MIX BLOCK:ぺルシャとイランのルーツにインスパイアされたハウスプロデューサーNick AMにインタビュー

block.fmのウィークリーミックスシリーズMIX BLOCKに登場するアーティストたちにインタビュー。
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2020.06.23 04:00

ニューヨークを拠点に活動するDJ、プロデューサーNick AM。ぺルシャとイランのルーツにインスパイアされている特徴的なハウスサウンドがオススメ。新曲「Wake Up」の作曲について、「00:00」というブランディングについてインタビュー。エクスクルーシブゲストミックスのアーカイブも公開。


MIX BLOCK - Nick AM:https://block.fm/radios/834/BANNER


ー今回のミックスのコンセプトについて教えてください。


Nick AM:僕のぺルシャとイランのルーツと好きなエレクトロニックミュージックが混ざったサウンドに取り組んでいて、それが表現できるミックスを作りたかった。新しいサウンドで制作した曲はまだ数曲しかリリースされてないから、クラブセットでよくかけてる曲と、以前にリリースした曲やリミックスをミックスした。まだリリースされてない曲もミックスに入れたよ。


ーアートワークやマーチャンダイズに「00:00」をよく見ますが、特別な意味を持っていますか?


Nick AM:ある夜ニューヨークでレイヴに行った後、友達と一緒にいたときに特別な幸せを感じた瞬間があって。その気持ちをテキストにしたくてスマホでメモしようと思い、何時かも知りたかったからテレビの時計を見た。でも、時計を見たら00:00にリセットされてた。アメリカだと00:00というのは本当の時間として思われていなくて、時間が不在という意味を持っている。気持ちを記録できないと思って少し動揺したけど、あの瞬間に焦って時間を記録する必要がないとすぐ気づいた。時間は関係ない、その瞬間を味わうしかないとわかった。それに気づいて、携帯を置いて友達のところに戻った。僕の音楽を聴く時に、ショーを見に来る人に、不安がなくなる、その同じ気持ちを体験してほしい。だからなんでも00:00をつけている。


ー新曲「Wake Up」にはどんなコンセプトありますか?


Nick AM:1月に初めての海外出演として来日した時に「Wake Up」のコンセプトを思いついた。人に現実について問うように書いた。携帯から目を離して、インスタからログアウトして、ニュースを一度消して、自分の意見を思いつかせたい。メディアって自分のことや将来を不安にさせるし、世界の運命をコントロールすることはできないけど、自分は起こっていることにどう反応するかはコントロールできる。



ー初めて自分のボーカルを入れた曲ですが、作曲のプロセスについて教えてください。自分のボーカルを収録するのに何かチャレンジを感じました?


Nick AM:今まで自分のボーカルを録ろうと思ったことがなかったんだけど、ただ言いたいことがなかったからだと思う。渋谷を歩き回っていた時、「wake up」という言葉と「Wake Up」のブリッジに聞こえるギターのメロディーが頭の中にまわってた。僕はギター弾けないけど、弾ける親友のPediがいて。ちなみに、Pediもペルシア人で、DJ St Thomasという名義で音楽も作っている。とにかく、ニューヨークに帰ったらすぐPediの家に行って、メロディーを歌っているボイスメモを彼に聞かせて、そこからPediがメロディーをギターで引いて、オーディオのサンプルにしてくれた。サンプルを自分の好きなアレンジメントにカットした。そしてコーラスはもう書いてあった。Pediから、自分が経験してることについてリリックを書いてみれば、というアドバイスを受けていて、旅行やクラブでのDJだったり、制度に対する疑問の気持ちについて書くことになった。自分の声はいい音か自分では判断できなくて、ボーカルを判断できないことが収録する最初のチャレンジだった。レジデントとしてDJするクラブのLolaでセットの最後に「Wake Up」のデモをプレイしたら、次のDJが「お〜!これ何?!」と聞いてきて、少し自分の声に自信を持った。そこからメンターでもあるTjaniにデモを送って、ボーカルの強みと弱みを教えてもらって、ボーカルを再収録した。


ー東京で「Wake Up」のコンセプトを思いついたと言っていましたが、どんな経験だったか、そしてその経験はどういうふうに曲に影響したか教えていただけますか?


