦略をあえてとっていたという。そんなFrascoはなぜ今回アルバムという形を選んだのだろうか?
タカノシンヤ:インディペンデントアーティストがサブスクで生き残るのは、色々なことを考えていかないと厳しい。3〜4年前だったらシングルをコンスタントに出すことが有効だったけど、メジャーアーティストも参入している今は、しっかりアルバムとして自分たちの世界観を作り込むことが大事だと思ったんです。
当初はアルバム名を『シングル』で進めていたとSKYTOPIAは笑う。“1stアルバム・シングル”とはなんとも彼ららしい、ちょっとひねくれた発想だ。デモ音源から楽曲制作を進め、自分たちのやりたいこと、コンセプトをしっかり伝えられる作品にするべく議論を重ねた末、辿り着いたのは自分たちのサウンドとスタンスを言い表した『UNNATURAL』だった。
彼らの制作スタイルは役割分担がはっきりしている。Frascoのタカノシンヤが企画やアイデア、楽曲の原型となるものを提案し、SKYTOPIAがそれを具現化する。ボーカルとアートワークを峰らるが手がけ、最終的な仕上げをナギーが行う。主にSlackのチャットとデータのやりとりで作業を進めた。その様子をSKYTOPIAは「いい意味でベルトコンベアのようだった」と形容する。
SKYTOPIA:今回の制作では完成させるという部分を自分自身から切り離すことも大事だとすごく感じましたね。
タカノシンヤ:ミックス・マスタリングとアレンジ、コンポーズって全然違うスキルじゃないですか。それをひとりでやろうとすると大変なことになる。だったらそれぞれのプロフェッショナルを立てて、それぞれの職能に集中する方がいいんじゃないかと思ったんです。チームでオール5を目指そうぜという感じ。シンプルにお互いのいいものを掛け合わせれば、いいものが出来るはずじゃないですか。マインドセットが同じでスキルセットが全員違うから「ウチら最強じゃね?」とかギャルみたいなこと言いながら作っていました。
チームで完結できる理想的な制作環境でアルバムを完成させたFrascoとSKYTOPIA。ただしそれは、互いに信頼関係が出来上がっていないと不可能だろう。この関係はなにがきっかけでスタートしたのだろうか。
似たもの同士の邂逅
タカノシンヤとSKYTOPIAの出会いはおよそ3年前、音楽メディアSpincoasterが経営する「Spincoaster Music Bar」だった。FrascoのファンだったというSKYTOPIAがタカノシンヤに声をかけ一方的に自身について話し出したという。一方のタカノシンヤもまた、ロンドン帰りの麒麟児Ken KobayashiことSKYTOPIAについて知っていた。かつて、メキシコで1年くらい“ヒモ生活”(本人談)をしていた頃、SKYTOPIAが所属していたKero Kero Bonitoを聴いていたそうだ。
グイグイ来るSKYTOPIAの話し振りから、タカノシンヤは「グルーヴ感が合うし、考え方が似ているな」と直感。
SKYTOPIA:僕はMura MasaやCashmere Cat、中田ヤスタカが好きで、Frascoの曲をリミックスさせて欲しいみたいなことを話しました。
タカノシンヤ:アーティストだけど、ただ作品を作るだけじゃなくて、どう広げていくか、ビジネス的な側面についてもちゃんと考えてる。その辺の思考が近いなと思って急接近しましたね。
峰らる:ほんと、2人とも似てるよな。
2人をよく知る峰らるもあらためて感嘆するほど、2人の感性は似通っている部分があるようだ。ではタカノシンヤと峰らる、Frascoの出会いについてはどうだろう。遡ること6年。知り合いの飲み会で民族楽器を演奏していたというタカノシンヤに峰らるが声をかけてFrascoは結成された。
峰らる:「めっちゃリズム感ええやん」と思って声をかけました。お互いDTMはしたことがなかったけど、とにかく一緒に音楽やろうということで意気統合した感じです。
タカノシンヤ:峰さんはスマホでGarageBandを使って音楽を作ったことがあったので、最初はそのやり方を教えてもらって、楽曲を作りました。
その楽曲は想定していたよりもいい出来だった。作品を世の人々に聴いてもらうべく、まず最初にラジオ局に送ることにした2人は、坂本龍一が定期的に放送している番組「J-WAVE RADIO SAKAMOTO」に楽曲を送った。送った音源は優秀作品に選ばれ(なんと計3回も!)、それを足掛かりに少しづつ活動を広げていった。今やJ-WAVE「TOKYO M.A.A.D.SPIN」の水曜ナビゲーター、12月からは「AWA LOUNGE」にてリスナー参加型トークコンテンツ「Frascoの泡」が始まるなど、音声コンテンツに力を入れるFrascoの原点もラジオだったのである。
