音楽制作のためにサンプリングはどのように利用されてきたか

サンプリングはどんな手法か
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2018.07.13 03:52

サンプリングはどんな手法か


サンプリングとはヒップホップなどの音楽を作る際に用いられる手法である。誰かの作品の一部を抜粋することで楽曲を構成していく手法であり、歌を歌ったり楽器を演奏する生音を使わないでも曲を作ることが可能だ。様々なジャンルで利用されているサンプリングは、現在の音楽を語る上で欠かすことができない技法だ。


音楽とサンプリングの関係について


サンプリングは目新しい技術ではなく、1940年代に誕生したジャンルであるミュージックコンクレートが始まりだ。また、1960年にはメロトロンと呼ばれる楽器が誕生したがこれはテープが付いているのが特徴で、鍵盤を押すことによってテープが再生される。鍵盤を押すことによってサンプリングされた音が出るサンプラーの元祖のような楽器であり、このメロトロンによって多くの音楽が誕生した。


そこからさらにサンプラーは進化を続けて、ドラムの音を鳴らすことができる機会が誕生したが、これがドラムマシンだ。ドラムのような音を合成したり、実際にドラムの音を録音して鳴らすなどいろいろなタイプがあり、実際にドラムセットを持っていなくてもドラムの音を導入して音楽をつくることが可能になった。1970年代の後半になるとドラムマシンに既存の楽曲のフレーズを録音して使われるようになったが、これがヒップホップでいうサンプリングの元祖である。




サンプリングの楽しみ方


サンプリングで構成された音楽は、生演奏とは違った楽しみ方ができる。原曲のどこを切り取って利用されたのか見つける楽しみがあったり、どんな曲が使われているのか探す楽しみがあるのか魅力だ。サンプリングされた楽曲の演奏者を知ることで音楽の知識が広がるなど、これまでと音楽の聴き方が変わることもある。


また、誰の曲がどのくらい使われているのか知りたい人のために、サンプリングの元ネタを公開しているサイトも存在している。ヒップホップやテクノなどジャンルによってコミュニティが分類されており、膨大な楽曲のサンプリング情報がリスナーによってシェアされているサイトだ。曲と曲がハイパーリンクのようにつながっているので、このようなサイトを利用すればこれまで知らなかったアーティストをみつけることもできる。また音楽を作るためにサンプリングを利用したい場合もある楽曲がどのようにして使われてきたのかすぐに調べられるので、今後どのようにして利用できるか考えるヒントにもなる。これまでの歴史を知ることによって、未来につなげられるのがサンプリングだ。




サンプリングを行う際の注意点


ヒップホップが誕生した1970年代の終わりはサンプリングはほとんど無許可で行われていた。しかし、80年代になりサンプリングの手法が一般的になると作曲者が著作権を主張するようになり、訴訟が頻繁に行われるようになった。これによってヒップホップのミュージシャンにとってサンプリングを行う際は、クリアランスの問題がつきまとう状態になってしまった。


現在でもサンプリングを行う場合は、アーティストとレコード会社に許可をもらう必要があり使用料も払う必要がある。法的な問題やテクノロジーなどいろいろな要素を含んで発展を続けているのが、サンプリングという技術だ。



これからのサンプリングについて


近年の技術であるマイクロサンプリングは耳がほとんど認知できないようなレベルで行われるサンプリングのことであり、楽曲をよりカラフルな印象にしたい場合などに用いられている。現在は音楽作成ソフトも発達しパソコン上で編集が簡単に行えるようになったので、マイクロサンプリングを行うためのプロセスも容易だ。


また、エンベロープやピッチも簡単に変えられるようになったので、元の楽曲が何であるか判断するのはとても難しくなっているのが特徴だ。現在ではピアノやギターなどと同等の位置を獲得しているのが、サンプリングである。


photo: https://www.youtube.com/watch?v=3_QTDaynDhg


written by 編集部


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