モーリーと高野政所、日本社会の「反省の色」問題を語る。罪を犯した人は笑顔を見せてはいけないのか?

高野政所さんが逮捕された当時を振り返って語る「反省の色」問題。凝り固まった思想こそが“麻薬”!?
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2019.05.09 08:00

毎週木曜日夜9時、block.fmで生配信される、国際ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソンさんの番組『Morley Robertson Show』。今回の番組では高野政所さんをゲストに迎え、自身が逮捕された際に経験した「反省の色」問題について話しながら、日本社会の空気感や電気グルーヴの音源回収問題などを考えていました。


トークの前半はこちら。

モーリー・ロバートソンと高野政所、アメリカの大麻を巡る動きと日本の空気の変化を語る


毎週モーリー・ロバートソンのラジオが聴ける番組は、こちらをチェック。

「Morley Robertson Show」

生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30





モーリー:ということなんですけども。まあ、本当に最近、やっと日本社会にリアリズムっていうのかな? 現実としての麻薬との向き合い方。あるいはドラッグですらない大麻との向き合い方をいろんな外圧も含めて、やらざるを得ないところまで来ている。その中でまだ、過去の価値観がイヤイヤをして、変わるまいとしている証拠だと思うんだけども。「反省の色」。


高野政所:「反省の色」って俺、すごい聞いた言葉で。やっぱり、僕も犯罪を犯したわけじゃないですか。で、留置場から出てきた時に反省文っていうのをまず書かされるわけですよ。それはユニバーサル・ミュージックの人に「書いてくれ」って言われて。で、反省文っていうのは「過去のこと、現在のこと、これから先のこと」っていう3つの段落に分けて書けば反論が出ないっていうセオリーがあるらしくて。


その会社の中でも反省文を書くときのためのセミナーというか、そういう研修があったらしくて、担当の人はそれをわかってる。「だから政所さん、過去のこと、現在のこと、これから先のことについて書いてください」って。で、だいたいお決まりの「過去、私はこういうことをしてきました。いまはこう思っています。だからこれから先はこうしていきます」みたいな感じで、いわゆるお仕着せ通りのをやって。


一応、それと僕は1年間の活動自粛をするっていうのでまあ、おおかたの人に対しては「反省の色がある」とみなされたわけですよ。でも、反省なんていうのは個人の内面でしか行われないわけじゃないですか。でも、反省っていう意味で言うならば僕はパクられて48時間……「ヨンパチ」っていって外との交流が一切できない。電話連絡もなにもできない時に反省なんて済んじゃうというか。


めちゃくちゃその段階で落ち込むし、いろいろ考えるので反省という意味でもすでにしているし。もちろん瀧さんだって同じくしていると思うんですよ。「ああ、やっちまったな」とか「いろいろこういうことがあったな」っていうのは思っているはずで。


モーリー:「捕まった俺の脇が甘かったな」とかね。


高野政所:フフフ、まあいろいろ反省にもあるから。「反省してますか?」って言われて「俺、反省してないよ」なんて言う人はいないんですよ。「反省してます」と言うしかなくて。で、それでもやっぱり怒っている人っているんですよ。僕はその後、3年ぐらいたってTBSラジオにやっとゲストで呼んでいただけたんですよ。


で、そこでファンコットの話をしたんですが、その時にも「どの面を下げて戻ってきたんだ?」的なリスナーの方も何人かいらっしゃったんですよね。でも、それってもともとラジオを聞いていただいていた方で。僕に対してすごくいいイメージがあった。「こんなことをするやつだとは思わなかった」的なガッカリ感も……。


モーリー:「それ、(その人たちは)最初から読み違えているから」って言っちゃいけないんだ?


