「SHIBUYA SKY ROOF TOP MUSIC」 レポート|starRoによる音楽と開放感に酔いしれる至福のひととき

地上229m。オープンエアの圧倒的な解放感の中で音楽を楽しむイベント「SHIBUYA SKY ROOF TOP MUSIC」 vol.2が開催。Rhizomatiksによる演出、SARA-Jもサプライズ登場。
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2020.08.06 11:00

2020年7月25日(土)、渋谷の新名所・渋谷スクランブルスクエアにて「SHIBUYA SKY ROOF TOP MUSIC」Vol.2が開催された。BRICKS Quartetを招致し、「Moon River」「G線上のアリア」など珠玉の映画音楽、クラシック曲がオーケストラ形式で演奏されたVol.1の様子は公開されているダイジェストムービーを参照してほしい。




渋谷上空229mにstarRoによる至極のアンビエント空間が顕現。圧倒的なロケーションと音楽を満喫


SHIBUYA SKYは渋谷スクランブルスクエア14階、45階、46階・屋上に開業された展望施設だ。14階~45階の移行空間「SKY GATE」、屋外展望空間「SKY STAGE」、46階の屋内展望回廊「SKY GALLERY」の3つのゾーンで構成されている。「SKY GALLERY」ではアートの展示に加え、エリア内の時間表示にはユニークな映像表現を用いるなど、変わっていく街と連動しているかのように、随所に未来的なヴィジュアルへのこだわりが感じられた。空の近さと東京一帯を見渡すパノラマに息を呑む屋上のオープンエアスペース「SKY STAGE」は、天気のいい日にのんびりするのも気持ち良さそうな解放感。「SKY GATE」はエレベーターの天板部分に映像ギミックが施され、移動をエンターテイメントする工夫が凝らされているなど見所が満載だった。



今回行われた「SHIBUYA SKY ROOF TOP MUSIC」で音楽による空間演出を施したのは、アーティスト・starRo。2017年に行われた第59回グラミー賞にて、MURA MASAやSkrillexなど名たたるアーティストが受賞している「最優秀リミックスレコーディング賞」に日本人アーティストとしてノミネートされたことはご存じの通り。あらゆるジャンルを横断し、独自のフィルターを通して融合させ、その類希なる音楽性で国内外を問わずさまざまなアーティストと交流、作品を制作しているアーティストである。


近作ではSIRUPの「HOPELESS ROMANTIC」へShin Sakiuraとともに参加、また、別名義プロジェクト・POPS研究会としての活動も行っている。starRoはそのPOPS研究会として、オランダのアーティスト/プロデューサーであるMidas Hutchとコラボレーションした「Shibuya」で渋谷の街を客観視し、主体性を表現してみせたこともあり、「SHIBUYA SKY ROOF TOP MUSIC」にふさわしいアーティストと言えるだろう。今回のパフォーマンスでは、機材でのアレンジ、生演奏を含めた、珠玉のアンビエントセットを2部にわたって披露した。





音、人、空間がスクランブル。悪天によって実現したポジティヴなハプニング性




当日、1部は生憎の雨天のため46階「SKY GALLERY」でのパフォーマンスとなった。「空間を楽しんでもらうためのセットなので、自由に楽しんでください」というstarRoブースのすぐ脇には、写真家石川直樹氏が自ら登り撮影した、エベレスト山頂部の写真が展示されていた。これは8月31日まで開催されている石川氏のエキシビション「EVEREST -都市と極地の高みへ-」の作品であり、starRoの音楽と「SKY GALLERY」で予期せぬ交わりを見せることとなったのだ。ビルの中にいながら、壮大なスケールの自然と都市の狭間にある不思議な異空間が出現したようだった。starRoはデジタル機材とアナログな楽器(鈴など)、そして自身の声を用いて楽曲をアレンジしながら音を重ねていく。ゆったりとしたアブストラクトな楽曲からアップテンポでダンサブルな楽曲へ、そしてまたロービートへとシームレスに変遷。登って下り、時にひと休みしながら、まるで山々の稜線を描いているような構成で音楽が展開されていった。




「Afternoon Sky」と銘打って披露された1部のセットはまるで時間の波の中を泳いでいるような、なんとも気持ちのいい感覚を享受することができた。音楽に身体を揺らしながらすぐ横を見れば、東京の街並を今まで見たことのないスケールで一望できるロケーション。空は時間の経過とともに少しづつ色を変え、街には少しづつ灯がともる。座って目を瞑りながら聴く人や、音に合わせて自由に踊る子どもたち、景色を眺める者、このイベントを目当てに訪れた人や偶然居合わせた人、それぞれが空間の中でstarRoの奏でる音に溶け込み、さまざまな方法で楽しんでいたのが印象的だった。






Rhizomatiksの演出とstarRoの音、渋谷上空で味わう圧倒的スケールの浮遊感


天候が回復した2部の「Night Sky」は、屋外展望空間「SKY STAGE」にて行われた。空の近さと圧倒的なダイナミックさで迫る煌びやかな夜景に感動していると、間もなく音楽が鳴り響く。かねてよりstarRoと活動をともにするシンガー・SARA-Jがサプライズで登場。starRoの音楽に合わせ、詞のない歌唱を披露し美しい声を重ねた。白い衣装に身を包んだ2人が、空と街の真ん中に並んで浮かぶように佇む姿は神秘的で、都市の喧噪と混沌を憂うアダムとイヴのように映った。




さらに「Night Sky」のもうひとつの目玉として、Rhizomatiksによる音楽に合わせた演出がオーディエンスを魅了。頭上に浮かぶ雲をスクリーンに、いくつものサーチライトの光線が規則的な動きと不規則的な動きを繰り返しながら夜空を照らし、音と空と街が交差する空間を彩った。






1部で演奏された楽曲であっても、ロケーションが変わると全く違う印象に聴こえる。個人的にもっとも印象に残った曲はMoses Sumneyの「Doomed」だ。タイトルを直訳すると“運命”。肉体から解放された崇高な魂、精神を歌った楽曲に身体を揺らしながら、街並に目をやれば今にも崩れ落ちてしまいそうなほどに儚い。街の上にそびえ立つロケーションでのライヴは、starRoの音楽も相まって身体から心を解放し、街を見下ろしているかのような浮遊感を味わうことができた。






▶SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)

フロア:14階・45階・46階・屋上

高さ :地上約230m(屋上)

営業時間:9:00〜23:00(最終入場22:00)

URL:https://www.shibuya-scramble-square.com/sky/index.html

※入場チケットなどの詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。


※上記素材提供元:渋谷スクランブルスクエア


Written by Tomohisa Mochizuki





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