kZmインタビュー 自分の次元を歪ませて壊す2ndアルバム『DISTORTION』

2ndアルバム『DISTORTION』をリリースしたkZmにm-flo ☆Taku Takahashiがインタビュー。
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2020.05.19 11:00

1stアルバム『DIMENSION』でその存在感を確立したYENTOWN所属のラッパーkZm。2nd アルバム『DISTORTION』はApple Musicアルバム総合ランキングで1位を獲得し、ヒップホップアーティストとして快挙を成し遂げた。“YENTOWN最年少ラッパー”から東京を代表するアーティストとして成熟した様を見せるkZmと、m-flo ☆Taku Takahashiとのリモート対談が実現。キャリアや制作、コロナショックを受けた動き、 前作『DIMENSION』についても振り返りつつ、その素顔に迫る。


インタビューのアーカイブ視聴はこちらから。

https://block.fm/radios/1





☆Taku(以下、T):今日はアルバム『DISTORTION』をリリースしたkZmさんにリモートでインタビューしたいと思います。宜しくお願いします。


kZm(以下、k):YENTOWNのkZmです。宜しくお願いします。


T:確認したいんですけど、kZm(ケー・ズィー・エム)と書いてカズマと読むんですよね? 


k:いや、実はそのまま“ケー・ズィー・エム”なんですよ。曲でもリアルでも、みんなから“カズマ”って呼ばれてるんで、それがそのまま浸透しちゃったんですよね。


T:じゃあ今日はちゃんと“ケー・ズィー・エム”さんと呼ばせていただきます。


k:ありがとうございます(笑)。


T:まずは一問一答です。



—出身地は? 


k:東京の渋谷区です。


—小さい頃になりたかった職業は? 


k:バスケットボール選手。NBAに行きたかったです。


—音楽活動はいつから? 


k:正式にレコーディングをしたのは2015年が最初。遊びでやり始めたのは9年前、高校2年生ぐらいです。


—初めて買ったCDは? 


k:たぶん、Eminemの日本盤のアルバムです。


—最近お気に入りのアーティストは? 


k:Mall Grab。テクノのアーティストですね。


—最近いちばん嬉しかったことは? 


k:犬の機嫌がいいときです。


—最近お気に入りの場所は? 


k:駒沢公園、サッカー場裏の芝生です。


—尊敬する人は? 


k:いっぱいいるんですけど。日本のアーティストだと、5lackさん、宇多田ヒカルさん。


—これから挑戦したいことは? 


k:生でやるライヴ以外に、どんな表現ができるか模索してます。


—ステイホームしてるときの好きな過ごし方は? 


k:料理するか、犬をなでるか。です。



T:以上、一問一答でした。NBA選手になりたかったんですね。けっこうガッツリやってました? 


k:そうですね。ストリートボールの3on3を。オリンピック競技にもなりましたけど、昔はセミプロリーグの練習生としてやってました。ポイントガードっていうポジションだったんですが、ドリブルは極めてましたね。


T:バスケのキャリアが影響していることってありますか? 


k:ヒップホップに出会ったのも代々木公園でバスケしてたことがきっかけです。米軍の人とかも多くて、彼らが流してた音楽を聴いて「なんだこれ? 聴いたことねえぞ」って関心をもって、そこからずっと聴いてました。


T:音楽活動を始めた高校生のころからラップだったんですか? 


k:そうです。それまで聴いてただけだったのが、「コンビニ行くかー」みたいな感覚で始めました。ふと思い立って、周りの友達に「みんなでやろうぜ! 」って声かけて、リリック書いて渡したりとか。でも、その頃一緒にやろうとしてた友達はとんでもなくセンスなかったんですけど(笑)。


T:なぜラップだったのかを聞いた理由は、僕がkZmさんの歌声が好きだからなんです。めちゃくちゃいいなと思ってて。もしかしたらバンドのボーカル経験があるのかなって思って。


k:ありがとうございます。バンドは友達に誘われて、1日だけやったことがあります。


T:歌ですか? 