Nick AM:Veroniqueというクラブでプレイしたけど、最高だった!すごくクールな場所で、デザインもサウンドシステムもよかった。NarukiとPhyloクルー、呼んでくれてありがとう!東京にいた時、Sustain-Releaseというニューヨーク発のイベントがContact Tokyoで開催されてて、ちょうどその前にNarukiがプレイして僕がShazamしたアーティストGalcher Lustwerkが出演してて、行くしかないと思った。Galcher Lustwerkと僕は同じ都市に住んでいるけど、東京に来てから彼の存在を知ったから、どんなセットをやるかわからなかったけど、彼が自分のビートの上で歌ってたのにびっくりした。彼の「Life」という曲でセットをオープンして、リリックとパフォーマンスに感動した。シンプルだったけど共感できた。Narukiにも自分のビートの上に歌えばと提案されてて、Galcher Lustwerkのパフォーマンスを見て、自分の経験について歌えば大丈夫、歌うのに不安を感じる必要ないと思った。次にリリースする「Power」のリリックはその瞬間ダンスフロアで思いついたことについて書いた。


ー他に東京で思い出になったことありますか?


Nick AM:渋谷のアンダーグランドフードマーケットがたぶん世界で一番好きな場所になった。


ー地元の音楽シーンについて教えて頂けますか? 


Nick AM:ニューヨークの人は踊るのが大好きで、5年前と比べてハウスとテクノのクラブが増えている。Nowaday’s、Bossa Nova、Jupiter Disco、Elsewhere、そしてもちろんLolaは僕のオススメのクラブ。パンデミック後にも運営してるように願っている。


ー今後の音楽シーンについて予想はありますか? 


Nick AM:百万ドルの質問だね。プロデューサーのSOPHIEが出してるPCミュージックがもっとリリースされたらいいな。この前Brakenceというアーティストを発見して、100gecsが作るようなビートの上にpop-punk/emoな感じで歌っている。新鮮で楽しい音。PCミュージックの最大ポテンシャルはまだ見れてないけど、Dylan Brady(100gecs)のようなプロデューサーがそのジャンルをシーンとの関連性を保つと思う。


ーデビュー時と比べて、アーティストとしてどんな変化を感じますか?この1年、アーティストとしてどんなゴールありますか?


Nick AM:今はもっと目的を感じる。前は、自分にとってクールと思った、好きなアーティストに似てるサウンドを作りたかった。でもこの1年間、メディアでひどいことをよく見るようになって… 叫びたくなった。今のポップカルチャーではイラン人の声は聞かれないけど、僕は聞かれる最初の人になりたい。


ー最後に何か言いたいことありますか?


Nick AM:僕の音楽が日本人の耳にも届いているのは光栄。パンデミックが終わったら、日本に戻るのが楽しみ。友達のYinyoに感謝、そしてみんな安全に健康にいてね。


ーありがとうございます。







【Nick AM】 

Nick AMはイスラム革命から逃れたイラン人移民の両親のもとに生まれ、NY・マンハッタンで育った。彼は自身のアイデンティティの探求に苦労したが、音楽を通じて自身の声に気づき、後に彼の音楽スタイルを形成していく影響を自分自身の中に見つけた。Lo-Fi Houseを軸とした空想的なトラックの数々は、Hype Machineの人気チャートで5つのスポットで1位を獲得し、Spotifyでも何百万ものストリームを獲得した。


【MIX BLOCK】


MIX BLOCK、毎週金曜日22:30-23:30に放送するDJ MIXショー。国内外注目されているアーティストよりエクスクルーシブな1時間ミックスをお届け!


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Written by Amy






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