【m-flo再結成】「予定調和をぶっ壊したい」☆Taku Takahashi、再始動に向けた独占インタビュー

LISA復帰と再始動。衝撃のメッセージと共に帰ってきたm-floの現在地と未来を☆Takuが語る
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2017.12.14 21:00

突如、15年ぶりの「LISA」の復帰と、デビュー20周年となる2018年の「再結成=REUNION」という衝撃のメッセージを発表したm-flo。新世代スタイルと未来的な音楽性を駆使して、日本のJ-POPシーンの限界を押し広げきたクリエイティブ・ユニットのm-flo。新しいミュージック+カルチャー+テクノロジーの可能性を探し続ける彼らが、2018年の本格始動に先駆けて向かったのは、誰もが待ちわびたオリジナルメンバー三人での新たな可能性を探ることだった。block.fmでは、VERBAL、LISA、☆Taku Takahashiの3人別に、独占取材を敢行、「再結成」の背景と、彼らの未来に迫ったインタビューを行った。



メンバー個別のインタビューはこちらをチェック。

VERBALインタビュー : https://block.fm/news/mflo_VERBAL

LISAインタビュー : https://block.fm/news/mflo_LISA

m-floより世界に一つだけの特別なプレゼント! : https://block.fm/news/mflo_reunion




▷ m-floはどうしてまた三人で再結成することになったんでしょうか?


☆Taku:これは一度に決まったわけではなくて、ちょっとした流れがあるんですね。2016年12月15日に、J-WAVEのイベント(J-WAVE「MUSIC FACTORY」クリスマスパーティー)でLISAと僕が久々に共演しました。司会はグローバーさん、共演者は佐藤竹善さんで。そこでm-floの曲を演奏したんです。ファンのリアクションがあまりにも暖かくて、僕もLISAもすごく感動した。今後も機会あったら一緒にできたらいいよね、ってLISAと話しました。僕もVERBALもいつか三人のm-floリユニオンやりたいって昔から話してたりはしてたんですが、この時点で三人で復活したいな、ってはっきり意識するようになりました。それをVERBALに話さないとなあって思ってた時ですよ。12月24日、VERBALの大事故。

一時は集中治療室にいつつも「一命をとりとめた」と聞いてホッとしました。ただ、同時にm-floの出演を約束していたUSJの『ユニバーサル・カウントダウン・パーティ』をどうにかしないとって問題もあって。事態が事態だから、そのまま出演キャンセルの選択肢もあったと思います。でも、m-floとして何かできたらなって思いもあって、LISAにピンチヒッターをお願いしてみました。その結果、彼女も快く引き受けてくれたし、USJ側も応援してくれて、素晴らしいライブができました。年明けにVERBALのお見舞いへ行って、そこで「LISAと三人でm-floまたやらない?」って持ち出してみたら、実際彼も同じような気持ちでいて。そこからも実際に再結成プロジェクトが動くまではいろいろと大変だったのですが、実現できてすごく嬉しく思っています。


▷ 久しぶりに三人のm-floとしてスタジオに入って、二人との共同作業で変わったところはありましたか?


☆Taku:VERBALは家で歌詞を作り込んでくるタイプだったんだけど、最近の彼はスタジオでバイブスを感じとりながら書くようになってたり、LISAもスピード感があがったなあって感嘆させれらたり、変わったところはあります。ただ、根本は昔から変わってなくて、面白い聞こえさせ方だったり、感情をどう入れていくか?って探求の旅ですね。あと、感じたのはやっぱり昔からの仲なんで、いろいろと難しい説明とかいらずに話が早いな、って思いました。





▷ ご自分についてはいかがですか? 今回スタジオに入るまでの数年間で、☆Takuさん自身がクリエイティブ面で大きく刺激を受けたものはなんだと思いますか? 