k:そのときは、ドラム(笑)。つまんなくて1日でやめたっすね。結局1人でラップをやってたんですけど、後に別の友達たちとkiLLaっていうグループを組みました。


T:なるほど。Chakiさん(Chaki Zulu)とはどうやって出会ったんですか? 


k:kiLLaとして活動していて、まずYENTOWNのPETZくんに出会いました。俺、PETZくんのこと「カッケエなあ」って思ってて、仲良くなってそのあとダイジくん(JNKMN)とChakiさんに会って。それでYENTOWNを立ち上げる話があったんですが、俺らはkiLLaごとYENTOWNに入るという流れに。最初は「大丈夫か? 」って思いました。


T:それは、どういう意味での「大丈夫か? 」だったんですか? 


k:地元にも不良の先輩はいたんですけど、ダイジくんに会ったときに「うお、この人、怖ェぞ」って(笑)。でも実際にはちゃんと音楽をやっている人たちで、最終的には僕らからお願いしました。もちろん今はダイジくんに対して「怖ェぞ」とかないです(笑)。特にダイジくんとChakiさんは俺にとってすごく大切な存在で、感謝してます。2人がいなかったら、今頃なにやってたんだろうってくらい。


T:お気に入りのアーティストにMall Grabを挙げてましたよね。僕はkZmさんの曲を聴いていて、だいぶ前から変化球なトラックでラップしてるなって思ってたんです。今でこそ、ジャンルレスなトラックでラップするアーティストも増えた印象がありますが。だから、kZmさんからテクノのアーティストの名前が挙がったのはすごくしっくりきて、思わずニヤけてしまいました。初めて買ったCDはEminemで、他のジャンルを聴くようになったのはいつ頃ですか? 


k:当時は「ヒップホップしか聴かねェ」っていう今と真逆のスタンスのB-BOYだったんですけど、中学校のクラスメイトからRADWINPSをゴリ推しされてロックを聴くようになりました。聴いてみたらヤラレましたね。ラップパートもあってヒップホップ聴いてた耳にも心地良かったし、歌詞や音楽性もまるで深海みたいな深度で。そこからマイケミとかも聴くようになって。ヒップホップとロックを並行して聴いていました。


T:テクノとかハウスは? 


k:去年の秋くらいから。最初、すごく嫌いだったんです。パーティーで聴いても全部一緒に聴こえて。肌に合わない感じがありました。でも自分の周りを見渡したとき、ファッション的なことも含めて自分がカッコイイと思う人はみんな四つ打ちにいってるなと。あと、俺の好きなものってアンダーグラウンドなテイストのものが多いんですが、ヒップホップは今世界的なメインストリームになり、日本でも存在感が強くなってる。ヒップホップのアングラ感は失われつつあるなと思ったときに、ハウスやテクノに興味を持つようになりました。開花してからはめちゃくちゃ聴いてます。自分の音楽観においての新しい発見というか。


T:アルバム『DISTORTION』に通ずるキーワードもチラホラ出てきていますが、あともうひとつ、一問一答から。おうちでの過ごし方で“ワンちゃんと料理”って意外だったんですが、どんな料理をするんですか? 


k:親父が昔スペイン料理屋をやってたので、家の食卓も洋風の料理が出ることが多くて。小さい頃も手伝いをやらされたりしていて、得意なのは男っぽい料理や和食とかより、オシャめな料理が多いですね(笑)。


T:kZmさんのオシャレな料理、興味あるので見てみたいですねえ(笑)。では、アルバムについて聞いていこうと思います。リリースに先駆けて、収録曲の「鏡花水月」を配信、さらにSNSでもメッセージを発信されているのを見たんですけど、アルバムの情報解禁と「鏡花水月」のリリースは、当初から決めていたタイミングだったのか、それとも新型コロナウイルスの影響があったんですか? 


