昨年リリースされたデビューアルバム『Victory Lap』がグラミー賞でもノミネートされ、さらに注目が集まっていた西海岸を代表するラッパーNipsey Hussle(ニプシー・ハッスル)が、自身の経営するアパレルショップの外で複数回の銃撃にあい、病院に搬送されるも死亡が確認された。享年33歳。Nipsey Hussleと一緒にいた2人の男性は重症、犯人は未だ見つかっていない。ファンはもちろん、アーティストやスポーツ選手からも信頼の厚かったNipsey Hussleに、SNSでも多くの悲しみの声が挙げられている。
本当にこれからが楽しみなアーティストだった。銃撃を受けた場所も、Nipsey Hussle(ニプシー・ハッスル)が経営するアパレルショップ『The Marathon Store』の外での事。地元であり、ロサンゼルスでも有数の貧困地区として知られるクレンショー地区に2017年にオープンしたThe Marathon Storeは、地元の経済の活性化、地域コミュニティを考えたNipsey Hussleの事業であり、ラッパーはもとより、多くのスポーツ選手もサポートしていた。
ヒップホップ界では地元でビジネスを展開するアーティストは多く、その主な理由は“地域の雇用を増やす”ことにある。雇用が増えれば経済が周り、犯罪が減る。貧困地区で育った彼らは身をもって雇用の重要性を目の当たりにしてきたのだ。オープンに向けたプロモーション・ドキュメンタリーでは彼がどれほど、地元を愛し愛され、未来へのビジョンをしっかりと持っている熱意が伝わってくる。
昨年リリースしたアルバムに続き、今年はMeek Mill(ミーク・ミル)とのジョイントアルバムを制作するとも話していたNipsey Hussle、実現すれば東西(Meek Millはフィラデルフィア州出身)のフッドスターによる作品となり、楽しみであったが聴けずじまいとなるのか。
ここ日本でも彼の作品、ライフスタイルから影響を受けたファンも多いだろう。ありがとうNipsey Hussle。どうか安らかに。
written by BsideNews
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