相対性理論、やくしまるえつこが「わたしは人類」科学博物館ライブで披露した、バイオテクノロジーと音楽の奇跡的な融合

RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018の一環として、「わたしは人類」インスタレーション+特別集会「国立科学博物館の相対性理論」が10月9日(火)に東京・国立科学博物館で開催された。
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2018.10.18 08:40

カバー写真: Photo by Kenshu Shintsubo


block.fmでも特集をした24時間放送「plug (24 Hours)」やカラオケ館ジャック「LOST IN KARAOKE」をはじめ、9月から東京都内の各地で話題となっているRED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018の一環として、音楽とアート、テクノロジーのインスタレーション「わたしは人類」の公開と、特別集会「国立科学博物館の相対性理論」が10月9日(火)に東京・国立科学博物館で開催された。


このイベントは、Jeff MillsとのコラボレーションやMONDO GROSSOのアルバム参加などblock.fmリスナーにも馴染みが深いアーティストであるやくしまるえつこが、世界最大の国際科学芸術賞「アルスエレクトロニカ」STARTS PRIZEグランプリを受賞した作品「わたしは人類」の展示と、やくしまるが率いるバンド「相対性理論」のライブを国立科学博物館で行うという一夜限りのプレミアムな内容となっており、発表と同時にチケットが完売し芸術性・音楽性ともに開催前から高い注目が集まっていた。




Photo by Taisuke Nakano


Photo by Kenshu Shintsubo


Photo by Tomohiko Tagawa


日が落ちて暗くなった国立科学博物館にRed Bullのロゴが灯り、来場者はクローズ後の博物館の中を進み「地球環境の変動と生物の進化」の展示コーナーに案内された。そこには絶滅動物たちの化石が展示されており、天井を泳いでいるかのように配置された巨大なティロサウルスとバシロサウルスが観客を迎え入れる。ナイトミュージアムさながらの非日常感のあるシチュエーションに、開演前から期待が高まる。化石が並ぶスロープの上にはライブセットとショーケースが設置されており、ショーケースの中には緑色に発光する無数のシャーレと試験管が入っている。このショーケースのインスタレーションが、やくしまるが微生物の塩基配列を用いてポップミュージックを制作し、その楽曲情報のデータを微生物のDNAに組み込んで、音楽を「人類滅亡後の未来」へと残すバイオテクノロジーを使った試み「わたしは人類」の遺伝子組換え微生物だ。


相対性理論はステージに立つと「FLASHBACK」、新曲の「NEO-FUTURE」、「わたしは人類」の3曲を続けて演奏し、観客たちは相対性理論からの信号を受け取るかのように、静かに熱い視線をステージに送りながらライブに聴き入っていた。絶滅動物に囲まれながら「わたしは人類」の歌詞である「進化を止めて」というフレーズを繰り返し歌うやくしまるえつこはとても神秘的で、あらゆる生物の進化の過程を展示するこの美しく歴史ある博物館の雰囲気とあまりにもマッチしていた。同曲の演奏中にはやくしまるがケースの中を覗き込む仕草もみられ、「わたしは人類」の変化を伺っているようだった。




Photo by Tomohiko Tagawa



Photo by Taisuke Nakano


ライブ終了後、人類の進化についての国立科学博物館の常設展示と「わたしは人類」のインスタレーションを間近で見ることができた。この特別な空間でライブを聴いた微生物は、遺された未来でどのような生命体に発見されるのだろうか。


事前に説明文や授賞式の映像で観ていた「わたしは人類」という作品の本質に、ライブパフォーマンスや生命の歴史と共に実物のインスタレーションを体感することで、より近づけたような気がする。RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYOは、この他にも山手線やプラネタリウム、カラオケ館などの日常的に利用している空間がまったく違う見え方になる、特別な音楽体験をさせてくれた。


RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018は10月12日の「CLOSING NIGHT」で幕を閉じた。来年もよりいっそう東京ならではの音楽とカルチャーが街に溢れることになるはずで今から楽しみである。なお、「わたしは人類」の金沢21世紀美術館での展示バージョンである「わたしは人類(ver.金沢)」は、ポップミュージック / バイオアート作品として初めて、金沢21世紀美術館にコレクションとして収蔵されたことが発表された。



written by Ayaka Nakamura



RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO、新宿のカラオケ館から日本音楽の未来を! Lost In Karaoke」レポート

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https://block.fm/news/plug_24_hours_red_bull

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