Frasco
そしてもうひとりのキーパーソン・ナギーはタカノシンヤと高校の先輩・後輩の仲。
「こう見えて後輩なんです」と自嘲しながら、およそ後輩キャラとは逸脱した貫禄を持ち合わせるナギーは、ライブではFrascoのサポートメンバーとしてステージにも立っている。SKYTOPIAいわく「ビートルズのジョージ・マーティン的存在」なのだそう。(=ビートルズの数々の楽曲やアルバムを手がけたプロデューサーとして知られ「5人目のビートル」と形容される人物。)
SKYTOPIA:プロジェクトにこういう人がいるとめちゃくちゃ助かる。安心感が違います。
タカノシンヤ:データを送って「あとは任せた」でちゃんと仕上げてくれる。
彼がいなければ『UNNATURAL』は世に出ていなかったといっても過言ではないだろう。
ナギー(Team Frasco)
豪華アーティストたちによるアルバムコメント 峰らる「ずっと眺めていたいくらい」
『UNNATURAL』には蔦谷好位置、starRo、CHAI、DÉ DÉ MOUSE、Kero Kero BonitoのGus Bonitoなどそうそうたるメンバーがコメントを寄せている。block.fm局長/m-flo☆Taku Takahashiもその1人だ。基本的には彼らと関係値があるアーティストたちにコメントの依頼を出し、半ばダメ元だったが皆、快諾してくれたという。
タカノシンヤ:☆Takuさんは以前、Clubhouseアプリ内でリミックス企画を行ったときに参加してくださって、それがきっかけで認識していただけるようになりました。
峰らる:「TOKYO M.A.A.D.SPIN」にも出演してくれました。素晴らしいコメントをいただけて嬉しかったです。
SKYTOPIA:「とあるレストランで飲んだ、透き通っているけど濃厚なスープ」というコメント、ほんと素敵ですよね。今度、どこのレストランなのか☆Takuさんに聞いてみたい(笑)
同じく「TOKYO M.A.A.D. SPIN」きっかけで仲良くなったというCHAIや、SKYTOPIAの古巣Kero Kero BonitoメンバーのGus Bonitoなど、彼らの育んできた交友関係から寄せられた個性溢れるコメントは、アルバムを楽しむスパイスとして鑑賞体験をブーストしてくれる。しかし、ただ単純に知っているアーティストやネームバリューが選ぶ基準ではない。”エレクトロニックミュージック+不自然”を目指した『UNNATURAL』のアルバムコンセプトに沿ったアーティストにオファーしている。
SKYTOPIA:starRoさんに「ちゃんと聴いてくださったんですね」って言ったら「当たり前じゃん! 」って言われちゃいまして。それぐらい、信じられないほど嬉しい。
タカノシンヤ:皆さん丁寧に自分の言葉で僕らのアルバムを表現してくれて、感謝しかないですよ。
峰らる:並べて貼ってずっと眺めていたいくらいの宝物です。
ひとつひとつ寄せられたコメントを読み返しながらいきいきとした表情を見せるメンバーから、その喜びの大きさがうかがえる。
僕らは“ケンモチルドレン” 不自然派ポップスを謳う理由
コメントを寄せたアーティストの中にはFrascoとSKYTOPIAを結びつけるにあたり間接的に重要な役割を担うアーティストがいる。それが水曜日のカンパネラやxiangyuのサウンドを手がけるケンモチヒデフミだ。FrascoタカノシンヤとSKYTOPIAが敬愛するプロデューサーで、彼らは多大にケンモチヒデフミの影響を受けていると話す。
タカノシンヤ:僕らは“ケンモチルドレン”ですから。
SKYTOPIA:これは大袈裟じゃなく、ケンモチヒデフミというプロデューサーがいることが、僕が日本に来たいちばん大きな理由といっても過言ではありません。ロンドンにいるときからSeihoやPARKGOLF、パソコン音楽クラブを好んで聴いていましたが、水曜日のカンパネラを聞いた時は衝撃でした。
一方でタカノシンヤはFrascoをスタートしたとき、音楽的なレファレンスを探していた際に水曜日のカンパネラの「シャクシャイン」を聴いて大きな影響を受けたという。その後、うんこミュージアムのテーマソングをケンモチヒデフミと制作している。
タカノシンヤ:水曜日のカンパネラのもうひとりのメンバーDir.Fこと福永さんにお会いして、ケンモチさんをご紹介いただいたのがご一緒するきっかけです。
