モーリー・ロバートソン、自身の考える「これからの世界を動かす三つの力」を語る。世界が不安定化していった先に残るものは?

【ラジオ書き起こし】モーリーが考える今後の世界を動かす三つの大きな力とは?
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2018.12.26 23:30

毎週木曜日夜9時、block.fmで生配信中される、国際ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソンさんの番組『Morley Robertson Show』。今回の番組ではモーリーさんが考えたこれからの世界を動かしていく三つの大きな力「弱りゆく民主主義」「富の移転先の独裁国家」「スーパーリッチ」について話していました。


毎週モーリー・ロバートソンのラジオが聴ける番組は、こちらをチェック。


「Morley Robertson Show」


生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30



モーリー:こんばんは。モーリー・ロバートソンです。どんどんと寒くなっていく都会のの中、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。北日本の実感がないんですけれども、日本海側では雪が降ってるだけではなく、吹雪。「I'm dreaming 吹雪クリスマス♪」がイヴとかクリスマスデーにはやって来そうな気配が予報されております。


それでこの寒さの中なんだけどもね、今日もひとつ、みんなをあっためていきたいと思いつつ、そして何か番組の冒頭に邪悪なことを言って一発かっ飛ばしたいな!って思ってたところです。そしていま、差し当たってすぐに浮かぶことといえば、そうだね。世界はどうなっていくのかな?っていう話で。


これからの世界は三つの大きな力が働く


私が最近ひらめいた、自分の中のシナリオがあります。これから世界はどうなっていくのかという中で、三つの大きな力が働くという仮説なんですね。ひとつは、弱りゆく民主主義。まあ、トランプのアメリカもそうですし、日本もある意味最初からちょっと衰弱したままずっとフラフラやってきた民主主義とも言える。


民主社会の様々な価値観が少し少しずつポピュリズムに押し流されながら、そしてそのコアとなる、なんで抜けてるのか?っていうのは中産階級の人たちが次第にワーキングプアへと押し下げられていって、お金が上にしか貯まらず。上の人たちはトリクルダウンとは逆で、トリクルアップをしてきたから、ストローでお金を吸い上げて、シャンパンタワーのいちばん上にあるグラスが持続不可能なぐらいにグワーッと大きくなって。


しかも、その資産が動かなくなって、挙句の果てにはケイマン諸島に持ち出しみたいな。で、要は民主主義陣営の国はどんどんと弱くなっていって、格差がひどくなっていく。それでその格差がひどくなっていく中、お金持ちが急に傲慢になって謙虚さを失って、「自分たちの住んでいるきれいな場所に貧しい子とか問題のある子の児童施設は作らないでくれ」って言ったらしいんですよ。だから、この僕のセオリーにいま起きていることは上手くハマってくれている。


民主主義が資本主義と絡まって、ポピュリズムに身をやつしながら、どんどんと富を失っていって、中産階級が下がるからデスパレートな、失いたくない人たちはより強い国家にしがみつくっていう。だから右になるとか、そういう民主主義陣営。これがひとつの力。で、その民主主義陣営からどこに雇用が抜けてるか?っていうと、だいたい中国とか、この先はたぶんインドも出てくるんだけども。中国の場合、独裁国なわけですね。で、独裁国であるがゆえに、労働組合も組まず、賃金を上げることができない。上げなくていい。共産党が全部決めることができる。


そして、雇用はもらっちゃうし、自分の国の貧しかった人たちを、中国全体の1億人を数十年かけて貧困から中産階級へと引き上げたわけだから、そういう意味では幸せをもたらしている側面もあるけども、言論の自由とか、あとは少数民族の自由。民主主義はダメ! みたいなね。で、だから独裁のまんま、国家資本主義として。いわゆる民主主義陣営のこれまでのエスタブリッシュされた民主主義のリソースをハッキングして、強くなっていく。