高野政所:言っちゃいけないし。僕も僕でそのファンコットっていうのがめちゃくちゃドラッグミュージックだっていうのは言っていなかったんですよ。それはなぜか?っていうと、日本での広げ方で「これ、めちゃくちゃドラッグミュージックでヤベえから!」って言っても広がらないなって思ったんですよ。


モーリー:ああ、そこがね、日本のクラブの限界なんだよなー。


高野政所:まあまあ、でもそういう風に伝えたわけですよ。で、その反省の色なんですけども。僕は取りあえず、反省の色は伝わって。それでも、中には伝わっていない人もいる。じゃあ、どうしようか?ってなった時に、その伝わっていない人の家まで俺が行って土下座すればいいの?っていう話であって。それはちょっと無理じゃないですか。


モーリー:うんうん。


高野政所:それで思ったのは、僕は法では裁かれているわけですよね。懲役半年、執行猶予3年っていう刑を僕は受けて、その刑の執行猶予期間も終わったから、そこでもう法的な責任は果たしている。制裁は受けている。なのにもかかわらず、それ以上の反省を求められるっていうのが日本人にはあって。たとえば極楽とんぼの山本さん。彼は捕まってから10年、謹慎したじゃないですか。


で、捕まってからしばらくしてから、芸人仲間のある方が山本さんに「元気か?」ってメールかなんかしたらしいんですよ。その時、山本さんがジャグジーに入っている写真を送り返してきたそうなんですよ。その時に、そのメールを送った芸人さんは「こいつ、反省してないな」って思って。「もっとしょんぼりしていてほしかった。反省している感じを出していてほしかった」ってなって、それから連絡を9年とか、取らなくなったっていう。でも、それなに?っていう。別に罪を犯した人がジャグジーに入ってはいけないっていうような法律もないし、笑顔を見せてはいけないなんていう法律もないわけじゃないですか。


モーリー:はいはい。


高野政所:今回、ピエール瀧さんと石野卓球さんが瀧さんの保釈後に久しぶりに会って。「汗だくになるまで笑った」っていうのですごくいい写真を上げていたじゃないですか。あれを見て「反省の色がない! もうちょっと反省しろ!」みたいなことを言っている人がいて。でもそれは、その人が納得できるような形の「反省の色」が出ていないっていうだけの話じゃないですか。





モーリー:あのね、どうしてもロックの時代と比較をしてしまうんですけども。「髪の毛の長いのは堕落だ」ということで、かつてアメリカではロックを南部の州に行くと、保安官も出てきて止めようとする。場合によっては暴力まで振るわれる。「髪の長い女のような野郎め!」みたいな。男がヒッピーで髪を伸ばしているとね。で、それが逆にロックの火を煽ったんですよね。「やるな!」って言うやつがいればいるほど、「やってやろう!」みたいな。それでなにが60年代ロックと……日本でもたぶんそうだったと思うんだ。団塊の世代。要は、人口動態なのかなって思うんですよ。人口がベビーブーマーが圧倒的に……俺らの数が多いじゃん? だから「ジジイに何を言われようがやるぜ!」ってやると「うおおーっ!」って群衆になっちゃって。


高野政所:そうか。数が多いから強いっていう。


モーリー:そう。機動隊には負けたけど、髪の毛を伸ばしてマリファナを吸ってロケンロールでジミヘンを聞くのは俺らの勝手だろ? みたいなことで。そういう風にね、「やるな!」って言われたらもっと倍返しみたいな。ちょっとそういう空気が流れた歴史があると思うんですよ。


高野政所:はいはい。とはいえ、怒っているのは同世代の人だったりとかするわけじゃないですか。それがちょっと……。


モーリー:そう。昔はそういう風にパッキリと世代で分かれていて。ロックがわからない上の人たち。しかもどっちかって言うと戦争責任の当事者が有耶無耶に戦争責任の話をせずに、アメリカと仲良くなっちゃったっていう日本式手のひら返しの歴史があって。それを若いベビーブーマー、特に理想を抱いた人ほど「これって本当の平和じゃない!」とか。「ベトナム戦争で米軍に基地を提供していて、そこを出撃した米兵がベトナムのソンミ村で虐殺をしているじゃないか!」みたいに、なんかいろいろと憤りがあったわけよ。そういう大人の矛盾に対して、子供の世代の人たちがその矛盾を突きながら、「俺らには俺らの正義がある!」って言ってハメを外しているわけですよ。