☆Taku:毎週block.fmで番組をやったり、他の人の番組も聴いてるんですが、そうすると新譜や新しいトレンドはどんどん耳に入ってくるんですね。その中で自分の作品って、どういう立ち位置にすればいいのか逆に悩んでしまう時期もあったんです。あと、m-floって日本のJ-POPというフィールドに新しい風を吹き込むというのが裏テーマとしてずっとあるんだけど、それをどうしようかっていうのをここ4年くらい悩んだりしてて(笑)。


新譜を聴くのは楽しいんだけど、半分情報リサーチ的になって、そこに少し飽きも感じていて。それで、たしか手塚治虫先生の言葉だったと思うんだけど、「良い漫画家になりたいのなら、一流の映画や音楽を知って、あえて違うジャンルのものを楽しみなさい」的なフレーズを言われてたのを思い出したんです。そこから僕は海外ドラマにハマっていったり、より世界情勢に目を向けて日本にない刺激を求めるようになっていったりしたんですね。ちょっと話がそれるんですが、僕は過去の作品を聴くことに対して、アレルギーがすごく強かったんです。何度も聴き直してチェックしながら作るし、完成したあとも「あそこがダメだったなあ」とダメだしが止まらなくなるんですよ。だから、自分のアルバムとかって持ち歩いたりしなかった。DJでかけるもの以外はね。


ただ、友人たちがm-floの昔の曲をかけてくれたりして、その時「あ、思ってたより悪くないな」って感じられる瞬間が何度もあって。アメリカに僕の作品からm-floまで全部データを持ってるマニアックな友人がいて、彼にm-floのアルバムを送ってもらったんですよ。それを聴き直していったら「思ったより悪くない」って再発見することからはじまり、「あ、この手法どうやったんだっけ?」って振り返ることにも繋がったりして行きました。そこで気づいたことがあるんですよね。以前と今とでは作り方が違うって。しかも過去の作品って、当時としても今としても「なんか他とは違う」っていう良い意味での違和感みたいなものがあって、それがすごく刺激になったんですよね。新譜ではなく、20年くらい前に自分たちが作ったものから影響を受ける。これって良いことなのか悪いことなのかわからないんだけど、自分の気持ちに正直になるのが一番大切で。そう思えるようになったら、なんかいろいろふっきれて、音楽がまたすごく刺激的に感じられるようになりました。


▷ 今年の☆Takuさんは例年以上に海外、特にアメリカでの活動を積極的に行って来ました。この滞在は☆Takuさんにどんな刺激を与えましたか?


☆Taku:アメリカにも日本のコミケやニコニコ超会議みたいなイベントがあるんですね。しかも全米いろいろな都市で何万人って規模で開催されています。ただ日本と大きく違うのが、夜の部があってそれがレイヴパーティなんですよ。しかもかかってる音楽がアニソンでないといけないってわけでなく、結構ベースミュージックだったりドラムンだったりレイヴィーな4つ打ちだったりするんです。あと、Trekkie Traxだったりbanvoxだったり日本人が作ったアンダーグラウンドのサウンドとかも流れてて。リア充オタクの集団が集まってる感じ。そこに呼ばれるようになって今年は米国9箇所くらいDJしました。そこでm-floや自分の曲をかけたりすると、めちゃくちゃ盛り上がってくれるんですね。ある意味日本のアンダーグラウンドシーンよりも自由に好きな音楽をかけられる環境。そこが楽しくてオーディエンスのノリも半端なくて、すごくエネルギーをもらいました。


▷ 海外にも多くのm-floファンがいて新作をとても楽しみにしていると思いますよ。実際にアメリカなどでファンと直接触れ合い、そういった感触を肌で感じたりはしましたか?


