ここでしか読めない、m-floアルバム『KYO』ライナーノーツ by ☆Taku Takahashi

m-floの最新アルバム『KYO』発売を記念して、blockfmでしか読めない本人執筆のライナーノーツを公開!
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2019.11.06 03:00

Written by ☆Taku Takahashi(m-flo)


m-floの☆Taku Takahashiです。5年ぶりとなるアルバム『KYO』がリリースされました。しかもLISAが再加入してから最初のアルバムです。1曲1曲ドラマがあったので、僕の視点から色々と説明していきたいと思います。


1. No.9


9枚目のアルバムだからタイトルはNo.9。今回のインタールードはストーリーテリングの要素を抑えて、アルバム全体のアクセントにしようって意識して作りました。テーマはパラレルワールド。自分の人生の違う可能性が交差する場所。m-floは初期のVERBALと僕だけだった時代、LISAが加入した時代、loves時代、ポストloves時代など色々なユニバースが存在してるから、テーマもぴったりだなって。ちなみに6thアルバム『SQUARE ONE』もパラレルワールドをネタにしてたけど、別の機会であのストーリーは完成させます(笑)。音はストリングスをMitsunori Ikedaに打ち込んでもらって、町の音だったり森の音だったり、テレビのチャンネルを変えているように作りました。ちなみに今までのアルバム8枚のタイトルがうっすら言われてるんで耳をすませて聴いてください。ちなみに頭のLoriがしゃべる感じの元ネタはPizzicato Fiveの『Overdose』からきてます。


2. E.T.


もともとの名前は「Emotional Trap」だったんだけど、VERBALがひねりを入れたくて「E.T.」になりました。エモいトラップを作ってみたいなぁって思って、デモ名も“エモトラ”って呼んでました。トラップは“罠”っていう意味もあってダブルミーニングでもあります。途中でテンポを変えたのはTravis Scottの「SICKO MODE」とかKanye Westの「Bound2」に影響を受けて、唐突な感じを出したくて。と言いつつ、そこまで唐突にしてないんだけど。ちなみにスピードアップしたところはMura Masaの「Love$ick」みたいに、カウベルが鳴ってるかっこいいブレイクビーツを作りたいなぁって思いながら作りました。


3. HUMAN LOST feat. J. Balvin


J. Balvinは去年のサマソニでVERBALが仲良くなって。しかもすごくナイスガイ。映画『HUMAN LOST 人間失格』のエンディングを作らせてもらうことになり、彼らから外国の方をフィーチャーするのはどうでしょう?って提案されて、ダメ元でJ. Balvinに頼んだら彼もすごくアニメが好きで。普段レゲトン調の曲が多いから、こういう曲調で歌うのはすごくチャレンジングなことだった思うけど、すごくカッコよく歌ってくれました。




4. Enter the Mortal Portal


m-floのインタールードでおなじみになっているLoriと矢島正明さん。アルバムのコンセプトを説明する重要な曲。kiki vivi lily 「AM 0:52 (Sweet William Remix)」に中毒的にはまってて。あの曲のクラップの使い方、Sweet Williamさん天才だと思う。んで、僕もそういうチョップされた感じのトラックが作りたいなぁって思って作ったトラックです。


5. juXtapoz


アルバムで一番好きな曲で大切な曲かも。トラックで違うことをしたいな、でも訳分からないものを作りたくない。その絶妙なバランスで作れたんじゃないかな。曲の内容はSNSとパラレルワールドが混ざってる感じ。気持ちが盛り上がったとき、そのまま消えちゃう人に翻弄されちゃう話がLISAとVERBALの視点で書かれてます。そんなコメディ。いや悲劇かな?(笑)今の人たちにはあまり分からないかもしれないけど、最後のアナウンスは「おかけになった電話番号は現在使われていません」ってやつ。今で言うとなんだろ。SNSのアカウントを予告なしに閉じちゃって、繋がれない感じ。


6. Toxic Sweet feat. JP THE WAVY (Album Version)


去年の12月か今年の1月のはじめくらいかな。真冬に夏なトラックを作りたいって思って、ダンスホールっぽい感じのデモを作って。ただ、ルールはダンスホールで使わない音をなるべく使おうと思って、シンセとかも細かくオートメーションを書きました。みんな分かんないところだと思うけど、こういう小さいこだわりの積み重ねで曲のムードって変わってくるんですよね。ちなみにスネアとハイハットの音は水の音。最初VERBALが歌詞を書いて、そこからJP THE WAVYさんを呼んだら楽しいなって思い、呼んだらすごく素敵で面白い歌詞を書いてきてくれました。




7. EKTO


デモのタイトルは「What If」だったんだよね、この曲。日本だと「もしも」って意味。あの瞬間にこうしてたら後悔しなかったんじゃないかな、って人間思うことあるじゃないですか。デモが仕上がったとき、そういう風に聴こえてきたんですよね。Alison Wonderlandにインストのデモを聴かせたら“It’s beautiful”って褒められました。あと80KIDZのALIくんも「前半のとこ好きですよー」って言ってくれたり。VERBALの声とLISAの声にはボコーダー使いまくって、自分の中の気持ちよさをとことん追求しました。