高野政所:はいはいはい。


モーリー:だからそこにはもうちょっとね、そういう劇的な大枠があるのね。ところがいまの政所さんに対して同世代の人が「反省の色がない!」とかって。麻薬を……まあ、大麻は麻薬とは呼べないと思うけど。大麻をやっていた人なら……って。


高野政所:野菜(笑)。


モーリー:野菜をやっていた……って。そう。「野菜、手押し、チャリ」みたいな。


高野政所:調べちゃダメだよ、みんな!(笑)


モーリー:1グラム4000円から……(笑)。


高野政所:ダメだよ、ダメ!(笑)


モーリー:いま、Twitterを絶対に検索するなよ! みたいなね。それで、「そんな大麻をやっている人だったなら、あなたの音楽なんか聞かなかったのに!」ぐらいの、そのキレイキレイさはどこから来るの?って。


高野政所:だからもう「ダメ。ゼッタイ。」政策がずーっとそれで来て、そういうことを聞いて育っているからじゃないですかね?


モーリー:それって中国のある世代の人たちが子供の頃から年の3、4回、記念日に抗日映画。日本人がやってきて大虐殺をするっていう……。


高野政所:うんうん。日本人が超悪く描かれているっていう。


モーリー:それを専門でやっている日本人の役者が出稼ぎでいたりとか。向こうに住んでいる日本人に聞いたんだけど、それをスラングで、そういう紋切り型の「日本が悪いことをやっていました!」っていう歴史再現ドラマ……まあ、その歴史は捏造されるんだけども。「メシメシスラスラ」っていうんだって。というのは、「おい、メシ持ってこい、メシ、メシ!」っていう日本語をしゃべると、中国人はそれを理解して。中国に侵略してきた日本人は「メシ」っていう言葉を使ったと。


それから「スラ」っていうのは「殺せ」っていう意味で「死了」なんですよ。「飯飯死了死了(メシメシスラスラ)」っていうんだって。だからそれぐらいステレオタイプなんだけども。ある年齢層の人たちはいわゆる海外の文化開放が進んでいない時期、エンターテイメントとしてそれを見せられたもんだから、いい大人になってもそのナショナリズムスイッチが快楽中枢の中に入っちゃっていて。カルトで育った子みたいに出てこれなくなるんだって。問題はこのカルトが中華人民共和国では1000万単位で人がいるっていうことなんですよ(笑)。


高野政所:そうですよね(笑)。中国って麻薬にも超厳しいじゃないですか。で、中国語で麻薬のことは「毒」って言うんですよね(笑)。


モーリー:そうそう(笑)。「吸毒」。


高野政所:「毒かよ!?」っていう(笑)。


モーリー:なのに、産地でもある。スーパーK(ケタミン)とかの。ケタミンとかの巨大な工場が広州にあって、村全体がケタミンとMDMAを作っていて、共産党幹部も地元でそれを警察と一緒に仕切っていて。外から国家レベルで介入したっていうのが4、5年前に大捕物があって、それをBBCが報道もしていました。そのケタミンがどうやってイギリスのある街に大量に流れ着いて、そこの若い人たちのカルチャーがそれによって歪んでいったのか? みたいな。ケタミン10年選手の人がミイラみたいな顔をしてインタビューに答えているんですよ。だからもうね、本当にダブルスタンダード。


だけど、そういう風にね、要は「反省の色が足りない」って言っている人は中国で抗日映画を見て、自分で日本に行くことはなく、日本に行った人から話を聞いても「いや、それは嘘に違いない。日本は邪悪な“小鬼”が住んでいる島なんだ!」っていうので抜けられなくなった人。そこに俺は実は本当の意味でのメタな「麻薬」を感じるんだよ。その人にとって、日本は悪くあってくれないと自分が肯定できない。つまり、政所さんを「俺は裏切られた! 政所、10年でも20年でも謹慎してくれよ!」って非難するファン、その人の自尊心が政所さんを非難することにつっかえ棒をしていて。その人自身がいちばんジャンキーだろ?って。


高野政所:そこの思想に気持ちよくなっちゃっているんだろうってことですか?


