モーリー、沖縄のアイデンティティーを語る。“ウチナーグチの禁止”と重なる自身の体験とは?

モーリー・ロバートソンが沖縄の講演会でおばあちゃんに語った沖縄と自身のアイデンティティー。
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2019.03.21 11:00

毎週木曜日夜9時、block.fmで生配信中される、国際ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソンさんの番組『Morley Robertson Show』。今回の番組では沖縄の講演会でおばあちゃんたちに話したトークを紹介。沖縄と自身のアイデンティティーの共通点を話しつつ、電気グルーヴ関連作の販売自粛に絡めてテクノ音源自粛MIXを披露していました。



毎週モーリー・ロバートソンのラジオが聴ける番組は、こちらをチェック。


「Morley Robertson Show」


生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30





モーリー:こんばんは。モーリー・ロバートソンです。僕は元気です。みなさんはどうですか? 今日ですね……実は今日は水曜日なんです。前の日に収録をしました。というのは、ちょっと木曜後の本番中に用事ができまして。それでこの場所にいられないという事情があるんですね。まあ、それは別に職質を受けに行ったとか、ちょっと呼び出しを食らったとか、そういうことはないんですけれども。


自分の体の調子についてもちょっと番組の最初の方で話しておこうかと思います。今日、水曜日の午後、自分はちょっとこう、フラフラっていう感じになっているんですね。なぜか? 沖縄からの帰りの飛行機で飛行機の揺れが怖いために、思いっきりお酒を飲んだからなんです。ワイン。そして角ハイ。それをお願いして次から次へと。おかきも美味しくいただいて。そうすると日頃、私はお酒を飲まない。体はデトックス、ヨガくんなので、急にお酒を入れると何が起きるかっていうと、まあ30分ぐらいたつと、それぐらいのペースで飲んでしまうと、すごいことになっちゃって。


酔っ払いが顔が感じられなくなる寸前まで行き、そして体があまりにも酔っ払ってると揺れているというその体の感覚がないんですね。麻痺した状態で奥の奥の方からこう酔っ払って世の中をただ漫然と恍惚と眺めている自分。そこの一瞬が恐怖感を感じなくて済むんですよ。で、これ、もしシラフで飛行機に乗ったりすると、2時間ちょいなんですけども。本当に揺れのひとつひとつでなんか「いま、この瞬間に飛行機落ちたら……」とか「ここから急にガクンとなったらどうしようか」とか、いろんなイメージを考えてしまうんですね。


あとはもう、ずっと自分の心の奥の引き出しでフラッシュバックし続ける9.11の飛行機が建物に突っ込んでいく瞬間。で、そういうのがあるので、非常に強めに急激に酔っ払うと何が起きるかというと、何かフワーッとなっていて、「エヘヘ……」みたいに、なんか生まれたてっていうか。世の中の五感から自分がデタッチっていうか。プラグを引っこ抜いてUSBがつながっていない状態なんですよ。そうするとね、「えっ、なんで飛行機が怖いの?」みたいな感じになって。


それで、その時に何が起きるかっていうと、航空機の中で急激に酔っ払っていますから。わずか2時間半とか2時間45分の片道で。それでだいたい、ディセントっていって飛行機がそろそろ降り始めますっていう時に揺れ始めるんですけど。その頃にはもう、なんか酔っ払ってどうでもよくなってるんですが……そこで「大丈夫だ」って思ってタッチダウン。着陸をいざしてしまうと、大抵その陸に着いた瞬間に体も心も安心してしまって。いままでに飲んだアルコールを急激にデトックス。おしっこをしたくなるんですね。


それでね、その最後の15分、ランウェイをちんたらちんたら飛行機が回って。降りるまで時間があるじゃないですか。あのキャビンアテンダントのなんとかダブルチェックとか言ってる。あそこらへんが「うわーっ! トイレ行きたい! 我慢できない!」っていうことがいままでに何度もあったので、そういう時は揺れ始めた下がる直前におトイレに行ったりするんですね。そういう自分なりの技を身に着けて、今回は本当に久しぶりに飛行機に乗りました。


それで沖縄に行って、非常に楽しい講演会をやりました。おばあちゃんたちがいっぱい来てくださって、合計600人ぐらいでしたかね。それで結局、沖縄に行って辺野古移転がどうとかっていう話をするのも野暮だし。私も実際、その問題は複雑すぎて興味を持たないことでいままで対処してきたので。「今日はみなさんに辺野古の話はしません!」とか言いつつ、玉城デニー知事について語ったりとか。ちょっとお客さんの笑いを取ったりしていじっていたんですけども。



