ヒップホップの先駆者、Mobb Deep(モブ・ディープ)のProdigy急逝

ヒップホップ界を先駆けた男Mobb Deep(モブ・ディープ)の功績をまとめた
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2018.07.22 16:06


ヒップホップ界を先駆けた男、逝く


2017年6月20日に持病の鎌形赤血球貧血症(赤血球が鎌形になる血液の遺伝性疾患)の合併症のため急逝した、Mobb Deep(モブ・ディープ)のProdigyというアーティストをご存知だろうか?今回は、42年という短い生涯ながらヒップホップ界に多大な影響を及ぼした男を紹介する。


Prodigyとは



急逝したヒップホップデュオ、Mobb Deep(モブ・ディープ)のProdigy(本名アルバート・ジョンソン)は、相方のハヴォックと共に1990年代にNYで音楽活動を開始し、ヒップホップシーンに大きなインパクトを与えることとなる。1996年11月発表の3作目『Hell On Earth』の発売20周年記念ということで、ライブ活動も盛んに行なっており、ラスベガスのイベントに出演したばかりでの急逝となってしまった。ちなみに死因である鎌形赤血球貧血症という病気はアフリカ系に多くみられるということで、故マイルズ・デイヴィス(Miles Davis)やTLCのT・ボズ(T-Boz)らも発症している。残念ながら病気に打ち勝つことは出来なかったが、それでも彼はヒップホップという歴史に自分の名前を刻んだことは間違いない。なんといっても彼の素晴らしいところは、その音楽性のみならず、時代のパイオニアとして当時誰もやっていなかったことをやり始めたというところにあるのだ。


彼が持ち込んだもの


Prodigyがヒップホップシーンに持ち込んだものは数多くて全て紹介するのは大変だが、例えばバンダナ、タトゥー、ティンバーランドといったファッションもあれば、もちろん音楽に関することだってある。いち早くプロ・ツールスを取り入れたり、映画の中からサンプリングするなんて試みも、以前には誰もやったことがなかった。さらに自身のウェブサイトやブログを立ち上げるといった、まさに時代の最先端を行くような活動も早くからしていた。今じゃ誰もがやっていて当たり前だけど、それにはこういった先駆者の努力があったからなのだ。


各方面から追悼


「Mobb Deep(モブ・ディープ)のProdigyが急逝」というニュースは、当然ながら同業者たちにもすぐに伝わり、深い悲しみをもって受け止められた。


 ニッキー・ミナージュやnas、チャックDを筆頭に、他にもレイクウォン(Raekwon)や、Qティップ(Q-Tip)、メソッド・マン(Method Man)、ゴーストフェイス・キラーなど錚々たるアーティストが偲びのコメントを寄せている。ちなみにMobb DeepとQ-Tipとは只ならぬ縁がある。まだMobb Deepを世界の誰も知らない頃、Prodigyとハヴォックは自分たちのデモテープを持ってレコード会社で待ち伏せ。通りかかる有名アーティストに向けて、「自分たちの曲を聴いてくれ」と頼み込んだという。当然ほとんど相手にされなかったが、Q-Tipだけはその楽曲を聴き、なんとレコード会社に紹介までしている。その縁で、Mobb Deep(モブ・ディープ)とQ- Tipは時を経てコラボするまでに至るのだ。こんなエピソードからも、Mobb Deep(モブ・ディープ)、そしてProdigyの「挑戦者」としての姿勢が伝わってくる。ハヴォックは相方の急逝を聞き「永遠に」という短い言葉を送っている。

 Mobb Deep(モブ・ディープ)は、時を超えてリスペクトされる存在だったのだ。


偉大なるパイオニア



音楽業界に限らず、まだ誰もやったことがない領域に足を踏み入れ、道を開拓して行くことは簡単なことではない。それには多くの勇気がいる。しかしだからこそ、それが出来る人間には惜しみない賛辞が送られる。この急逝のニュースは非常に悲しく、残念なことではあるが、Mobb Deep(モブ・ディープ)のProdigyがヒップホップシーンに残した足跡は、決して消えることなく今に、そしてこれからの音楽シーンに受け継がれていくだろう。


Photo: https://www.billboard.com/articles/columns/the-juice/472682/rapper-prodigy-released-from-jail


Written by 編集部


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