【レビュー】pinoko『Sunday』EP 人肌恋しい季節に、あえて心のかさぶたをひっぺがす快感

『小悪魔』EPに続く連続リリース第2弾、pinokoの『Sunday』EPをショートレビュー。
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2019.11.11 07:00

pinokoが10月にリリースした『小悪魔』EPに続く、『Sunday』をリリース。MVも公開された。





リアルで緻密な色恋模様に胸がズキズキ。pinokoが赤裸々に歌う『Sunday』EPをレビュー


pinokoの『Sunday』EPには、リアルな都市生活を送る若者たちの群像が詰めこまれている。pinokoのリリックはリアルでありながら人物を特定させないところが面白い。pinokoの視点なのかそうでないのか、ボヤけた焦点が余計にストーリーに生々しさを感じさせる。


それぞれの楽曲の歌詞に出てくる人物たちは同一人物なのか、それとも全く別のカップルなのか、はたまたどちらかが共通しているのか、生々しく紡がれるリリックからそういった考察をするのもpinokoの作品性ならではの楽しみ方だ。それが多くの人から共感を集めるpinokoの魅力だろう。


1曲目、タイトルトラックである「Sunday」は、ケンチンミンを迎え、変わり映えのしない日曜の朝の気だるい風景をドラマチックに歌い上げる。分かっていても、パーティー明けのハングオーバーはお約束。それでも「明日のことなんて知らない。週末のために生きるの」とpinokoは鼻歌まじりだ。そんなふうに考えていた時期が俺にもありました(今は毎日がウィークエンド、というか週末もどっかで記事書いてるので平日と週末の境目がないだけなんだけど)。


そして、アルコールの匂いが漂ってきそうなラップをキックするケンチンミン。ヒッピーなのんべえキャラを歌わせたら天下一品。地元大分では居酒屋さんを経営しているとのことで、根っからの酒好きなのだろう。大分を訪れたらお店に行ってみたい。





Bunjoが描く『Sunday』ジャケと連動した「headache」


12月にリリースされるpinokoのアルバム『リバース』に収録されるという「headache」は『Sunday』のジャケと連動していて、MVではこのイラストがアニメーションになっている。ジャケを手がけたのはイラストレーターのBunjo。リアルタッチだけどポップみがあるイラストが特徴だ。横で眠る男と、スマホを見つめる女の子。このシチュエーションからいろいろな想像が広がる。ところどころ、pinokoの所属するchilly sourceイベントのフライヤーや楽曲のレコード、ストロングゼロっぽい空き缶が描いてあるなど、1枚画の中に仕掛けや見所が詰まっている。




プロデュースはKiwy。チルベースとジャズが絶妙にブレンドされたピートと、アンニュイなpinokoのボーカルが切なさを増幅させる。切りたいけど切れない。分かっていても離れられない、そんな心情を描いたリリックに胸が痛む。これを聴いてなんとも思わない天然タラシな彼氏未満くんは、夜道と背後に気をつけような。


pinokoアルバム『リバース』は12月18日リリース


pinokoがSNSにもの申す「SNS」、ブレイクビーツとチルなメロディが心地イイ熊本出身、hiphopグループBefore Sleepin’ Showerに所属するjumLivをフィーチャーした「sympathy (sugarloaf remix) feat.jumLiv」の4曲が収録されている『Sunday』EP。これは12月18日にリリースが予定されている『リバース』の前章という位置付けになっている。前作『小悪魔』EPのShin Sakiuraプロデュース「トーキョーブルース」も収録されるとのこと。




アルバムではどんなストーリーが紡がれるのか楽しみだ。pinokoに関する過去の記事は下記を参照してほしい。


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▶pinoko『Sunday EP』


発売:2019年11月6日(水)

価格:900円

品番:CHILL-1007DIGI2

レーベル:Chilly Source

仕様:デジタル


収録曲:

1. Sunday feat.ケンチンミン

2. headache

3. SNS

4. sympathy (sugarloaf remix) feat.jumLiv




 

▶pinoko


東京を中心に活動するラッパー/シンガー。4歳でピアノ、幼少期より和太鼓、篠笛を始める。15歳から路上ライブを開始、その後 23歳で自身に病気が発覚。入院、手術を繰り返す中、ラップを始める。2015年12月より“pinoko”名義で始動。「B-BOY PARK」、「戦極シンデレラMCバトル」など多くのイベントに出演。2017年の『手塚治虫作品に敬意を。初音ミクよりラップにのせて』への楽曲提供などで注目を集め、2018年には初音ミクとNEWDAYSがコラボした「NEWDAYS」でも歌詞とラップを担当し話題となった。同年1st ミニアルバム『Hotel』をリリース。所属するChilly Souceのレーベルコンピレーション、イベントへの参加を経て2019年10月に『小悪魔』EP、11月に『Sunday』EPを連続リリース。12月18日にアルバム『リバース』をリリース予定。


written by Tomohisa“Tomy”Mochizuki


photo:Chilly Source





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