Kraftwerkが20年におよぶ”2秒間のサンプリング”訴訟に勝訴、一方で新たなサンプリングに関する懸念も

「Metal on Metal」からの2秒間のサンプリングに関する裁判は1999年に開始されていた。
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2019.07.31 10:00

今年4月に来日公演を行なっていたエレクトロニックミュージックのパイオニア、Kraftwerkがかねてから裁判を行なっていたサンプリング問題に勝訴したことが報じられた。



20年におよぶ無断で2秒間サンプリング問題がついに決着  


裁判では、ドイツ人ラッパーのSabrina Setlurが1997年にリリースした「Nur mir」という曲で、プロデュースを手がけたMoses PelhamとMartin Haasが1977年にリリースされた『ヨーロッパ特急』収録曲「Metal on Metal(Metall auf Metall)」を無断で2秒間サンプリングしたことについて争われていた。  


裁判は1999年にKraftwerk側の訴えによってスタート。その後、20年間の間、継続されていたが、今回、欧州司法裁判所は、オリジナルの音源を制作した側の承諾なしではどのような場合においても、既存の音源をサンプリングすることはできないとKraftwerk側の主張を認める判決を下した。一方で、オリジナル音源が耳で判別できないほど加工され、変容しているものについては、複製とはみなされず承認なしで使用できるという判決も下している。



問題になった2秒間のサンプリングは「Metal on Metal」からのブレイクビーツ部分で、「Nur mir」では再生直後から、 原曲では38秒ごろから聴くことができる。



”耳で判別できない”という条件に対する懸念も 


裁判結果により認められた”オリジナルとは認識できないほどに加工されたサンプル”の承諾なしでの使用は、”耳で判別できない”という条件がつけられているが、その定義はまだヨーロッパでも明確化されいない。そのため専門家はこの条件について、リミックスカルチャーに萎縮効果を与える可能性があると発言している。今後のサンプリングクリアランス問題に大きな影響を与える裁判結果になったことは間違いないだろう。 


written by Jun Fukunaga 


source: 

https://www.factmag.com/2019/07/30/kraftwerk-sample-lawsuit-metall-auf-metall-verdict/

https://www.whosampled.com/sample/76596/Sabrina-Setlur-Nur-Mir-Kraftwerk-Metal-on-Metal/


photo: Raph_PH



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