プロデューサーKMがシングル「i (feat. Taeyoung Boy)」をリリース。ショートインタビュー掲載

KMが、2年振りとなる自身名義のシングル「i (feat. Taeyoung Boy)」をリリースした。本人によるコメント&制作についてのインタビューを掲載。
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2020.05.13 09:30

プロデューサーKMがアルバム『Fortune Grand』以来2年ぶりとなる自身名義のシングル「i」を5月13日(水)にリリースした。




「怒り」や「不安」を解き放つカタルシス。KMがTaeyoung Boyとのシングル「i feat. Taeyoung Boy」をリリース


ヒップホップをベースにジャンルを問わず、多様な音楽性を作品に取り込んでアイデンティティを確立している音楽プロデューサーKM(ケイエム)が、COVID-19が世界的流行となる不穏な空気のなかTaeyoung Boyをフィーチャーしたシングル「i (feat. Taeyoung Boy)」をリリースした。


最近では(sic)boyとのEP『(sic)'s sense』や田我流とのEP『More Wave』など幅広いラッパーとコラボ作品を手がけているKMが、2018年に発表した『Fortune Grand』以来の自身名義の楽曲となる。客演に迎えたのは『Fortune Grand』で共作して以来、プロデュースを何度も手がけシンクロ率の高いTaeyoung Boy。世間の評価や流行など見えない圧が重くのしかかる世の中で、自分の音楽に没頭するKMとTaeyoung Boyによる確固たる独立した意志を凝縮した作品となっている。




LINEでミニインタビュー。Taeyoung Boyとの信頼関係、時を経てこその凄み


重厚なベースライン、ノイジーなサウンドに、壮大に展開していくエモーショナルなメロディ。本作は『Fortune Grand』をさらに拡張した、ヒップホッププロデューサー「KM」の本流を感じさせる楽曲だ。不穏な時代にSNSからもひしひしと伝わってくる「怒り」や「不安」といった感情。それらの感情と向き会い、音楽を通じて解放するカタルシスがトラックとラップ、その両面から感じられる。


今回KMと直接、リリースについてLINEでやりとりをさせてもらっていた。せっかくなので今回の楽曲について気になったことを聞いてみた。個人的なものではあるが本人承諾の元、ミニインタビューとして掲載させていただく。


—この楽曲を制作したのはいつ頃ですか? 


KM:実は、去年の秋くらいにはもう出来てたんです。


—リリックや楽曲の世界観的に、新型コロナの影響を受けての楽曲かと思ったのですが。


KM:出そうと思ったらコロナパニックになって、正直、リリースを諦めかけてたんですよね。でも、「何かに追われて価値を決める/壊れていくよなこの世界で」ってリリックが、全然違って聴こえて。今回Mary Joy Recordingsからリリースが実現しました。


—フラストレーションを爆発させるようなカタルシスを感じる楽曲だったんですが、やっとリリースが実現したことも関係してますか? 


KM:そうですね。制作面のことを言うと、「壊れていくよなこの世界で」って部分をループさせて、こんな世界でも「オレらはやってやるぜ! 」っていう今思ってる気持ちを爆発させるようなエディットを施しました。


—前半は怒りや悲しみという感情がすごく伝わって来ました。でも後半は優しさ、というか救いも感じたんですがいかがでしょう? 


KM:優しいメロディーはいつも通りですけど、いっつもイライラしてるからそれを暴力的な808とか、アウトロのカオス感とかで表現出来たと思ってます。その慢性的なイライラが社会に対してなのか、自分に対してなのかはもう分かんないですけどね(笑)こういう感情って、実はみんな持っていると思うんで、それを提示したというか、表現した音楽になったと思います。


—曲を作る上で、社会情勢以外でインスパイアされたものはありますか? 


KM:Netflixで『エヴァ』を観たのは絶対影響されています(笑)。トラックはFlumeとかshlohmoから影響受けてます。Lo-FiにTrapスタイルをブレンドしたっていうか。(sic)boy路線とは別人格って感じですね。


—自身の名義では2年振りの楽曲にTaeyong Boyさんを客演した理由を教えて下さい。


KM:これフックが一回しかなくて、ずっと展開していくようなトラックになっています。そういうトラックってラッパーとの信頼関係が無いといい曲にならないし、スキルと集中力が無いとできないんですね。Taeyoungとは何度も作ってるし、『Fortune Grand』でTaeyoungとやった「Distance」を越えるものを作りたいと思っていました。そしてそれができるって分かっていたからです。


—ありがとうございます。また田我流さんの『Ride On Time』ツアーのときのように、山梨に来たら一緒に遊んでください。


KM:あのアフターで行った箱※は、居心地良かったです。またコロナと制作が落ち着いたら山梨で飲み散らかしますんで(笑)。


KM本人の談にもあるように、意図せず時間によって磨かれた凄み、タイミング的にも説得力を増した本作は、今だからこそ聴くにふさわしい1曲といえる。


※山梨・甲府のDJ バーjuju。音にこだわった名ベニューである。stillichimiyaの面々が自主企画でイベントを行ったり、かのSadar Baharが毎年必ず日本ツアーで回しにやってくるほど。





「i feat. Taeyoung Boy」はMVが近日中に公開される予定。


KMコメント:

「僕は本気で作品と向き合うと、自然と「不安」とか「怒り」がテーマになってしまいます。

それが社会に対してなのか、自分に対してなのかは分かりません。

メロディーはいつも通り優しいけれど、最後には、そういう皆が感じている行き場のない感情が涙になって、ガラスのように尖ってバラバラと降り注ぐイメージ。こんな世界になっても、皆の心に届いてくれたら嬉しいです」





▶「i feat. Taeyoung Boy」

Produced & Mixed by KM

リリース:2020年5月13日(水)

レーベル:Mary Joy Recordings

配信URL:https://kmmusicworks.lnk.to/i_single




▶KM

音楽プロデューサー。ヒップホップに根ざした音楽スタイルを保ちつつ、異ジャンルとの果敢なクロスオーバーを試みる制作姿勢が常に話題に。ANARCHY、SALU、BAD HOP、田我流、ECD、SKY-HI、Taeyoung Boy、Gottz、Kvi Baba、YDIZZY、WILY WNKA、VIGORMANなど、すでに数多くの楽曲やRemixワークを世に送り出している。

自身名義では「Lost (EP)」(2017)、「Fortune Grand (Album)」(2018)、田我流とのEP「More Wave」(2019)、(sic)boyとのEP「(sic)'s sense」(2020)をリリースしている。現在2nd Albumに向けて部屋篭り中。


Written by TOMYTOMIO



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