k:予定してなかったですね。アルバム自体、3月に出る予定が制作面で遅れてて。そうしたら、新型コロナウイルスの影響でこういう状況に。基本的には言いたいことは曲で言うからそれを汲み取ってもらえればっていう考えなので、Twitterとかで発言するタイプではないんですけど。いつもみたくサラっと出して「はいどうぞ」ってのは違うなと思って。今回は自分の思いを言葉にしたかったし、「鏡花水月」をイチ早く届けたいと思って、先に配信しました。



T:さらに、YouTubeを介してアルバムのリスニング配信を行ったと。アルバム発売前にオープンな形でリスニングイベントをやるって、日本では珍しいケースだと思うんですが、どういった理由で開催したんですか? 


k:本当は、アルバムに収録されてる曲のタイトルにもなってるYuki Nakajoっていう同級生のアーティストと、ギャラリーを借りてリスニングパーティーを兼ねたインスタレーションをやる予定でした。アルバムの世界観をアートにするような。それができなくなってしまったので、YouTubeで配信するっていう形にしたんです。


T:リリース前のアルバムのリスニングをオンラインでやるってけっこうリスキーなことでもあるなと思ったんです。リアルでのインスタレーションと違って。その辺はどうでしょう? 


k:実際、抜かれてYouTubeにアップされちゃってたりとかはありました。後からそのリスクに気づいて(笑)。本当はそういうのやめてほしいですけど、あえて俺から注意喚起したりすることはしなかったです。


T:リスクよりもリスニングイベントをやりたかったと。リアルでできない代わりにどうするかっていうピュアな方向に先行したってことですね。


k:そうですね。それもまあ、何か意味あるものとして残るのかなって。結果オーライでいいかなって割り切って考えてます。


T:なるほど〜。そういった経緯を経て、リリースされた『DISTORTION』ですが、前作『DIMENSION』についても、あらためて説明してもらえますか? 


k:前作の『DIMENSION』では、その頃メインで聴いていたトラップにちょっと疲れてたこともあって、いろんなジャンルの音楽を混ぜていくしかないと思ったんですね。そうやって“kZm”っていうジャンルを作り出したい=自分の次元を作るっていうコンセプトのアルバムになってます。あと、今は削除されてるんですが「Dimensions: Adventures in the Multiverse」っていうアプリがあって。周囲の環境音を拾ってリアルタイムでエフェクトをかけるようなものなんですが。別次元にぶっトぶ体験ができるっていう触れ込みで、嘘か本当か、失踪する人が出てきちゃったり。ちょっと危ないヤツなんです。


T:斬新なものだけど人によっては、良くないマインドにいっちゃうと。


k:状況によっては、悪いトビ方になっちゃうのかもしれないですね。そのアプリからインスピレーションを受けた部分もあります。



T:自分の次元と、アプリのダブルミーニングで『DIMENSION』。今回は同じ“D”から始まる『DISTORTION』、歪み。このタイトルになった理由を教えてください。


k:前回の『DIMENSION』はこれで食えないようであれば別の表現の仕方を考えなきゃいけないって思ったくらい真剣に取り組んで、自信持って出したアルバムでした。結果的には評価してもらって食えるようになったんですけど、「1stが良かった」って言われるアーティストが多い中で、どうやってそのプレッシャーを超えていこうかを考えて。で、そもそも“自分の次元をつくる”っていう考え方は間違ってたなと。それこそ“自分の次元”に囚われてるなって気づいたんです。


T:おお! 深い。


k:その殻を破る、囚われている自分の次元を壊す方法として、歪ませるっていう。サウンド的にもその考え方は反映されてます。ガバの歪んだ音や、ロックのギターのディストーションを混ぜたり、自分の作った次元を歪ませて壊している様をみんなに見てもらえれば、ってところから『DISTORTION』になりました。