で、ロシアはまたね、国家資本主義なんだけど、上手くいっていない国家資本主義なんだけど。あっちは戦争を仕掛ければいいっていう。セキュリティーですね。アメリカへのサイバー攻撃をやったりとか、クリミアとかウクライナ、あるいはシリアへの介入などで軍事力に訴えるという膨張をしています。だからこれは独裁国が得意とするところ。


それと、仕事を発注している側の、日本やアメリカ。衰弱する民主主義っていうのは相互依存をしているという。ところが、その2つだけだったらあまり状況はカオスにならないんですよ。そこでさらにふりかけ、麻薬のひとふりをしてくれるのがスーパー金持ち。


スーパー金持ちっていうのはどういうことか?っていうと、1980年代のレーガン政権の時ですね、いろんな規制を緩和して大金持ちを作ったら、その人たちが豪華にきらびやかにお金をスペンドしてくれるので、そのお金が資本主義というものをどんどん加速スイッチが入って、敵対する鉄のカーテンの向こうの社会主義のソ連はじゃがいもとか肉をもらうのに列をなしてるような場所だったから、そこと差分がついて最後には自分の軍事費でも勝てる、みたいな感じだったよね。


ソ連の場合は軍事費は絶対キープをしつつ、全体のインフラは超貧しい。古臭いもの、インフラの中で、ガタガタピシピシの中で暮らしてたわけですよ。ところが軍事費と核だけはアメリカの方を向いてたんで、アメリカはそれが驚異だったので最終的にソ連を破産させたいっていう作戦。と、同時にレーガンさんやそのお仲間がその冷戦構造の中で一儲けできるように、スーパー金持ちへの税金が高かったのをどんどんと減税していったのね。富裕減税をしていった。


たとえば、1960年頃は会社の社長(CEO)っていうのは、たとえば課税が累進課税制度で9割取られていたんですよ。だから1億円超えた所得の人はもう次の1億円を儲けても1000万しか残らず、「9000万はやっぱり社会に還元してください」って税で強制的にその人の持っている富を集めていたものが移転されていて。まさに緩やかなシャンパンタワーができていたわけですね。だから累進課税がしっかり作用していた。


ちなみに現在、日本ではマックスでも40%を超えないですね。ですから、10億円持ってる人がもう1億円入ったら、たしか6000万は手元に残るということで、美味しい。お金持ちにとって、美味しい。そしてもうひとつ、ストックオプション。自社株を役員が報酬としてもらうという仕組みなんですけれども、これも新しい21世紀的な現象でして。で、そのストックオプションというのをもらうとですね、何が起きるか? 


自社株を自分の役員報酬として、その時の株の値段に応じて組み込めるわけですよ。そこで何が起きるかっていうと、その自社株を手にしたCEOがですね、大きな企業であれば人を100人とか1000人単位で、あるいは工場を閉鎖して中国に移転するとかっていうことで従業員のクビを切るじゃないですか。そこで、その工場の人数分とその家族分を経済的に圧迫するわけですよ。クビ、レイオフしたり、非正規にしたりして。


そうすると、企業としては人件費が大幅に抑えられたため、株はそのニュースとともにブワーン!って瞬発的に跳ね上がるわけですよ。ウォールストリートがそれを評価して。そしたら、仮にこういうイメージを考えください。自分の役員報酬が1億円だったとする。ストックオプションで1億円分、持っていたとする。それで「この○○工場を閉鎖しました。中国やインドやベトナムに移転しまーす!」っていう風に発表すると、そのCEOの持ち株っていうのは、たとえばスパーン!って株価が倍になったとするよね? 「おお、あそこはちゃんと合理化している。人を切って途上国に移転して。これは収益性が上がるな」って。そうすると、株価上昇により、持ち株の価値が2億円になったとします。


そうすると、「いま2億円になった。じゃあ、1億円分は売っちゃおう」と。そうすると、何が手元に残りますか? ないもしない打ち出の小槌で1億円分の株が残っているんですよ。またクビにしたら、もう1回株価は上がるかもしれない。で、これがバアになっても、最初の1億円分はもう売り抜けてもらっているわけだよね。だからお小遣いが打ち出の小槌でもらえる。これは振らないわけにはいかないっていうことになる。