8. PULSE


LISAと二人でデュエットしたら楽しいね、って思って作った曲です。LISAがだいぶ早い段階でメロと歌詞をあげてきてくれて、なんていうか、Janet Jacksonみたいにウィスパーな声のデモで。その雰囲気をもう一度出すのはかなり難しいから、デモのまま使ってます。なんか“ファーストテイク・マジック”みたいなのがあるんですよね、音楽って。当初はVERBALがラップする予定だったんですがイメージがわかなくて、僕から「じゃあ俺歌ってみていい?」って言ってこうなりました(笑)。


9. Sheeza feat. MIYACHI


MIYACHIくんの「WAKARIMASEN」が大好きで、VERBALとLISAに聴かせたら二人ともめちゃくちゃツボってくれて。そこからblock.fmにも何度か遊びに来てくれて、仲良くなって。彼はアメリカにいたんで、skypeで曲の方向性とかを話しました。これもVERBALの得意な言葉遊びがたくさん詰まっているのと、Outta Spaceと同じネタをサンプリングしてます。


10. against all gods


アニメ『ブラッククローバー』のエンディングテーマ。制作チームにどんな感じのエンディングテーマにしていきたいかっていうリクエストをお聞きして、あのイントロが生まれました。はい、世代の人には分かるかもしれませんが『シティーハンター』のエンディングのTM NETWORKの「Get Wild」を意識してます(笑)。ビートは普通の感じにしたくなかったんで、生っぽい感じにしてサビを4つ打ちエレクトロに。意識してなかったんだけど、PharrellのバンドのN.E.R.Dっぽい感じになったかも。この曲のLISAの歌詞で「不器用な生き様でしかあれなくて 重ねてきた勝利を答えにしてきた 大切な何かに不感症になって 臆病な自分を隠していた」ってところにすごく共感したなぁ。


11. STRSTRK


m-floでは賛否両論になった曲。ライブでもお客さんがポカーンとしちゃうやつ(笑)。でもシングルリリースしてよかったと思ってます。これをやることによって、なんか嫌だった流れが一気に変わって、もっと自分たちの出したい方向が明確になった。実際アーティスト仲間でもこの曲を褒めてくれたりして。ちなみに元ネタはspliceにあるんだけど、これを使おうと思う人はあんまいないだろうな(笑)。これもVERBALにもろボコーダーを入れてます。ちなみにm-floで「スターストラック」というタイトルがつくのは2回目です。




12. MAKE IT BREAK IT


デモ段階ではほんとコード感も何もなくって。LISAに即興で歌ってもらって、それをそのあと形にしました。最近、弦楽器のピチカートの音が好きで多用してるんだけど、これが最初かな。たぶん影響はHAIMの「Walking Away(Mura Masa Remix)」だと思います。ドラムンベースもそこまでアッパーなのが最近疲れちゃってリスニングとして聴けるものが好きなんだけど、ちゃんと低音は鳴ってるんでそこもチェックしてください。


13. KYO-TO-KYO


元々はオープニングにしようと思ってたんだけど、LISAとVERBALがすごく素敵な歌詞を書いてきてくれたのと、オープニングには長すぎるなって思ってそのまま曲になっちゃいました。VERBALのところはスタジオでオーソドックスに録ってるんだけど、すごく好きなフロウ。そしてLISAの部分は、実は千葉純治氏の生ピアノと彼女が同時に一発録音してます。しかもiPhoneで!! VERBALの空間とLISAの空間が違う、パラレルユニバースを表現したくて、だからVERBALの部分とLISAの部分、まったくテンポとか違います。LISAの歌の部分はエアコンの空調とかもあえて聞こえるようになってます。


14. No Question


「come again」がでた後、もしLISAが脱退してなかったらという“IF”をイメージして作った曲。だから楽器の編成もアルバム『EXPO EXPO』と同じ感じで手癖を思いっきり出した曲。VERBALの「命かけてふざけてますけど その点について誰か何か気になる人がいたら是非そのまま黙り続けて頂けますか?」ってスーパー丁寧語でディスってるところ、初めて聴いたとき大爆笑しました。あとね、LISAの「それさえ許せない世の中なら 全て投げ出して 自由になるまで」って歌詞がすごく今の過剰コンプライアンス社会に対してアンチですごく好きな曲。実はCD盤の場合、この曲のあとに秘密のメッセージが隠されてるんですよねー。





とまあ、本人ライナーノーツを小ネタと一緒に話していきましたが、色々と悩んだりぶつかり合ったりして、自分たちが持っているものと周りの人からもらったエネルギーがたっぷり集まったアルバムになりました。よかったら聴いてみてください。




【リリース情報】


m-flo『KYO』





【Amazon】

https://www.amazon.co.jp/KYO-CD2%E6%9E%9A%E7%B5%84-DVD-m-flo/dp/B07XYSF81L


【TOWER RECORDS】

https://tower.jp/item/4962771/KYO-%5B2CD%EF%BC%8BDVD%5D


【HMV】

https://www.hmv.co.jp/artist_m-flo_000000000125734/item_KYO-2CD-DVD_10232735



▶配信リンクhttps://avex.lnk.to/20191106_kyo



▼アルバムの詳細はこちら

https://m-flo.com/pages/kyo?ls=ja



m-flo Official HPhttps://m-flo.com/?ls=ja



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