T:サウンド的にも“歪み”を取り入れていることが特徴として分かりますし、自分の表現を歪ませて新しい自分を見せるという部分でもこのアルバムはすごく成功してるなと思います。客演を迎えている楽曲も多いですが、制作プロセスはどのような感じでしたか?


k:客演については、基本的にトラックを選んで自分のRECまでは全てやった上で、バースを空けた状態でそこからフィーチャリングするアーティストについて考えます。Tohjiとやった「TEENAGE VIBE」に関しては、Tohjiとやる前提でトラックを選びました。


T:My Chemical Romanceを聴いていたなんて話もありましたが、「TEENAGE VIBE」は打ちこみもありつつロックの要素をかなり取り入れてますよね。


k:タイトルもそうですけど、『DISTORTION』と『DIMENSION』は地続きの作品なんですね。前作の最後、CreativeDrugStoreのBIMと一緒にやった「Dream Chaser」と同じような文脈でやりたかったんです。それをTohjiとやるなら、激しい感じのリフでやりたいなと思って。



T:先日「BLOCK.FESTIVAL」というオンラインフェスをやったんですが、出演してくれたYonYonさんやYANATAKEさんもこの曲をかけていて、DJからも好かれている楽曲なんだなと思いました。僕も好きです。あとは、LEXさんとの「27CLUB」はどういう流れで?


k:この曲ができたときに、若手というかシーンを見ても、LEXのフロウを超えられる人はいないと個人的には思っていて、オファーしました。


T:おお〜。タイトルに付けられた“27CLUB”は音楽業界では知られたワードですけど、曲の内容についても教えてください。


k:もしかしたらご存知かもしれないんですけど(苦笑)、去年の夏、某有名アーティストが地方でやったフェス的な感じのイベントで、俺が相当バグっちゃって。いろんな人に迷惑をかけたという苦い思い出があって。それこそ、VERBALさんとかもいたと思うんですけど(笑)。VERBALさんは覚えてないみたいなんですが…。


T:あはは!まあ、あの人もけっこう、呑まれるときは呑まれるんで(笑)。


k:で、Chakiさんがお世話になってるDJさんにも迷惑をかけてしまったり、友達の信用も失ったり、いろんな人に失望された出来事があって。たまたま重なっただけかもしれないんですけど、このままだと来年あたり死ぬなっていう危機感が芽生えて。だから「27CLUB」に入りたいとかじゃなくて、入らざるを得なくなるかもっていう。


T:もっとちゃんとしたいなっていうことですか? 


k:線引きはしなきゃいけないなというか。自分が悪いんですけど、鬱屈してた感情がハジケた曲ですね。



T:プレッシャーがあったりしたんですか? 


k:制作のド真ん中だったので、プレッシャーが重なってたのもありますね。ライヴまわってるときはメンタル的に落ち着いてるんですけど。制作時期は情緒が良くなくなるときもあるので(苦笑)。反省で書いたというか、その出来事を浄化するために作りました。


T:曲作りってすごく楽しい行為でもあるし、身を削るようなところもありますよね。『DIMENSION』が素晴らしいアルバムだったから、そういうプレッシャーがあったのかな。それ以上のもの作らないといけないっていうハードルとか、何をしなければいけないんだろうとか。今回の制作を振り返って、そういった部分はどうでしたか? 


k:Chakiさん的にはそんなことないよって言ってくれたんですけど、『DIMENSION』の後半は割と悩んだ時期もあったと自分では感じてました。だけど、コンセプトが決まってからはバンバン曲ができましたね。


T:前作を経て何をすべきかが分かって、スムーズにいったと。


k:はい。『DIMENSION』で自分の求められているところはなんとなく理解できていたし、今作は期待に応えつつ、イイ意味で裏切っていくっていうのは定まっていたので。


T:『DIMENSION』のときから僕はkZmさんの歌声が大好きなんですよ。『DISTORTION』でその歌声が多く聴けたのは嬉しかったです。前半がラップ、歌モノは後半に集めていた印象があるんですけど、アルバムの曲順はどんな風に決めましたか? 


