block.fmが選ぶ「今から知っておきたい2021年注目のアーティスト」

“エモ”シーンの超新星からThe Chemical Brothersもプレイする謎のコレクティヴまで来年のブレイク候補をピックアップ!
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2021.01.01 09:00

written by Jun Fukunaga



毎年恒例の「BBCが選ぶ期待の新人アーティスト」では、BeabadoobeeやGeorgiaがブレイクを果たしたほか、最近では音楽シーンにおけるヒットを生み出す原動力になっているTikTokからはsalem ilese、日本ではYOASOBIや瑛人がブレイク。


またSpotifyが選出するEarly NoiseからはRina Sawayamaや藤井風、Vaundyといったように2020年も数々の新人アーティストがブレイクを果たしたが、2021年は一体どのアーティストがブレイクするのだろうか? 


今回は「今から知っておきたい2021年注目のアーティスト」をテーマにblock.fmライターが独自に来年のブレイクアーティスト候補をピックアップしてご紹介。





新たな“エモ”の体現者か!? 注目のティーンシンガー、daine 


テン年代後半にヒップホップシーンで人気を博したエモやインディーロックを取り入れたトラップ“エモトラップ”だが、不幸にもLil Peep、XXXTentacion、Juice WRLDといったシーンを担う若きカリスマ達が相次いで逝去し、現在はカリスマ不在に。しかし、彼らがシーンに与えた影響は大きく、今やヒップホップだけでなく、インディーポップ界隈でもヒップホップとの垣根を超えた新たなポップスが多数踏み出されている。


そんな中で注目したいアーティストが、オーストラリア・メルボルンを拠点に活動する17歳のシンガー、daineだ。 地元のハードコア、メタルシーンだけでなく、ミッドウエスト・エモからの影響も公言している彼女の音楽性はまさにエモトラップ以降のインディーポップという感じで、エモトラップ系の物憂げなトラックに乗せて歌うスタイルの持ち主。かつてLil Peepも所属したエモトラップ・コレクティヴ「GothBoiClique」周辺のアーティストが好きな人ならきっと刺さるはず。




Aya Nakamuraの次にくるフランス語圏からの刺客!?、Lous and the Yakuza 


今年はコーチェラ2020にも出演が決定したことで日本でも注目が集まったアフリカ・マリ出身でフランス語圏で活躍する人気アーティストAya Nakamura。そんな彼女の次にグローバルにブレイクしそうなのが、同じくアフリカはコンゴ出身でベルギーを拠点に活動するLous and the Yakuzaだ。 


2019年にリリースしたシングル「Dilemma」でその存在が知られるようになった彼女は、Rosalíaのプロデュサーも務めるスペインのプロデューサー、El Guinchoを迎え、今年デビューアルバムとなる『Gore』をリリース。同作ではヒップホップやR&B、アフロビーツを基調にした音楽性を展開している。また、“Lous and the Yakuza”というアーティスト名は、彼女が日本の漫画好きだったことに由来しており、ミュージシャンとして活動する傍らファッションデザインや漫画の執筆も行うアルチな才能の持ち主でもある。スタイリッシュな衣装も含めて、映像美が際立つ「Amigo」のMVは必見だ。






謎多きロンドンのあらゆるブラックミュージックを飲み込むコレクティヴ、Sault 


今月、The Chemical Brothersがサプライズでリリースした最新DJミックス「ODD BOD DISTRESS IN THE AREA」の1曲目のトラックとして「I Just Want to Dance」を採用したことをきっかけに一気にその名が知れ渡りそうなのが、あるゆるブラックミュージックを飲み込んだかのような音楽性を持つイギリスのコレクティヴ、Saultだろう。


Saultは、2019年にデビューして以来、わずか2年足らずの間に4枚のアルバムを発表。今年も『UNTITLED (Black Is)』と『UNTITLED (Rise)』の2枚のアルバムを発表するほどハイペースでリリースを行なっているが、SNSは存在せず、その正体は謎が多く、正体不明のコレクティヴとして一部で知られていた。


しかし、最近になってInflo名義でLittle Simzや今年のマーキュリー賞を受賞したMichael Kiwanuka、Jungleなどの作品に関わってきたプロデューサーのDean Josiah Cover、ソウル系シンガーソングライターのCleo Solとして活動するCleopatra Nikolic、Kanye Westともコラボ歴があるシカゴのラッパー、Kid Sisterと思しき人物Melisa Youngらが楽曲にクレジットされていることからどうやらメンバーとして関わっていると見られている。


最新アルバムとなる『UNTITLED (Rise)』では、「I Just Want to Dance」を始め、ブギーやアフロトライバル、R&B、ジャズファンク、ストリングスまで本当にありとあらゆるブラックミュージックが詰め込まれており、知らずに聴くとなんだか誰も知らないレアグルーヴを掘り起こしたような気分にさせてくれる。来年はその謎のヴェールが、さらにもう1枚剥がされるとともに最新作のリリースにも期待したい。




2021年ブレイクアーティストの大本命か!? UKラップシーン期待のラッパー、Bree Runway  


最後に「BBCが選ぶ期待の新人アーティスト」の2021年版にも選出されている来年ブレイクの大本命的アーティストをご紹介。イーストロンドン・ハックニー出身のラッパー、Bree Runwayは、トラップ、R&Bからハードコアメタルの要素をミックスした音楽性の持ち主で、学生時代にはかのミシェル・オバマにも認められたことがあるという経歴の持ち主だ。 


今年リリースしたデビューミックステープ『2000and4Eva』にはMissy Elliott、 Yung Baby Tate、Maliibu Miitchらが参加。収録曲の「Damn Daniel」は、BBC Radio1のAnnie Macの番組では“Hottest Record in the World”も獲得。さらに90年代のミックスチャーバンドを思わせるベヴィーに歪んだサウンドが印象的な「Little Nokia」は、TIME誌が選ぶ2020年のベストトラックにも選出されるなど、来年ブレイクの大本命らしい確かな評価を獲得している。


ジャンルの流動性を謳う彼女の音楽はチャレンジングな作風でもあり、『2000and4Eva』のタイトルからも察することができるように00年代のメインストリーム・ポップスシーンのスターであるBritney Spears、Kelis、Lady GagaやThe Neptunes、Madonna、Missy Elliottからの影響を感じさせる。






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