国際的に活躍、ラッパーRejjie Snowのアルバム『Dear Annie』に注目

ラッパーRejjie Snowのアルバム『Dear Annie』とは
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2020.02.17 01:07

ラッパーRejjie Snowのアルバム『Dear Annie』とは


Rejjie Snow(レジー・スノウ)は、ダブリン出身の人気ラッパーで、現在はイギリスを拠点に活動を行っている。フロリダに留学した際に作成した音楽をYouTubeに投稿したことが注目されて、ラッパーとして人気を集めるようになった。アルバム『Dear Annie』も、話題を呼んでいる。人気のラッパーRejjie Snowとアルバム『Dear Annie』について紹介しよう。





キャリア初期から満を辞したアルバムまで


Rejjie Snowは、1993年にアイルランドのダブリンに生まれた、ナイジェリア人とジャマイカ系アイルランド人の母を持つラッパーである。学校を卒業後、フロリダの学校に留学していた。その間に、YouTubeにシングル「Dia Dhuit」を投稿して注目を集めた。「Dia Dhuit」とは、アイルランド語で「神は共にいる」という意味である。


音楽活動に専念することを決意したRejjie Snowは、活動拠点をロンドンに移し、アルバム『Rejovich』をリリースする。さらには、 Madonna(マドンナ)のツアーでオープニングアクトにも抜擢された。『Rejovich』はアルバムのカバーイラストからも分かるように、黒人ラッパーとしての彼のアイデンティティを強く主張したものとなっている。重いテンポを刻むトラックに、正統派のリリックが叩きつけられている。さらにKanye West(カニエ・ウエスト)やJ. Cole(J・コール)ともコラボレーションを行ってきた。


2016年にYouTubeで公開された「D.R.U.G.S.」では、複雑なアレンジのバックトラックに、Rejjie Snowのラップがミックスされて、Rejjie Snowの新たな音楽性の開拓として話題を呼んだ。またMVには80年代のアメリカ西海岸を思わせる、ポップなアニメーションを使用したことも、注目されている。


そんなRejjie Snowが満を持してリリースしたのが、アルバム『Dear Annie』である。さまざまなミュージシャンとタッグを組んで、変化自在な音楽を展開しているとともに、彼のハスキーかつ重いボイスが全体を引き締めている、ファンには必聴の一枚となっている。




新境地を開拓したきっかけに


ヒップホップのヘビーリスナーにとっても、アイルランド出身のラッパーは珍しいのではないだろうか。だが、アイルランドは世界でも屈指の音楽国である。独自の歴史を築いてきたアイリッシュ音楽は、日本でも根強いファンがいる。独特の楽器から奏でられる音色は、どこか郷愁を誘う旋律である。いまも、アイルランドの街角で、音楽は定期的に演奏されている。


アイルランドはイギリスと長年対立しており、暗い歴史をくぐってきた国である。一方で、カトリックを中心にキリスト教が盛んな国でもある。そのなかで、ナイジェリアとジャマイカにルーツを持つRejjie Snowは、ラッパーとしての才能を育んできたと考えられる。アメリカのフロリダへの留学で才能が開花したのも、偶然ではなく必然なのではないだろうか。


Rejjie SnowがYouTubeを中心にリリースしてきた楽曲は、黒人ラッパーとしてのアイデンティティに溢れた内容となっている。カウンター精神とハングリーな内容で構成されたリリックは、Rejjie Snowが正統派のラップを目指している証拠と言えるだろう。彼のラッパーとしての技術は確かなものであり、リリックとサウンドとが見事にマッチしている。ハスキーがかった重めのボイスが、音楽に格調すら与えている。


そして『Dear Annie』では一転して女性ボーカリストとタッグを組むなど、さまざまな挑戦がなされている。これまでの活動がヒップホップの基礎的な音楽の追求と位置付けると、『Dear Annie』はRejjie Snowの新たな新境地の開拓と言えるだろう。




幅広いヒップホップを堪能できるアルバム


Rejjie Snowが2018年にリリースした『Dear Annie』の魅力は、女性ボーカリストとコラボしたり、メロウなサウンドを使用したりするなど多彩な内容となっている。カウンターな内容の曲だけでなく、スタイリッシュでアーバンなHip‐Hopも堪能できる。広くヒップホップファンにおすすめしたいアルバムだ。


アルバムの表題となっている「Oh No!(Dear Annie)」は、Dana Willams(ダナ・ウィリアムズ)の伸びやかなコーラスを取り入れた、メロウな音楽となっている。ただし、歌詞の内容は彼のルーツも取り入れた内容となっていて、複雑で独自の音楽世界が展開されていることに特徴がある。ヒップホップの歴史を考えるにも、重要な曲と言えるだろう。また「The Rain」では、叩きつけるドラムのサウンドと刻み付けるリリックの取り合わせによって、Rejjie Snowのラッパーとしての確かな技術を堪能することができる。また、Jazzの影響を強く見出だすことができる。


『Dear Annie』は、確かな音楽性と、セクシーなRejjie Snowのラップの魅力がたっぷりつまった1枚となっている。ヒップホップファンはもちろん、ビギナーにも手に取ってもらいたい。また、落ち着いて作業に取り組みたいときはもちろん、ドライブやデートにもぴったりのアルバムにもなっている。さまざまな音楽がつまっているので、飽きることなく聞くことができる。もちろん、歌詞をチェックしながらじっくりと聞いてもらいたい。Rejjie Snowのヒップホップがなぜ注目されているのか、よく理解することができるだろう。




written by 編集部


photo: facebook

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