モーリー:うん。日本に変なドラッグが多すぎる。ケミカルが多すぎるんだよ、この国は。もうちょっとみんな、ナチュラルに行け! そういう感じなんですけども。





(中略)


モーリー:(高野政所ファンコットMIXを聞いて)すごかったね!


高野政所:こういう感じですね。最後のやつとか僕が作った曲なんですけども。こういうのをかけるから「反省していない」って言われるんでしょうね。


モーリー:ああーっ! でも反省してほしくないな。音楽家としては。


高野政所:フフフ、まあ、いろんな反省があるじゃないですか。所持しないとか、買わないとか。いろいろあると思うんですけども。


モーリー:なんかね、まあもちろん1回捕まっちゃうと日本ってね、捕まった当事者が反省の色っていうものもあって、議論のテーブルになかなかつかせてあげないっていうのがあるんですよね。だけど、そこも含めて日本の法律がガラパゴス化しているっていう別の枠の問題もあるから。やっぱりね、体験者とか実際に法の中、司法をくぐった人。塀の両側を見た人の意見は僕、大事な気がするんですよね。僕の場合は日本の国境の両側を見たっていう利点を社会に提供しているわけで。で、政所さんは国内の塀の両側を見たっていうのはね……。


高野政所:あと、ガンガン吸っていたっていう(笑)。


モーリー:ガンガン吸っていたっていう。ガンギマりのガンジャ!


高野政所:ガンガン吸っていたっていうことじゃないですかね。わかんないですけど(笑)。


モーリー:あのね、俺は思うんだけど。令和になって、これはたぶん5年前だったらblock.fmでも番組が終わった後、僕らが帰った後に会議があったと思う。


高野政所:フフフ、今日もあるかもしれないですよ? スタッフの方、ニヤニヤして見ていますけども(笑)。


モーリー:なんかね、大丈夫になっちゃった気がするんだよね。


高野政所:もう俺、呼ばれないんじゃないですか? 大丈夫っすか?(笑)。


モーリー:いや、逆にもっと、これをきっかけにTBSとか地上波に呼ばれてほしい。呼ばれないかな? いや、でも「令和だからいい」とか。


高野政所:令和効果。これは恩赦ですよ、恩赦。


モーリー:恩赦だよね。


高野政所:恩赦ってぶっちゃけ……新しい天皇が即位されたんで。恩赦、あるんじゃないかな?って思っていて。で、結構恩赦ってリアルな話なんで僕、調べたら日本の歴史上、昭和とか平成も通して恩赦って行われているんですよ。その時、薬物事案とかもOKになれば、僕なんかはもう執行猶予期間も終わっているからあれなんですけども。瀧さんとか、執行猶予もなしになって、そのままおとがめなしになるんじゃないか?っていう希望をうっすらと僕は持っているんですけども。どうなんでしょうかね、そのへん。詳しい方?


モーリー:行ってほしいっすね。


高野政所:恩赦があったら、また「瀧さんのタイミング、すげえな!」って話になるんで。あったら面白いっすよね。


モーリー:うん。いいと思う。なんかね、金魚すくいのテクニックみたいな感じ。つまり、金魚すくいで縦にそのままやっちゃうとポイはビリッと破けるけど、斜めに上手に弾くとポイは破れないまま、「なんでこんな柔らかい素材なのにちっちゃいデメキンがいっぱいとれるんだろう?」みたいな。なんかそのさじ加減があると思うんですよ。だから日本社会への恩赦ブームに乗った、なんて言えばいいんだろうな? そこの微妙な空気を作り出していく、そのテクニックだよね。それ次第でなにかありそうな気がしてならない。あ、ちょっといま上手く(曲を)乗り換えたな。みんな、ちょっとこれ聞いて。スクリレックス&ジョイライド『AGEN WIDA』です。


JOYRYDE & Skrillex『AGEN WIDA』



(中略)


高野政所:ファンコットは(Queen『We Will Rock You』)のような大ネタもいっぱいあるんですけどね。


モーリー:すごいな!


