Written by Jun FukunagaPhoto: Jake Whitman / NBC News古くはディスコ、そして今ではクラブのダンスフロアにとって象徴的なアイテム「ミラーボール」を50年近く作り続ける女性職人について、海外メディアcourier-journalが報じている。その職人Yolanda Bakerは、”Yo Yo”という愛称で知られ、Madonna、Beyonceといった音楽界の大物たちのために、彼女はハンドメイドで、小さな工房でミラーボールを作ってきた。
彼女は、47年間で、アメリカのこの業界のリーディングプロバイダーであるOmega National Products社のために、数千個のミラーボールを作り上げてきたが、現在は70歳で、おそらく最後のミラーボール職人だそうだ。そんな彼女がこれまでに手がけてきたミラーボールは、先述のMadonnaらをはじめ、伝説的なNYのディスコ「Studio 54」のものや、なんとJohn Travolta主演の有名映画「サタデーナイト・フィーバー」のものにまで渡るという。また、彼女の仕事についてTV局が、昨年7月に組んだ特集は大きな反響を得ており、広く彼女の存在が知れ渡り、彼女が働く部署にとって、今や代名詞的存在で、不可欠な人員となっている。
ちなみに彼女は1970年からミラーボールを作り始め、その数年後にはディスコブームが到来。当時、彼女は30人近くの女性のリーダーとして、1日に25個のミラーボールを製作していたそうで、まさに、「ディスコ」というカルチャーを人知れず、裏から支えた功労者といえる。また、彼女はメディアのインタビューに対し、「仕事に誇りをもっているのよ。誰かが「たかがミラーボール」と言ったけど、それは違うわ。それは私の人生の大部分を占めるもので、誇りと喜びをもってやっていることなのよ。」と答えているように、そこからは、機械で作られるものとは違った、人間の手によるハンドメイドの職人としての”矜持”を窺い知ることができる。それだけに、彼女は未だ70歳を過ぎても引退は考えておらず、2018年には、ミラーボール職人歴50周年を迎えるだけでなく、Omega National Products社初の勤続50年を迎える社員となるそうだ。