世界中のレコード業界に影響大。原盤を作るカリフォルニア州の工場が全焼

世界に2つしかない工場のひとつが全焼、レコードの元となるラッカー盤の原材料が不足する危機に。残された日本の工場だけでは生産が追いつかない可能性も。
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2020.02.10 03:00

近年世界中で需要が伸びているアナログレコード。その全てのレコードの原盤と呼ばれるのがラッカー盤であり、その原材料を供給している世界中にふたつしかない工場のうち、カリフォルニア州バニングにある工場Apollo Masters(アポロ・マスターズ)が火事によって全焼してしまったと2月6日(木)に報じられた。工場関係者は「今後については今のところ不明であり、対処法を探している」とコメントしている。出火原因については不明だが、幸いなことに怪我をした従業員はいなかったようだ。






世界中のレコード業界に影響が


レコードのカッティングを行う工場は他にもあるものの、そのカッティングに使用するラッカー盤の原材料は今回のApollo Mastersと日本にあるMDC社から世界中に供給されている。世界でラッカーを製造しているたったふたつの企業のうち、ひとつが日本の企業とは誇らしいことでもあるが、需要が伸び続けているレコード業界ではMDCの製造がすでに追いついていない状況であり、今後全てのレコード制作に影響を及ぼすだろうと指摘されている。


すでにカナダにあるレコードプレス工場Duplication社はTwitterにて「ラッカーの不足により今後工場を閉鎖、縮小する可能性もある」とアナウンスしている。




ラッカー盤に代わるものは


塩化ビニールを材料とするアナログレコードに対して、カッティングという溝を掘る作業で使用されるものがアルミニウム板にニトロセルロースラッカーを塗布した板がラッカー盤と呼ばれ、これに直接カッティングすることでアナログレコードが作られる。以前は盤の素材としてアセテートが使用されていたこともあったが、今ではほぼ使用されていない。


キズやホコリ、歪みは言うまでも無く10~20ミクロン以内のフラット状態である必要が求められる、職人芸と言われるほどのラッカー盤製造において他の企業がすぐに手を出せるものでもないだろう。現状では日本のMDCに需要が大幅に傾きつつ、Apollo Mastersの再稼働に期待するほか無さそうだ。




レコード好きのリスナーにとっても大きなニュースだが、今後アナログレコードでのリリースを予定していたアーティストは納期にかかる時間など再度確認が必要だろう。


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written by BsideNews


source:

https://pitchfork.com/news/devastating-manufacturing-plant-fire-threatens-worldwide-vinyl-record-supply/

http://www.pbr.co.jp/sys_old/index.php/2012-07-03-02-25-24.html


photo: https://visualhunt.com/photo2/15613/vintage-record-player/

https://visualhunt.com/photo2/15391/interior-of-store-with-vinyl-records/




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