高野政所:ファンコットはツッコミを入れながら楽しむのがいいと思うんですね。もちろん、すげえドラッギーな単音みたいなアシッドのやつとかっていうのももちろんあるんですけども。


モーリー:本当に雑食性が強いジャンルというか。


高野政所:ジャンルっていうか、手法なんで。


モーリー:いや、僕は本当にね、日本の文化一般が「上手に汚れる」とでもいうか。混ぜていくというか、チャンプルーのよさっていうのはある種、清濁併せ呑んで。世の中、単純にいいことや悪いことがあるわけじゃなくて。たとえば地元で再開発をするってなると、大抵はヤクザのお金が動くわけですよ。でも、「それで街がきれいになったからいいじゃん」っていう風に言う人もいれば、「昔の街並みがよかった」って言う人もいて。そこが全部ごちゃ混ぜになって街並みって変わっていくし。


それをね、「いや、暴力団なんかにお金を渡してはいけないのです!」みたいな、交番に貼ってあるポスター通りのことしか公に言えない。有名であればあるほど言えないっていうこの恐怖の支配が僕は平成とともに終わる気がするんですよね。というのは、さっきいろんな言い方をしたけど、「テレビは麻薬漬け」っていうのは要するに権威となる価値観を発信している側……これは厚生労働省とか警察も含めてなんですけども。硬直した道徳を政治や権力がいくら発信しても、信憑性が薄い。「そうではない」っていう情報が四方八方から英語で入ってきちゃう。


高野政所:いまはそういう情報が出ちゃいますもんね。昔はネットがなかったから、本当にテレビが言うことが全部だったし。


モーリー:要は忌野清志郎さん抹殺、終わり。他のロックミュージシャンも怖いから清志郎さんとつるまない。引く。これで一件落着。


高野政所:ミュージシャンもミュージシャンであまり「インディーズ」っていう概念がなかったから、そのメッセージを込めたものが世に出せなかったじゃないですか。ネットもSNSもなかったから。だからそこでみんな気づいてしまったっていうのがあった。だから平成でこの麻薬漬けは終わるのかもなっていう気に僕もなってきましたね。


モーリー:そうですな。まあ、そう言いつつも当事者としてはなるべくね、その小さな、ほんのちょっと矛先を少しずらすことで中長期的にトレンドを作るっていう立場に自分はいるんですよ。だからテレビに出ていきなり、「おめえら、コカインやったっていいよ!」みたいに言うと終わるんだよね。


高野政所:終わるし、モーリーさんの生活っていうのもありますからね。


モーリー:そう。それでいちばんいいのは僕の生活がどんどん向上しつつ、その立場にあるモーリーさんが園遊会にも呼ばれているのに「みんな、覚えているよね? 30数年前、僕はコカインをやったよ」って言って。「ああ、それはモーリーさんのキャラ設定ですよね?」って。サインをねだっている子が「その後、コカインはしていないんですか?」って言うぐらい、いじられる……本当は有害なことなのに無害化しているっていう。そこがね、想像力の恐ろしさ。


高野政所:たしかにあると思います。ミュージシャンでも覚醒剤とかで捕まった人とか、普通に活躍しているじゃないですか。槇原敬之さんにしろ。いっぱいいるんですよね。ASKAさんもライブ復活されましたし。あ、そうだ。俺、聞いているかわからないけど、ユニバーサルの人が「僕の音源、復活してくれないか?」って言った時に「ASKAさんの音源が復活する時、どさくさに紛れていければと思っています」っていう風に言っていたんですけども。まだASKAさん、音源は復活していなくて。でも、復活ライブは武道館だったんですよね(笑)。


