Kanye West、Kendrick Lamar、50 Cent。あのラッパー達のデビューアルバムを振り返る

キャリアを重ねていくうちに忘れかけてしまう彼らのデビューアルバム。懐かしの曲とともに振り返ろう!!
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2020.03.27 10:00

2010年代後半から2020年現在にかけて、次々と新たなラッパーが頭角を現しているヒップホップシーン。2001年から始まった21世紀はまだ始まったばかりではあるが、今でも活躍するラッパー達のデビューアルバムはどんな作品だったのか。アメリカのヒップホップ・メディア「Hot New Hip Hop」が2020年までの21世紀をラッパーのデビューアルバム、トップ25をリストアップしていたので、その中から上位の注目作品を振り返りながら紹介していこう。





11位: Nipsey Hussle『Victory Lap』(2018)


トップ10入りはならなかったものの、ここ数年では確実に重要作品のひとつに入るであろうNipsey Hussle(ニプシー・ハッスル)のデビューアルバム『Victory Lap』。ご存知の通り、2019年3月に凶弾に倒れてしまった西海岸を代表するラッパーである彼がそれまでにも多くのミックステープをリリースしてはいたが、生前に残した唯一のスタジオ・アルバムである。


グラミー賞にもノミネートされたこのアルバムは、多くのデビューアルバムが目指すべき構成であり、Nipsey Hussleのこれまでのストーリーや次世代へのメッセージが込められている。メジャーデビューにありがちなセルアウトな内容ではなく、これまでミックステープで培ったスタンスを崩さずにアルバムに想いを込めた点も、このアルバムが高く評価される理由だろう。最初で最後のアルバムとなってしまったことが本当に悔やまれる。





8位: Lupe Fiasco『Food & Liquor』(2006)


多くのビッグアーティストを輩出しているシカゴ出身のLupe Fiasco(ルーペ・フィアスコ)のデビューアルバム『Food & Liquor』は同郷のKanye West(カニエ・ウエスト)をはじめ、The Neptunes(ザ・ネプチューンズ)からJay-Z(ジェイ・Z)まで今でもトップで活躍するアーティストが参加していることからも注目度の高いアーティストであったことがわかる。2007年のグラミー賞では4部門でノミネートし、翌年のグラミー賞ではソウル・シンガーJill Scott(ジル・スコット)をフィーチャーした「Daydreamin」が最優秀アーバン・オルタナティヴソングを受賞している。


リードシングルの「Kick Push」がここ日本でも人気だったが、アルバムの中で特にLupe Fiascoのストーリーが伝わる1曲が11曲目に収録されている「Hurt Me Soul」だ。この曲では「グレイテストになりたいわけじゃない、ヒップホップは嫌いだったんだ」と意外なリリックから始まり、デビュー前の彼のストーリーが込められている。14年前のアルバムではあるが、いまだにフレッシュに聴くことができる名作だ!!





3位: Kanye West『The College Dropout』(2004)


近年では政治的な発言や日曜礼拝イベント「Sunday Service」で注目を集め、昔からのファンからは「彼は変わった」という意見も聞かれるKanye Westのデビューアルバム。しかし彼のこれまでの輝かしいキャリアの全ての始まりはこのアルバムにあったのだと、聴き直せば伝わることだろう。カニエ・サウンドの特徴でもあるソウルを多くサンプリングした曲の数々からは2019年10月にリリースされたゴスペル・アルバム『Jesus Is King』へ繋がる”何か”を感じることができるはずだ。


このアルバムの全体的なテーマは「社会に流されず、自分自身で道を切り開く」ことであり、それこそKanye West今日まで崩すことのないスタンスなのではないだろうか。時にソフトで、時に過剰にも感じる彼の言動の数々はデビュー当時から変わらぬものであり、彼の魅力だ。最近の彼の作品にしっくり来なかった方々には『The College Dropout』を特に聴き直していただきたいと思う。





2位: Kendrick Lamar『good kid, m.A.A.d city』(2012)


現代を代表するカリスマ・ラッパーの1人Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)。2011年にリリースしたアルバム『Section.80』でシーンに衝撃を与えたまま、翌年にリリースされたメジャーデビュ・アルバム『good kid, m.A.A.d city』はその期待を裏切らない永遠に語り継がれるクラシックとなった。


アルバムカバーにタイトルとともに書かれている「A SHORT FILM BY KENDRICK LAMAR」の通り、どこか映画的に彼のこれまでのライフストーリーが綴られているこのアルバムは、要所要所に挟まれているスキットがその背景をより具体的なものにしている。リードシングルの「B****, Don’t Kill My Vibe」で幕を開けるこの物語は「good kid=いい少年」が「m.A.A.d city=混沌とした街」でどのように生活を送るのか。ストリートから抜け出すまでの葛藤が伝わり、思わず彼のこれまでのアルバムを通して聴きたくなる作品だ。





1位: 50 Cent『Get Rich or Die Tryin』(2003)


2000年代に活躍したラッパーがThe Notorious B.I.G.(ノトーリアス・B.I.G.)や2 Pac(トゥーパック)を聴いて育ったのであれば、2010年のラッパー達の多くが50 Cent(50・セント)を聴いて育ったと言っても過言ではないほど大きな影響を与えた彼のデビューアルバム『Get Rich or Die Tryin』。デビュー前からの過激な発言や、Eminem(エミネム)のレーベルと契約したことで話題となっていたこのアルバムはビルボードチャートで初登場1位にも輝き、ストリートだけでなく多くの人々に受け入れられたアルバムとなった。


「What Up Gangster」で見せるハードコアなスタイルから、「21 Questions」で聴かせる切なげなラップまで。50 Centが経験してきたストリートのリアルを、その卓越したスキルで伝えてくれる『Get Rich or Die Tryin』は今になって聴いても古さを感じさせない。それはプロダクションで携わったDr. Dre(ドクター・ドレ)の手腕もあるだろう。Eminem、Dr. Dreが押し出したニューヨーク出身の新人ラッパー50 Centはその期待に漏れず、1枚のアルバムでストリートのシーンを変えてしまったのである。





今回はHot New Hip Hopの選んだリストに沿って5枚のアルバムをピックアップした。TOP25全てを見たいかたはこちらから。


自粛ムードの続く中、気になるラッパーのデビューから最新アルバムまでを通して聴いてみる。なんて過ごし方もいいかもしれない。





written by BsideNews


source:

https://www.hotnewhiphop.com/top-25-best-hip-hop-debut-albums-of-the-21st-century-so-far-news.105827.html


photo:

https://www.facebook.com/pg/nipseyhussle/photos/?ref=page_internal

https://www.facebook.com/pg/LupeFiasco/photos/?ref=page_internal

https://www.universal-music.co.jp/kanye-west/products/uicd-3019/

http://www.kendricklamar.com/music

https://www.universal-music.co.jp/50cent/products/uicy-6070/




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