☆Taku:DJをするだけでなく、そこにいる人たちと話す機会があるんですよ。んでもってアメリカの人たちって結構ダイレクトに意見を言ってくるんだけど、面白いコメントが「なんでm-floがEDMとかまんまアメリカみたいなことするんだよ。昔のお前らの作品のほうがすっげー変わってて面白かったぞ!」ってやつで。僕は僕なりの理由で日本に最先端の音楽をJ-POPに提案するのがm-floなんだ、って信念があって、そのスタンスはデビューから変わってないんですね。ただ、その会話で今の自分と昔の自分に大きな違いがあることにも気づかされました。


それは、自分が技術的にうまくなっていること。そしてクオリティを高くするためのスタッフがいる。さらにテクノロジーの進化と共に音楽を作るのが昔より簡単になっていること。いやね、自分のやろうとしてることは昔も今も変わらないんですよ。それは、何かカッコイイ!と思う曲とか新しい刺激になる曲に憧れる。それを自分なりのものにしたいという欲求が生じる。その欲求から曲を生み出して日本に出す。ここは初めた当初も今も変わらない。


ただね、昔はそれをしようとしてもみんな使ってる楽器とかが違ったわけなんですね。たとえば僕が「Basement Jaxxのとある曲のベースラインがかっこいいな、それっぽい要素をいれてみたい」って思うじゃないですか? そうしてそれを再現するんですが、Basement Jaxxが使った楽器はRoland社のシンセ。僕が持ってるのはMOOG。どんなに再現しようとしても、その音にならないんですよ。一生懸命似せようとしても同じにならないんですよね。でもその途中の過程でだんだんと「あ! 再現しきれてないけど、気持ちいいから、これはこれでいっか」ってなってたんですよね。それが昔のm-floのオリジナリティに繋がったんだって気づかされて。要は自分の完璧じゃない部分、言い方を変えると「良い間違い」がm-floのサウンドをユニークにしてたんです。


ところが今の時代、ソフトシンセが普及して「この音にしたい!」って思ったら完全にその音を再現できちゃうんですね。みんな同じシンセを使ってるからいとも簡単に。その中でじゃあどういうふうに違うものを作るのか?ってのが求められるんだけど、それって僕にフィットしないんですよね。先輩が作るものだろうが後輩が作るものだろうが、彼らの作品に憧れて曲を作りたいんですよ。その憧れが僕のモチベーションでもあって。でも今の時代でそれをしようとすると、けっこう他の作品と似ちゃうんですよね。だったら当時の製作工程で作ってみよう、って曲を作る手法を変えてみたんですね。そしたら、また「良い間違い」を起こせるようになってきました。


▷ ここ数年でDJ活動に関してマインドの変化はありましたか?


☆Taku:10年くらい前は、アーティストがDJをやる行為ってなんかあまり良いイメージなかったんですね。アーティスト活動の延長、趣味でDJやってるくらいのクオリティの人が多い。そんな中、どうやって自分自身を出しながら一線級のDJとして認めてもらえるか?って一生懸命がむしゃらにやってきたんですよ。そのタイミングは自分的に「クラブでm-floの曲をかけるのは違うな、もっと自分のダークな部分を出していきたい」って考えたりしていて。


それではm-floをかけてほしいってお客さんに悪いと思ったから「☆Taku Takahashi (m-flo)」の(m-flo)ってクレジットを外してました。今考えると「ストイックすぎたかなあ(笑)」って思うこともあるんですが、それはそれで自分にとってよかったかなって思ってます。それをしてなかったらiLoudさんのDJランキングで3年連続1位を取らせてもらったり、Beatport年間アワードを受賞できてなかったし、良い経験になったのは確かです。さらに言うと、この経験がなかったらblock.fmも作ろうって思わなかったですね。


今のクラブシーンってなんか両極端だと思うんですよね。凄くビルボード的なヒットソングが求められるイベントだったり、凄くストイックなミニマルなサウンドが求められたり。あとは、特定のジャンルに特化したものだったり。FPM田中さんが面白いこと言ってたんですけど、「最近、中間だったりすべての要素が入ったパーティが少なくなった。おもいっきしEDMか、もしくはおもいっきしテクノか」って。一字一句あってるわけではないのかもしれないけど、そういうこと言われてて、僕もそうだなあって思ったり。僕的にはそういうシーンってあんまりドキドキしないんですよね。やっぱりいろいろな刺激が詰まっていてほしい。