モーリー:っていうかユニバーサルもそろそろ「令和」っていう意識を持ってほしいな。


高野政所:ああ、令和の記念にどうっすか?(笑)。


モーリー:(電気グルーヴの)ソニーはもっと根深い、ソニー自体の問題を内部者からも聞いているので、期待はしていない。だからむしろ、その電気グルーヴがこれをきっかけにソニーを離れてインディーズになって。前よりも黒字が出たみたいなのでレーベルの鼻をあかして「ざまあ!」ってなればと僕は思います。だから、あそこまでメジャーになったソニーが硬直化しているのは、そこに対して僕は処置なしだと思うので。どうぞ、ご自由に……なんですよ。好きに転んでほしい。滅びればいい。おごるソニーは久しからず。それでいいです。


で、「ソニーとはなんだったのか?」っていう本を出井元会長が出せばいいんですよ。80何歳で。すでにやっている。「自分が過去、やっていた時代のソニーが凋落したのは俺のせいではない」みたいなインタビューがあって。それを読んで「すごい! どの口が……」っていうのと、「さすが! これがソニーなんだ。これをやるのがソニー!」って。


高野政所:「It's a Sony」って(笑)。


モーリー:これを見た時に俺は言いたい。「It's a Sony」。で、電気グルーヴがソニーから離れて大ヒットした時のも「It's a Sony」ってみんなで言えるように。「It's a Sony」っていう曲を作るべきだと思う。それでいいと思う。だからそこはそこなんだけど、ユニバーサルは政所さんの曲、出していいよ。


高野政所:そろそろお願いします!


モーリー:視聴率を取っているモーリー・ロバートソンが「いい」って言った。というタイムスタンプをいま、ここに残しておきましょう。


高野政所:この宣伝効果。みんな、聞きてえだろ?っていう。


モーリー:これをスポニチが書いてくれたら、それでユニバーサルがそのリンクをクリックしてくれて、会議で通るみたいなね。だからね、要はいままで不可能だった壁。たとえば東芝EMIっていうレコード会社すらもうないけど。東芝があって、東芝EMIがあって、原発政策があって、中曽根康弘があって、忌野清志郎、『ハチのムサシ』で焼け落ちるわけですよ。ところが、そんなスクラムはもうないの。それが言いたい。企業ってそんなに強くない。日本の企業は軒並み弱くなっています。新しいコンテンツを作れない。仕事の仕方、採用の仕方からもう、自分の首を絞めるようなことしかしていない。だから逆に言うと、本当に自由を求める人、表現する人にとってはチャンスな時代が来ていると思うんだよね。


高野政所:なるほど。「ドーピング作品」っていう言葉があったじゃないですか。「作っている時にキメていた音楽なんて聞くべきではない」とかっていう。まあ僕、思いっきりドーピング作品だったんで。ユニバーサルのやつは。


モーリー:ああ、そうだったんだ?


高野政所:ドーピング作品なんで。でも、「ドーピング作品だ」ってわかって聞くことってあんまりないじゃないですか。なので、ドーピング作品が公に聞けるという状況は作ってほしいなと僕は思っていますね。


モーリー:わかりました。ということで今日は90分、政所さんとお届けしました。最後はドープなのかどうかわからないけど、モーリーらしさを出す曲でお別れしたいと思います。Dion Timmer & Excision『Final Boss』。みなさん、今日もありがとうございました。


Dion Timmer & Excision『Final Boss』



番組情報

 「Morley Robertson Show」

https://block.fm/radios/28

生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30


モーリーのアンテナがキャッチする波動は、ひと味違う。あなた自身が住んでいる「不思議の国」を味わってほしい。気が付いたら、地球防衛軍に入隊していたとしても、不思議ではない。ここでは毎日が入隊記念日。いろいろな旅をする人のための時間。いっとき、モーリーの視点から世界をのぞいてみてください。


written by みやーんZZ



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