k:あらかた自分の頭の中で流れは作ってましたね。自分で“激しいゾーン”とか“静観ゾーン”っていうのは意識するんですけど、今回は新しく“踊れるゾーン”を作りました。テクノ、ハウスに影響を受けてる部分ですね。ライヴに来てくれるお客さんは、モッシュしてくれるし、静かな曲のときは聴き入って楽しんでくれてる感じなんですが、自由に踊ってる人は少ないなって思ったんです。


T:確かに、ヒップホップのライヴって足をとめて見入っちゃう人が多いかもしれないですね。


k:ヒップホップの現場だと超少ないって感じます。俺らは調子よくなったら踊っちゃうんですが、同じような感覚の人は少数で、そう言う人たちに対して恥ずかしがらずに好きなように踊ってほしいなという意味も込めてます。


T:ライヴを意識した構成もありきで、アルバムの曲順にもさまざまな“ゾーン”を作ってるんですね。そもそも、歌を取り入れたきっかけはなんですか? 


k:『DIMENSION』で初めて歌っぽい感じをやってみたんですけど、表現の幅ですかね。ラップだけだと攻撃的になっちゃう節があるので、それ以外のものを表現したいとなると、歌うって選択肢しかなくて。自分でうまいって思ってるわけじゃないんですけど。


T:ちょっと待ってください(笑)。オートチューンがあるとはいえ、誰でも歌えるものではないと思うんですよ。何度も言いますけど、めちゃくちゃ声いいですよ。


k:ほんとっすか? (笑)


T:声の震わせ方とか、ニュアンスの入れ方とか。めちゃくちゃ僕好きです。Chakiさんはなんて言ってます? 


k :さあ歌うぞ! って感じではなく、トラックもらってなんとなく歌ってみたら「あ、意外とイケんじゃん」みたいな感じで言ってくれました(笑)。世に出ているのはミックスもちゃんとして仕上がったものを聴いてもらっているので綺麗になってますけど、現場は爆笑の渦みたいなときもたまにありますね(笑)。


T:でも『DIMENSION』の時より『DISTORTION』ではさらに歌の表現にも磨きがかかって、パワーアップしているなっていうのを感じましたよ。声の表情が多彩になった印象を受けました。まあ、そんなこと言われても困りますよね、本人はね(笑)。


k :いや嬉しいっす。


T:歌ということで言うと、今回、小袋成彬さんや野田洋次郎さんといったボーカリストをフィーチャーしてるのも大きなポイントだと思うんですが、そういったボーカリストとはどういった経緯で楽曲をやることになったんですか? 


k :「Anybody..」に参加してくれた小袋くんは、Daichi Yamamotoとの「Give Me Your Something」、5lackさんとの「Fuck U Tokio I Love U! 」の2曲をプロデュースしてくれたDISK NAGATAKIが紹介してくれました。小袋くんがロンドンへ行く前にクラブでお会いする機会があって、彼も自分の曲を知ってくれていたんです。


T:「追憶」に参加している野田洋次郎さんとはどんな感じだったんですか? 


k :友達の勧めで中学の頃めちゃくちゃRADWINPS聴くようになって、俺の青春の象徴だったんです。前作の『DIMENSION』を出して、渋谷界隈でライヴするようになり、ある時ステージから後ろの方見たら「アレ? 野田洋次郎じゃん? 」って感じで洋次郎くんがいて(笑)。


T:それ、めちゃくちゃアガりません? 


k:ブチアガったっす。人づてに紹介してもらってそこからライヴもちょくちょく見に来てくれて。仲良くなっていく中で自然な流れで曲を作ろうってことになりました。スゲーいい人生だなあって思いましたね。未だに信じられないですもん。あらためて、「夢、叶うんだ」って。