それで「いちばん大事なことはやっぱりおばあちゃんに聞くことが大事だ。『おばあちゃんの話を聞け』ということが今日の結論です!」って言ったら「うおーっ!」ってなって。そこから先は自分のおばあちゃんの生前の楽しかった思い出の話も入れつつ、非常に上手な形で……自分としても今日は上出来だったと思います。沖縄の問題っていうのはアイデンティティーの問題だったり、あるいは琉球処分っていう昔の薩摩藩とか、あとは明治政府になってから廃藩置県をやった後で沖縄が県になるのが遅かったのかな?


それでその国内植民地として扱われ、その後に日本が朝鮮半島と台湾に展開していった植民地政策っていうのがあるんですけども。内なる支配と外なる支配の間で揺れ動いたとか、そういうことをですね、内田樹さんのような学者はさんざん書いてるわけですよ。それでそういう左派系の味方……沖縄タイムス、琉球新報。二大新聞。で、実際に県民投票をこの前、やったんですけども。


「法的実行力がない」とか言いつつも、投票した人の大多数は辺野古への移転に反対だったわけです。で、その投票の項目に「普天間はどうする?」っていうのが盛り込まれていなかったということで、そこに対して保守系からケチがついているんですけども。とにかくもういろいろとありすぎて、日本にも支配され、その後はアメリカに支配される。第二次大戦では激戦地にもなった。人がいっぱい死んだ。


それで日本の戦争の終わらせ方が、ミッドウェーで負けていたのに、そこで講話していればいくらでも人の命が100万人単位で救うことができたのに、日本軍が傲慢だったために精神論に陥って、「もう負けたら全部終わりだ!」っていうことで破滅に向けて戦争をやった。そのツケが沖縄に回された。だから支配はされる、人はいっぱい殺される、そしてその後は今度アメリカ領になって。


その後、日本に返されるんだけれども、その過程でいろんな裏取引の中で日本にあった米軍基地。これは全部、日本の帝国軍の基地を米軍がそのまま接収したものだったんだけど、これを少しずつ沖縄へ沖縄へと移転する形で、過重な負担になっていった。そしていろんな負担がある上、今度は経済的に格差があるわけですよね。本土と沖縄の間に。だからこういう何重にも、いろんなことがあり。そして日米地位協定があるので、米兵がレイプとか事件を起こしても、なかなかそれが日本人が事件起こしたのと違う、不平等な形でしか対応されていない。


そして日本政府は一貫して弱腰で……っていう。まあ、言ってみればこれを非常に感情的に述べるのが左翼史観なんですけども。そういう本を読みながら、私は沖縄に行ったんです。ですから「今回はもう思いっきり左で寄り添おう」ぐらいの気持ちで行ったんだけど、話し込んでいるうちに自分で創作で別の物語を作ることができたんですね。なにか?っていうと、そういうアイデンティティー。日本というアイデンティティーと日本の外というアイデンティティー、あるいはアメリカとの間で揺れ動いた沖縄。


そしてなによりもアイデンティティーになってくるのは自分たちの文化、そして言葉なんですよね。ウチナーグチっていう沖縄の方言。私は、沖縄にいる70代ぐらいのおじいさんに、7、8年前に聞いたことがあるんですけども。自分たちがそのウチナーグチを、日本式の教育に変わったタイミングで……たぶんこれ、沖縄返還の時だと思うんですけど。文部省の本土と同じ日本式の教育に変わった時に、自分たちがそれまでしゃべっていたウチナーグチを教室の中で禁止された。立たされたこともあったそうです。「僕はウチナーグチをしゃべりました」ということで。


で、それがいかに屈辱的だったかということを居酒屋で聞いたことがあったんですけども。そこが実は、自分の物語と上手に接合する部分があったんですね。私、広島県のインターナショナルスクールに行っていたんですけども。そこは、小学校5年生の時にみんな広島弁をしゃべりながら英語を勉強しているハーフの子たちばっかりだったんだけど。