で、かつて、50年前だったら仮にストックオプションを持っていたとしても「でも、ここから90%引かれちゃうわけだから、いろんな人をクビにして、自分の持ち株が1億が2億になったとしても、そのうちの9000万円は税金で引かれちゃうんだから。だったら恨まれるし、やめておいた方がいいかな?」って人として躊躇するんで。スーパーリッチになるインセンティブが少ない。ブレーキが資本主義の仕組みの中に入っているんですね。


ところが、レーガンの80年代以降はどんどんとそのブレーキを規制緩和とか民営化によって外して。水道の民営化なんかもあります。いろんな民営化という形でどんどんとスーパーリッチが作られていく。そうすると、そのスーパーリッチたちは何をするのか?っていうと、中国がどんな独裁体制であろうと、蓄積した富や技術移転でどんどん軍事膨張をして、最後はアメリカへ日本をも脅かす存在になったり。


ユーラシアを仕切るため一帯一路とかって広がったとしても、関係ないんですよ。「俺にそれ、どこに関係があるの?」って。そもそもモラルでもう問われなくなっている役員報酬、打ち出の小槌は振り続ければいいわけ。それで自分の会社のずっと勤めあげてきた人たちをどんどんどんどん……「ああ、君は合理的じゃない。君は非生産的だ。クビだ、クビだ!」ってどんどんとクビにしていく。そしてそれが中国に行って、中国はウハウハ。


中国はその儲かったお金でどんどん軍事膨張。でも、「知ったことか! もっとやれ、もっとやれ!」なんですよ。それで日本の経団連も経済同友会も中国に部品を納入してるわけだし。「ファーウェイにこういう問題がある」って言っても、「いやー、それはなんか上手いこと、ファーウェイさんと上手く付き合って。とにかく我々の次の納期で部品の発注、来てください!」みたいに。もうとにかくお金にひざまずいてしまって、国益もへったくれもなくなっていく。


ところが、これは日本だけじゃないってことなんですよね。全てのスーパー金持ちが国境を越えて自己の資産だけがかわいい。で、むしろシンパシーと言うか、同じ価値観を共有しているのは国家を超えてサウジの大金持ちとアメリカの大金持ちと日本の大金持ちとがみんな、結託をしている。それで最後は中国の共産党の中でないと成り上がれないんだけど、そのシステムをくぐった大金持ちは海外に資産を持っていたりするわけなんで。その人たちも共鳴して。もう独裁とか民主主義を超えた、金持ちの階級ができる。


つまり、弱っていく民主主義。そこから富が移転していく先の中国とかの独裁。そしてその間を取り持って、両方から儲け続けるスーパーリッチのトランスナショナルな階層。この3つが相互作用して世界がどんどん不安定化して、最後はポピュリズムと極右しかなくなるぞっていうおもろい話を私はしているんですけども。興奮していただけたでしょうか? これを、ある一定年齢以上の商工会、信金、取締役会などのテストマーケティングとして、私はこのアイデアを熱くTEDトークのように語ったんですけど、「腕を組んでるな」と思ったら目つぶって首が傾いていて。そのうち、寝息が聞こえてきて、一部の人は口が開いてましたみたいな。


そうか、そうか。そんなにモーリーさんの珠玉の話が聞きたくないんだったら、お前の子供がそのうち奈落に突き落とされるぞ! 徴兵制で待ってるぜ、鬼軍曹! ということで1曲目。私の新曲を聞いてください。『Ultra Funk Killa』!


Morley Robertson『Ultra Funk Killa』



番組情報



 「Morley Robertson Show」



https://block.fm/radios/28



生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30




モーリーのアンテナがキャッチする波動は、ひと味違う。あなた自身が住んでいる「不思議の国」を味わってほしい。気が付いたら、地球防衛軍に入隊していたとしても、不思議ではない。ここでは毎日が入隊記念日。いろいろな旅をする人のための時間。いっとき、モーリーの視点から世界をのぞいてみてください。



written by みやーんZZ

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