SKYTOPIA:僕は、ケンモチさんはxiangyuというアーティストのプロデュースもやっているらしいと知って、xiangyuさんのライブに行けば会えると思って会いにいきました。
そのときSKYTOPIAはケンモチヒデフミがPA卓にいるだろうと予測を立て、現場へ赴くと狙いは的中。ライブ終わりのタイミングでおそるおそる声をかけた。「怖い人かもしれない」と思いながらも、この時の出会いはのちにスタジオへ遊びに行かせてもらうことにも繋がった。また、水曜日のカンパネラがスペインの音楽フェス「Primavera Sound」へ出演した際にも、SKYTOPIAはケンモチヒデフミを訪ねている。「それくらいしないと認識してもらえない」と思ったそうだ。そんなケンモチヒデフミのDNAを彼らはどのように継いでいるのだろうか。
SKYTOPIA(Ken Kobayashi/KOMONO LAKE)
SKYTOPIA:僕らは、カッコイイことはしたいけどストレートにかっこいいことをするのは気恥ずかしい。だからちょっとヒネったことをしたくて、ハズしというか、そこにユーモアを混ぜています。それが僕らとケンモチさんに通じている部分かなと思います。
タカノシンヤ:そんなケンモチさんが「ごくごく飲めるおいしい猛毒ポップス」っていうコメントをくれました。すごくいい言葉。そういう表現をしてくれるのが嬉しいですね。
峰らる:コメントの中に“野心”という言葉が入っているのが、さすがやなと思いました。知性とユーモアと野心、その“野心”の部分はちゃんと関係値がないと出てこない言葉。ちゃんと2人のことを見ているのをケンモチさんのコメントから感じました。
『UNNATURAL』を的確に捉えた峰らるのアートワーク
『UNNATURAL』はクセの強い、個性あるサウンドや音楽的展開を取り入れながらも、BGMとして何周も聴ける軽さも魅力。ダンスミュージックにもポップスにもアプローチする強度を持った楽曲が目白押しだ。どの曲にも違和感を感じるポイントを作っているのが特徴だという。
SKYTOPIA:例えば「MAD」は同じ展開がなくてずっとサウンドが変化し続けるような楽曲になっています。Frascoは独自で面白い企画や、コンセプトのある楽曲を作っている。暗黙の了解として「普通のトラックを作ったらダメ」というプレッシャーはありました。
そうして出来た「MAD」はロックやハウス、ラテンを組み合わせたサウンドキメラであり、☆Taku Takahashiがコメントで寄せたように、ジャンルを煮出した濃厚なスープ的楽曲に仕上がっている。
タカノシンヤ:1曲目の「Fraskytopia」は家の表札みたいなものですね。できたのは最後の方で、アルバム全体のバランスを考えて作ったのでわかりやすい曲になっていると思います。
アルバムが内包するジャンルレス感や方向性を印象付けるには、1曲目としてこれほどふさわしい楽曲はないだろう。
SKYTOPIA:他には「Title」のブレイクダウン、「UNN」の転調など “ひねり”は全曲入れられたと思います。アルバムコンセプトを峰さんのアートワークが見事に捉えてくれているのも注目して欲しいポイントです。
『UNNATURAL』のアートワークは峰らるが担当。両者のコラボシングル連続リリース時のアートワークも同じく峰らるが手掛けたが、それらとは打って変わった雰囲気が印象的だ。アルバムの持つ、自然の中にある不自然さを表しているかのように、不思議な椅子たちがタイトルの文字を成す。
峰らる:私の中で、対談で向き合っているイメージから、コラボ=椅子というイメージが浮かんだんです。不自然さを出すために「脚が足りない椅子」をモチーフを決めました。
当初はシングルのテイストに合わせたものと2案を提案し、新しいイメージが採用された。そのままでも読めるが見る角度を変えれば「UNNANTURAL」が綺麗に浮かび上がる。不自然さも視点を変えれば自然に。その逆も然り、まさしく『UNNATURAL』のコンセプトを体現したアートワークだ。
峰らる:基本的にアートワークは任せてもらっていて、いつも思い切ったアイデアやデザインを提案できます。みんな大絶賛してくれるから、「もう世に出さなくてもいいかな」くらい満足してます(笑)。
全曲もれなく変な曲のアルバムを、エンジニアの側面からナギーはどう捉えたのか。
ナギー:「MAD」も展開が同じだったら施す処理も少なくて済むのですが、例えばキックが4パートあったら全部違うわけです。ベースのありなし、音の抜き差し、13曲全部がそうだったから、大変でしたよ。
