【インタビュー】ONJUICY×YUNGYU|最新作「このまま2人」のコラボが生まれたきっかけとは

注目のラッパーONJUICYとYUNGYUにインタビュー。スタイルの違う2人がコラボすることになった経緯を語る。
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2019.08.19 12:30

イギリスを拠点に活動する気鋭グライム・レーベル「Butterz」や、香港を拠点にするコレクティブ「YETIOUT」からのリリースなど、日本だけでなく世界でも活躍するMC、ONJUICY。最新作「このまま2人」では山梨を拠点に活動する新進気鋭のラッパー、YUNGYUをフィーチャーし、今までのイメージとは一線を画すラブソングをリリース。今回はONJUICYとYUNGYUにインタビュー、音楽を始めたきっかけから最新作の制作裏話まで話を聞いた。




ーまずはお二人のプロフィールを教えていただければ。音楽を始めたきっかけは


YUNGYU(以下、Y):高校のときにバンドを組んだのが、音楽を始めたきっかけですね。今もバックDJをやってくれてるプレンティー上野と一緒に。


ーそのときからずっと一緒なんですか?


Y:小学校からずっと一緒なんですよ。そのときは僕がベースで、プレンティーがギターボーカル。コピーだけじゃなくてオリジナルもやってたんですけど。でも突然僕がライブに行かずにバックレて。そこでバンド活動は終わりました。そのあと、今の会社に入ったらヒップホップ好きな先輩がいて。その人にいろいろと教えてもらったのがヒップホップとの出会いです。


ーどういったヒップホップを聴いていたんですか?


Y:最初は90年代、2000年代のヒップホップ、音源をもらったりYouTubeとかで見て。地元にもちょうどヒップホップブームが来たときでした。


Plenty Ueno(以下、P):フリースタイルとかバトルのブームのちょっと前だったね。


Y:それでサイファーを始めて。地元の友だち3、4人と、近所の橋の下みたいなところで(笑)。でも、なんかやりたいことと違うなって思うようになったんです。


P:なんにも生み出さないからね、あれは。


Y:そうだね。それで、自分たちで曲を作ろうと。まず、僕の弟がパソコン得意だったので、エンジニア的なかたちで動いてもらおうってことになり。ネットのMIX講座みたいなのを受講して教えてもらったりしました。


P:先生に20万とか払って。けっこう高かったよね。


Y:みんなで機材も買ったんです。ラックさんっていう人のブログを見て、インターフェイスとかマイクが必要って書いてあったので、揃えようと。最初はSteinbergのCI1っていうインターフェイスと、SHUREのゴッパチ(SM58)っていうマイクを揃えて。あとはCubaseっていうDAWのソフトもみんなでお金出して買って。それで宅録を始めました。その当時、最初は地元で活動していこうと思ってたんですけど、地元のラッパーの人たちのスタイルと自分たちのスタイルがあんまり合わなくて。だから、とりあえずネットに曲をあげようということになって、SoundCloudに曲をアップし始めました。


ーその時からソロで活動してたんでしょうか。


Y:その時はチームでしたね。僕とプレンティー、僕の弟、DHKの4人で、みんなラップしてました。一番最初のライブはDJの先輩のツテで出たイベントだったんですが、ダンスイベントだったんですよ。


P:お客さん全員座ってたもんね。


Y:みんな体育座りで。プレンティーは歌詞飛ばすし(笑)。その後は全然イベントに呼んでもらえなかったので、自分たちでやったほうが早いんじゃない?っていう話になり、iIyっていうパーティーを始めて。県外からゲストを呼んだりしてやってましたね。そのくらいから、ネットで発見してくれた人が東京のイベントに呼んでくれるようになって。今は気づいたら東京メインになってます。


ー韓国のアーティストともつながりがあるんですよね。


Y:SoundCloudで韓国のラッパーをよく聴いてたんですけど、FUTURISTIC SWAVERっていうラッパーの「GANG」っていう曲がすごくよくて。「リミックスしたいからインスト送ってください」ってDMしたら「いいよ」って言ってくれて。そこからネットでのやり取りが始まりました。2年前にはライブで山梨に呼んだんですけど、SWAVERの友達も一緒に来て、そこからまた広がって。SKOLORくんはTwitterから「一緒にやりましょう」って連絡が来て、SWAVERと3人で作ったのが「4G」っていう曲なんですよ。



Y:そのあと、SKOLORくんにRoof TopのCoogieとかを紹介してもらって「TMDC」っていう曲を出したり。やっぱりネットは大きいですね。





ーONJUICYさんは何がきっかけで音楽を始めたんですか?


ONJUICY(以下、O):親がピアノの先生で、小さい頃からエレクトーンとか声楽を習ってたんですよ。そのうち自然と音楽を聴くようになって、中学でTERIYAKI BOYZを知って。そこからヒップホップに巡り合って、ファレルとかカニエを知ったんです。中学のときは好きなラッパーを真似したくて、林間学校とか学園祭で学校の先生をフィーチャリングしてラップしてました(笑)。先生もけっこうノリノリでやってくれるんですよ。中3の追コンはm-floをやりました。OUJUICY lovesで「miss you」を。俺がVERBALさんでmelody.さんは英語の先生、Ryoheiさんは数学の先生で。


Y:僕らもm-floはめちゃくちゃ聴いてた!


P:lovesとか、あの頃みんな聴いてたよね。


ー世代的にそうですよね。音楽を作り出したのはいつから?