今まで自分がどうやって「DJ」として認めてもらえるか頑張ってきたんだけど、かなり考え方が変わってきてて。DJだけをメインでやられてる方にしかできないものがあると同時に、アーティスト/クリエーターDJにしか出来ないことがあることに、ようやく気がついたというか。いまさら感もありますが(笑)。やっぱり僕らには作品を作れるアドバンテージがあるし、あえて空気を読まないことが許される人種でもある。空気を読まないことによって生まれる新しいグルーヴやトレンドを作れるよう頑張りたいなって考えてます。これってもちろんオーディエンスが引いてしまうリスクもあるんだけど、やっぱり予定調和を壊すのがアーティストDJの使命なんじゃないかなあって思っています。




▷ 今後のm-flo再結成でやってみたい事、またそれを踏まえて自身のソロでの活動でやっていきたい事はありますか?


☆Taku:まず今はしっかり良い曲を作るというタイミングで、そこに集中しています。ただ、同時に考えていかないといけないのはアウトプットの仕方。もちろん通常の配信サービスやCDパッケージは出していきますが、VERBALとはそれ以外の音楽の楽しみ方も提案していかないといけないなと話してます。

あと、僕の中でm-floって面白い音楽をJ-POPシーンに提案することだと何度も言ってますが、それは自分達が作る作品としてだけでなく、同時に他の素晴らしいアーティストも紹介していきたい。最近見かけなくなりましたが、僕らはリミックスアルバム的なことも積極的にやっていきたいと考えています。僕としては若い人たちにどんどんm-floのブートを作ってほしい。面白い作品は後からオフィシャルにしたって良いと思ってます。そんな世界に日本にもなってもらいたいんで、まずは僕らが尊敬するクリエータたちにお願いしたリミックス集を年明けに発表していきます。


▷ m-floの好きなところを3つ挙げて下さい。


☆Taku:1人で思いつかないことを、それぞれの得意分野を出し合いながら、ありえない作品を作れること。


メジャーという制約がいろいろと多い世界で、それでも実験的なことを積極的にできること。


僕らが音楽で好き勝手やってるのに、それを楽しみに待ってくれているファンがいること。


この状況に感謝をしないとですよね。次の作品はそういったところを真心込めて作りたいと思っています。


▷ block.fmの運営を通じて、音楽以外のポップカルチャーに目が向いて行った部分はありますか?


☆Taku:あー、そこはblock.fmうんぬんでなく、もともと自分自身、音楽以外のポップカルチャーに目は向いていたんですよね(笑)。そんな自分を気がつかせてくれたり、世界のメディアがどうなってるかと意識させてくれたのが今block.fmでエグゼクティブエディターをやっている尾田さんとジェイさんで。それがおもいっきしblock.fmを新しい方向へ持っていった。


ポップカルチャーと言っても、今日本ですでに流行ってるものとかでなく、まだ日本で定着していないかもだけど、これからきそうな面白いものやカッコいいものを紹介していってると思うんですね。ひょっとしたら日本でブレークしないものもあるかもですが(笑)、それでも日本で紹介されない面白いものをどんどん発信していく。これってm-floのマインド、僕の音楽マインドも似てて。今はblock.fmってちっちゃな組織で知らない人も多いかもしれませんが、将来的には日本のトレンドを変えるようなゲームチェンジャーの中心的存在に乗るメディアに育てていきたいと、思っています。

引き続き、

VERBALインタビューのインタビューはこちら  : https://block.fm/news/mflo_VERBAL

LISAインタビューのインタビューはこちら : https://block.fm/news/mflo_LISA

m-floより世界に一つだけの特別なプレゼント! : https://block.fm/news/mflo_reunion


参照URL ▷
▶公式Twitter:https://twitter.com/mflo_official
▶☆Taku Takahashi:https://twitter.com/takudj | https://www.instagram.com/takudj
▶VERBAL:https://twitter.com/VERBAL_AMBUSH | https://www.instagram.com/verbal_ambush
▶公式Spotify:https://spoti.fi/2AyivXr

English translated version of the interview by Otaquest here

インタビュー by TJO

Visual Support by MAKI



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