タカノシンヤ:あとは任せた、のあとにそんな苦労があったのか(笑)。
ジャンルも幅広く、作った時期も異なるので、当初は落とし所がわからなかったと苦労を語るナギー。マスタリングしたものを3パターン作り、その中から完成形を選んだ。模索しながらの制作において、決め手や軸となった要素はなんだったのか。
ナギー:端的に言うと、売れている人たちやメジャーサウンドに負けない音を意識しています。Spotifyにおけるプレイリストインを狙っているので、そこを強く意識しました。あとは、峰さんのボーカルがいいから、それは軸になりましたね。
仕事と音楽を横断するパラレルキャリア
FrascoとSKYTOPIAはそれぞれアーティストとしてだけでなく、サラリーマンとしても仕事をしている。パラレルキャリア的な働き方も彼らを語る上で外せない要素だ。普段の仕事が、どのように音楽活動に影響しているのだろうか。
SKYTOPIA:僕らは音楽を仕事のエスケープにしていないことは大きいかもしれない。音楽を仕事のメディテーションとしている人たちもいるけど、切り分けることをせず、仕事と音楽、2つを並行させる、もしくはクロスして相乗効果を生み出していることが共通しているんだと思います。
タカノシンヤ:みんなの仕事がそれぞれ音楽にもいい影響を及ぼしていることは、常々感じますね。
タカノシンヤは広告のクリエイティブや企画仕事を行うことが多く、音楽の人脈を仕事に活かしたり、仕事のノウハウを音楽に活かしているという。ときには音楽活動から仕事につながることも。本人も音楽と同じように仕事もやりがいがあって楽しいと語る。
峰らるはグラフィックデザイナーとしてキャリアを持っており、本名で仕事をしている。商業的なデザインはあくまでクライアントファーストであるため、100パーセント自分のクリエイティブを出すわけにはいかない。しかしながら技術的には通じているため、仕事で養われたスキルを音楽活動に活かせる上、音楽では自分のクリエイティブを存分に発揮できるのも強みだ。
SKYTOPIAはアーティストに携わる仕事であるため、吸収できるものは吸収し、相手のためになるのであれば、言語やミックスなど自分が提供できるスキルを提供しているという。
SKYTOPIA:シンヤさんと僕は今働いている会社で、自分たちがアーティストであることを評価してもらえている。だけどそれはずっとそうだったわけじゃない。やっと自分のアーティスト性を評価してくれている職場に出会えたんです。「ウチらの青春は今始まった」という感じ。
タカノシンヤ:やっぱり、マインドはギャルだよね。
峰らる:純粋に目をきらきらさせて夢を語っている、2人とも少年心を残したままの大人やな、と思います。それを見ているのは気持ちがいいですね。
タカノシンヤ「ListenもHearも両方いけるアルバム」SKYTOPIA「脳の混乱を伝えたい」
最後に『UNNATURAL』をどのように楽しんでもらいたいか、メンバーそれぞれに聞いた。
タカノシンヤ:老若男女国籍問わず、すんなり聴けるし、「聞く」と「聴く」、ListenもHearも両方いけるアルバムだと思います。BGMにしてもよし、フォーカスしても良し。
SKYTOPIA:僕はこのアルバムを通して、不自然と自然についてすごく考えたんです。自然派を謳う、KOMONO LAKEというユニットもやっていることもあって。考えてみると、僕らが存在していること、宇宙すら全て不自然なんです。そんな脳の混乱が伝わったら嬉しい。峰さんのアートワーク然り、視点をどこに置くかがポイントです。
峰らる:脳で視点をぐるりと補完すると読めるアートワーク同様に、楽曲の二面性を楽しんでもらいたいですね。
ナギー:僕的にはアルバムなので、じっくりと耳を傾けて聴いて欲しいですね。アルバムらしい仕掛けもいっぱいある。スキットとか、「UNN」みたいなシングルでは切れない曲を入れられるのもアルバムの醍醐味。若い子たちはアルバムってあんまりわからないかもしれないけど、全体の流れを聴いて欲しいです。
性格や個性、スキルは違えど目的は同じ。チームとしてまさに理想形なFrasco×SKYTOPIAであるが、取材当日メインカットの撮影中にもFrascoとSKYTOPIAの仲の良さをうかがうことができた。SKYTOPIAの立ち方のクセをいじったり、お互いがお互いのスタイリングをチェックしたり、写真の出来にはしゃいだり、制服こそ来ていないが、なんだか学生時代の、文化祭実行委員会的な仲睦まじさを感じる。それは皮肉などではなく、純粋にアルバムという“祭”を盛り上げ、楽しもうとしている様子が真っ直ぐ伝わってきて、愛おしいのである。