O:高校のときに音楽学校にちょこちょこ通って、そこから勉強してました。そのときもずっとヒップホップをやっていたんですけど、19か20歳のときに東京に来て、グライムのパーティーに遊びに行ったんです。そのときはグライムっていうものを詳しく知らなかったんですけど。マイクリレーで自然と速いビートの上でラップしてたっていうのがきっかけで、グライムをやってみようと。2016年にBOILER ROOMが初めて東京に来たんですよ。そのとき、Elijah & SkilliamっていうグライムDJが来日してて、さらにSkeptaがアルバムのプロモーションで日本にいてBOILER ROOMに出たんですけど。そこに呼んでもらったのがきっかけで注目してもらえるようになりましたね。




Y:すごいね。何年前なの?


O:3年前だから、21くらいですね。


ー2人はなにがきっかけで知り合ったんですか?


O:たまたま同じイベントにブッキングされてたんですよ。そのときは知らなかったんですけど。そのあとTwitterで流れてきたYUNGYUさんの「TMDC」のPVを見てヤバいなと思って。それから連絡取るようになったんですよね。もともとChance the Rapperとかも好きだったんですけど、ポップな雰囲気でラップしてる人が日本に少ないなと思っていて。


Y:俺はONJUICYくんを元々知ってたので、メッセージが来てすごく嬉しかったです。東京で一緒になったときもライブ見てたんですけど、すごいかましてたんで。


ー知り合ったのはいつごろ?


Y:去年でしたよね。


O:去年の8月だ。ちょうど1年前。




ーそのときから一緒に作ろうっていう話をしてたんですか?


Y:そうですね、DMで意気投合したので。僕も、誰でも一緒にってわけじゃないんですけど、ONJUICYくんにはリスペクトがあったので。でも、トラックを選ぶのに時間がかかったんですよ。どういう風に出していくか、みたいなところでお互いちょっと慎重に進めました。


ー2人のスタイルも違いますもんね。


Y:そう。その中間のトラックを探すのが難しくて。


O:ちょっとハネたような感じもいいなと思ってて。そこで共通の友達のK BoWさんっていうプロデューサーに頼んで作ってもらって。送られてきたトラックがウキウキ系だったので、ラブソングとかが合うんじゃないかなと思って、久々にそういう曲になりました。


ーMVの撮影場所は山梨ですか?


Y:そうです。撮影場所はノリで決まりました(笑)。ONJUICYくんが「山梨行く」って言ってくれて。


O:プレンティーさんが撮れるのを知ってたから。あと単純に旅行したいっていうのもあって(笑)。


U:最初は清里のサンメドウズっていうスキー場に行ったんです。夏はカフェを開放してるからそこで撮れたらいいなと思ったんですけど、雨が降っちゃって。その後ハイジの村に行ったらすごく晴れてて、いい感じに撮れました。


ー草原の開けた感じとかすごく気持ちよさそうなMVでした。


P:あそこはサンメドウズです。でもロープウェイで上に行ったらすごい嵐でした。


O:ハイジの村は雨が上がったあとだったから、空がひらけててめっちゃよかったよね。




ー今回はONJUICY名義でのリリースですが、今度はYUNGYUさん名義でとか、またコラボの予定はありますか?


Y:僕はやりたいです。ONJUICYくんが良ければ。


O:ぜひぜひ。やりたいですね。


Y:今回は中間のビートだったんですけど、もっと俺よりのビートでやっても面白いかもしれませんね。





【プロフィール】


▶ONJUICY




Grime・Bass・Hip Hopを中心としつつも、ジャンルレスに活動するMC。たまたま遊びに行っていたGrimeのパーティをきっかけに、2015年からMCとしてのキャリアをスタート。

最近では、TREKKIE TRAXからCarpainterやMaruとの楽曲に加え、UKを拠点とする気鋭ベースミュージックレーベルButterzからRoyal - Tとのコラボレーション楽曲を発表。上海/香港/ロンドンを拠点とするパーティコレクティブYETIOUTからリリースされた”Silk Road Sounds”に参加し、Hypebeastやmixmagに取り上げられる等、世界からも注目を集める。また、新木場ageHaにて開催されている”AGEHARD”でのアリーナMCや、ULTRAを始めとするフェスへの出演、イベント/ラジオ番組でのMC、イベントのレジデント等、その活動は多方面に渡る。

Grime MCとしては、BOILER ROOMによる"Sekepta Album Launch"や"JP Grime All-Stars"、"Full Circle: Grime In Japan”への出演から名が知られる様になり、英国雑誌mixmagへ、インタビューの掲載もされた。2018年にはロンドン、バンコク、中国へのツアーを実施。国内外多数のアーティストとのコラボレーション楽曲やアルバムリリースも控えている。

持ち前のフットワークを活かした、らしさ溢れるMCはジャンルを問わず様々なビートを乗りこなし、フロアを最高の空間へと導いてくれる。

Twitter:@onjuicy2


▶YUNGYU




山梨県出身。バンド活動や4人組ラップグループFAKAXAの活動休止後、ソロ開始。

不定期パーティ「ily」を開催しながら音源をコンスタントにリリース。

2017年のリヒト(Rihito)とのコラボで発表したEP「Candy House Bitch」はFuture Bassを中心とした多彩なビートとカラフルな世界観が話題に。

2018年にはEP「POOL」の発表や、SKOLOR & FUTURISTIC SWAVERと共に制作したスマッシュヒット「4G」、SKOLOR & Roof Top「TMDC」、haruru犬love dog天使やD-Hackらの作品への客演参加、PARKGOLFとのコラボ「You are on my mind」、シングル「201」と立て続けにリリース。そして今回のシングル発表を経て待望のアルバムを製作予定。ハイトーンボイスを駆使したポップでメロディアスなフックと卓越したビートアプローチ能力は今後さらに注目されるだろう。

Twitter:@quqqqupapi


written by 編集部

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