小さな寺子屋式の学校の中である日、日本語が強すぎるっていうか、英語を侵食していったのね。ちゃんぽんとなって。それで、アメリカンスクールの中である日、日本語が禁止されたんです。「学校の敷地内ではしゃべっちゃダメ。学校から出たらしゃべってもいい」とか、なんかそういう風な取り決めがあって。学校としてはたぶんアメリカ式でやっていたのでリーズナブルだったんですけども。


私としては「日本語をしゃべっちゃいけない」っていうことが大変な屈辱に感じられて、小学校5年生の時にそのままアメリカという仕組みを脱北して……それで沖縄でその話を「脱北」って言ったらすっごいウケて。まあ、この話は毎回おばあちゃんたちにするとウケるんですけども。「脱北」っつって。で、アメリカを脱北して、日本の小学校に移りました。ただ、その後に今度は「青い目の子が来た」っていう騒ぎからスタートして、文化がことごとく衝突していくんですね。


そしてそこは原爆が落ちた広島でもあるので、いざケンカをし始めると「ピカドンの責任を取れ!」って言われて。こっちは「ざまあみろ! もう一発落としてやる!」みたいなそういう子供の口喧嘩をやったりして。そのタブーの領域に入っていくんですが。結局ね、何だっけな? 半年ぐらいたって僕、生徒会長に圧勝で勝っちゃったんですよ。生徒会の選挙に出て。だから一転、嫌われ者になりそうなアメリカ人だったのが、嫌われ者から好かれん坊になるというか。


その日本式の忍法手のひら返しというのかな? それといまの自分のポスト『ユアタイム』のキャリアがですね、すごい重なっているのね。結局、ショーンKさんが落ちてフジテレビの深夜のニュース番組『ユアタイム』に入ったんだけど、『ユアタイム』がグチャグチャで。そこで「やっぱり際どいことを言うんじゃないか?」とか「過去のコカイン疑惑が……」といったところで、『Chicago on Acid』という曲でトリビュート。今日はテクノでスタートするぜ。イエーイ! 負けるな!


Rob Threezy『Chicago on Acid』


(曲のイントロを聞きながら)体の中にお酒をデトックスするのもいいけど、シュガーとカフェインもね。レッドブルの朝ごはん、今日は303をヨンヨンヨン! と聞きながらいただきます。(プシュッ)あはーん! (ゴクゴクゴクッ)Oh, Yeah! もうね、人生気持ちよくなるために生きないとね。全日空のおかき、おいしかったです。そしてそのお酒をタッチダウンしてからまだ、いま抜いている最中なのでフラッとしながら。フラッと……303、『Chicago on Acid』、行ってみよう!


(曲を聞きながら)気持ちいいぞ。やっぱりこう、ピエール瀧さんが捕まって、過去の作品を放送しない。ねえ。出版停止みたいな自粛ブームなんですけども、私としてはテクノを丸ごと自粛してはどうかと思うんですね。そこで、ベースをまず自粛します。ベースのないテクノを聞いてください。(曲のベースを切る)。そして、もっと自粛ムードが強い、ほとぼりが冷めるまではハイエンドもカットしようと思うんですね。(曲のハイエンドを切る)。はい。自粛のテクノ、聞いてくださいね。


『いだてん』の放送をどうするか?っていうことなんですけど、これはミドルもカットしましょう。(曲のミドルを切る)。いま、自粛してテクノをかけています。


(しばらく自粛版『Chicago on Acid』を流す)


で、たぶん平成が終わって元号が変わった時、めでたい! 恩赦!っていうことで、まずは少しずつテクノのミドルを戻してもいいことになる。(曲のミドルを戻す)。さすがにベースは派手だからやめよう。じゃあ、ちょっとハイエンドをね、真ん中ぐらいまで自粛解禁で。場面は差し替えでお願いします。(曲のハイエンドを戻す)。で、なんか楽しいことがあったんでゴールデンウィーク明け、ベースを入れる!(曲のベースを戻す)。


Yeah! 「よい子はクスリなんかやっちゃダメだよ!」っていうことで自粛ムードの中、ゴアトラをかけちゃおう!



番組情報

 「Morley Robertson Show」

https://block.fm/radios/28

生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30


モーリーのアンテナがキャッチする波動は、ひと味違う。あなた自身が住んでいる「不思議の国」を味わってほしい。気が付いたら、地球防衛軍に入隊していたとしても、不思議ではない。ここでは毎日が入隊記念日。いろいろな旅をする人のための時間。いっとき、モーリーの視点から世界をのぞいてみてください。


written by みやーんZZ



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