そんな彼らの『UNNATURAL』は聞き込んでいくうち、その人ならではのフックが必ず見つかるアルバムだ。「青春真っ只中」と語る、Frasco(のタカノシンヤ)とSKYTOPIAによる、エモーショナルな疾走感と不自然な違和感をぜひ味わってほしい。きっと熱々のサウナのあとのキンキンの水風呂のような、気持ちのいい混乱と多幸感へと導いてくれるだろう。
『UNNATURAL』
発売日:2021/11/10
リリース形態:デジタルリリース
アーティスト:SKYTOPIA × Frasco
アルバム名:UNNATURAL
レーベル:Toro Toro Sounds
【クレジット】
All Songs / Sounds
Music and Lyrics:SKYTOPIA、タカノシンヤ (Frasco)
Vo, Chorus:峰らる (Frasco)
Mixing, Mastering : SKYTOPIA、Kentaro Nagata (elect-low)
Artwork,Art direction, Design:峰らる
【トラックリスト】
Fraskytopia
MAD
Title
Trouble
Love Story
UNN
Soramimi
mizu
interlude 1
Dramatic (SKYTOPIA Remix)
Drawing of a penguin (Frasco Coveremix)
interlude 2
neo
【プロフィール】
SKYTOPIA
ロンドン出身・東京在住のサウンドプロデューサー / DJ。過去にはケロケロボニトにも在籍。ハウス、エレクトロ、ソウル/R&Bやラテン音楽を横断したトラックと、自身のポップセンスを駆使し、思わず口ずさみたくなるキャッチーな楽曲を生み続ける。2020年は最上もが、篠田美月、okkaaa、Frasco、MARMELO、Genick、Emi Satelliteとのコラボを立て続けにリリース。2021年1月にシンガーKanbinとの新プロジェクトKOMONO LAKEを結成。2021年2月にSpotify公式プレイリスト『キラキラ・ポップ・ジャパン』のカバーKOMONO LAKEが抜擢されるなど早くも注目を集めている。
・Instagram:https://www.instagram.com/_skytopia_/
・Twitter:https://twitter.com/_skytopia_?lang=en
・YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCNtgMiup6PztEtxrQEqhSTg
・SoundCloud:https://soundcloud.com/skytopia
Frasco
Twitterで30万いいねを超えるバズツイートを連発するコンポーザー「タカノシンヤ」と、デザインから開発までマルチにこなすボーカル「峰らる」による、現実と非現実のミックスをコンセプトにした音楽プロジェクト。日本語のレトリックに拘ったエレクトロポップやシンセウェイブの独自解釈といえるような楽曲をリリースし、CM・イベントのテーマソング制作も行う。
坂本龍一のラジオ番組 J-WAVE「RADIO SAKAMOTO」にて計3回楽曲が優秀作品に選出。MVが第22回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選出。六本木ヒルズ展望台「星にタッチパネル劇場」の主題歌「Theatre」を担当し、同曲は須永辰緒のリミックスを加えレコードでフィジカルリリース。「うんこミュージアム」の主題歌をケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)と合作。YouTuberまこのデビュー作をサウンドプロデュース。など結成以降活動の幅を広げる。
また、他メンバーを加えたクリエイティブプロデュースチーム「チームフラスコ」として、映像、アパレル、インスタレーション等多角的に活動を展開。「シンバム」という新しいリリース形態の提言や、アナログレコード3部作「2面性プロジェクト」、風船での楽曲リリース、ゲーム風試聴機の開発などチームの企画力も話題に。2020年はJ-WAVEナビゲーターに就任し、マイクロソフトのAI「りんな」が画家として加入など多方面に渡り活動。
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