T:自分の作ってる音楽を色んな人に好きになってもらうってめちゃくちゃ嬉しいことだけど、さらに自分が好きなアーティストに自分の曲を好きになってもらうってまた別の喜びですよね。


k:『DIMENSION』で5lackさんと曲をやったこともそうですけど、5lackさんと洋次郎くんからの影響は、直接的でなくとも絶対俺の中にあると思っていて。表現の端々に散らばっているというか。俺が受けてきた影響やバイヴスを感じ取って新しいものを作っているってことに気づいてくれているように感じましたね。



T:絶対何かありますよね。汲み取ってもらえてるというか。アルバムに参加したプロデューサーについても聞かせてください。作品全体に携わるChaki Zulu、そしてLAのKenny Beats、tokyovitaminのDISK NAGATAKIなど、他にも多くのプロデューサーが参加しています。Chakiさん以外のプロデューサーをお招きするときはどういう風に決めているんですか? 


k:まず最初の段階で、いろんなプロデューサーからもらったビートで制作をして、軸を作ります。そこから、これはChakiさんにしかできないな、とか足りないものをChakiさんにお願いするスタイルですね。


T:Kenny Beatsとはどのようにして繋がったんですか? 


k:VERDYくんですね。Kenny Beatsが日本に来てたときVERDYくんと一緒に俺のライヴを観に来てくれたらしいんです。「そう言えば、KennyがkZmのライヴ観てヤバイから曲やりたいって言ってたよ」って教えてくれて。ブチアガって、オファーしたら快諾してくれました。


T:実際にKenny Beatsのスタジオで作ったときはどうでしたか? 心境の変化とかありました? 


k:俺もKennyとやるならしっかり作りたいと思ってたんで、行く前に「ビートを投げてくれ」って言ったら、「そういうのはやってない」って言われて。うおお、アメリカ…って思いました(笑)。


T:あはは(笑)。セッションしないとダメってことですね。


k:そうです。スタジオ行ったら、Young ThugとかFutureの未発表のヤバイ曲を聴かされ、そのあとに「じゃあ、どんな感じがやりたい? 」って聞かれて、テイストを伝えたらほんと10分くらいでビートができあがって。


T:え、そんなに早くできるんですか!? 聴かせてよって言ったらダメだけど、スタジオ行ったらすぐできちゃうんですね(笑)。


k:いやほんと、はえーと思って。ビートはカッコ良かったんですけど、俺もベストを出さなきゃって意気込んでたら、煮詰まっちゃって。そしたらKennyに「kZm、アレ見ろ」って。部屋の中に、“Done Over Think Shit.”ってKennyの座右の銘みたいなものが書いてあったんです。


T:“考え過ぎるな”。


k:「このスタジオにはヤバイやつしか来ないんだ。日本人だろうが、お前がこのスタジオにいるってことはそういうことなんだ。ファーストインプレッションを信じろ」って言ってくれた瞬間にドバドバ出てきましたね。


T:ああ〜。


k :スタジオ行くとき、運転してたのが友達だったんですね。そしたら友達が思いっきり車線逆走しちゃって、死にかけたことを思い出して(笑)。


T:あー!分かります。車線、逆ですもんね。僕もやったことあるし。夜だと特に分かりづらいですよね。


k :真っ昼間でしたけどね(笑)。そのエピソードがあったおかげで、Kennyとの「GYAKUSOU」ができたんです。


T:「GYAKUSOU」ってそういうことなんですね(笑)。



k:あと、tokyovitaminのDISK NAGATAKIの存在は今回のアルバムにおいてすごくデカかったです。テクノやハウスの入り口を作ってくれたのも彼ですし。人柄的にも。DISKはChakiさん以外の日本のプロデューサーで一番信用して仕事できる人かもしれないですね。


T:tokyovitaminの人たちってみんなすごくフレンドリーだし、楽しんでやっていて魅力的ですけど、kZmさんも繋がっているっていうのがまた素敵だなと思いますね。そんなアーティストやプロデューサーとともに、素晴らしいアルバムを作ったわけですが、本来なら今頃ライヴへ向けて動き出しているハズでしたよね。ライヴをやる以外の表現の仕方を考えていると言ってましたが、アイデアはあったりするんですか? 


k:考えていきたい、って感じですね。やっぱり結局、ライヴって生が一番じゃないですか。なのでそれを念頭には置きつつ、どこまでこういう状況が続くかわからない中、リモートでどんな表現ができるんだろうって考えてます。


T:今、エンターテイメント全体が変化に対応することを求められているのかなと思います。リアルなライヴ、『DISTORTION』ツアーやりたいですよね? 


k:どうなっても、必ずやりたいですね。秋にはもう、限界ですね(笑)。こんなにライヴしないのはキャリア始まって以来初めてかもしれないです。


T:アルバム出したらライヴにまわるっていうのは僕らのライフスタイルでしたもんね。ライヴが終わったら、じゃあ次行こうかっていう。


k:やっぱり、それで気持ちも切り替わるっていう感じでしたからね。今はなかなか切り替えられなくて、ひたすらインプットしてます。


T:そんな中で今後のイメージというか予定、あったりしますか? 


k:ライヴができない、時間はある、となったら制作するしかないと思ってます。もうちょっとしたらやり始めてみようかなって。イメージはあるんで。もしかしたら勘のイイ人は次のアルバムタイトルも、分かるんじゃないかなって思ってるんですけど。


T:最後にblock.fmのリスナーとkZmさんのファンの皆さんにメッセージをお願いします。


k:こんな状況で、みんな同じ気持ちだとは思うんですけど。逆に考えたらこんなにリラックスした日々を送れる時間ってなかなかないし、長い時間外に出て遊べてない分、自由になったときはとんでもなく気持ちが良いはずなんですよ。不満もあると思うけど、人のアラ探しするようなメンタルになっていくより、ポジティヴなことを糧に生きてった方が有意義なのかなって俺は思います。だからみんなで頑張りましょう。


T:みんな不満は持ってるだろうし、もっとこうしてほしい、って求めるものはもちろんある。けれどその一方で、生活の中にポジティヴなことを見つけるという視点もまた大切ですよね。またぜひスタジオで顔を合わせてお話しましょうね。


k:はい。今日もお話がいっぱいできて良かったです。



インタビューのアーカイブ視聴はこちらから。

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【リリース情報】




kZm 2nd Album『DISTORTION』

2020年4月22日(水)CD & Digital Release

BPMT-1019 / ¥2,500 + tax

01. Intro - Distortion - (Prod. Chaki Zulu)

02. Star Fish (Prod. Chaki Zulu)

03. GYAKUSOU (Prod. Kenny Beats)

04. 27CLUB feat. LEX (Prod. SIL V3 R 100 & Chaki Zulu)

05. JOZAI (Prod. Haaga)

06. Anybody.. feat. 小袋成彬 (Prod. Chaki Zulu & 小袋成彬)

07. Skit

08. バグり feat. MonyHorse (Prod. Chaki Zulu)

09. G.O.A.T (Prod. Chaki Zulu)

10. Give Me Your Something feat. Daichi Yamamoto (Prod. DISK NAGATAKI & Chaki Zulu)

11. Fuck U Tokio I Love U! feat. 5lack (Prod. DISK NAGATAKI & Chaki Zulu)

12. 追憶 feat. Yojiro Noda (Prod. Chaki Zulu)

13. Half Me Half U (Prod. RRAREBEAR)

14. Yuki Nakajo (Prod. VaVa)

15. 鏡花水月 (Prod. U-Lee)

16. But She Cries Remix feat. BIM (Prod. Chaki Zulu)

17. TEENAGE VIBE feat. Tohji (Prod. Chaki Zulu)


ダウンロード / ストリーミング / CD購入はこちら:

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Written by Tomohisa Mochizuki




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