今からでもわかる! Kanye Westの物議を醸す発言集。一体何が起こっているのか?

哲学書執筆、新作アルバムリリース発表、トランプ支持から黒人奴隷制までTwitter再開後、独自の意見を発信しては物議を醸すKanye West。一体彼に何が起こっているのかに迫る。
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2018.05.14 04:30

一体彼はどこに向かうのか? 4月に突如、長らく更新がなかったTwitterを再開したKanye Westだが、それ以降、哲学書執筆、新作アルバムリリース発表、新曲公開、トランプ支持から黒人奴隷制にまでTwitterの投稿やインタビューが行われるたび、物議を醸す発言を連発。その展開される独特すぎる持論に現在、世界中が振り回されている印象を受ける。 


4月にTwitter再開 


まず、Kanye Westは4月にTwitterを再開後、そこでの投稿を使って哲学書執筆を発表。その後、6月1日に2016年にリリースした『The Life of Pablo』に続く待望の新作アルバムとKid Cudiとのコラボアルバムをその翌週にリリースすることを発表した。  


その後、人種差別的な政策が批判されることが多いトランプ大統領を支持するような発言を行なったことが取り沙汰されたり、続いて2曲の新曲を公開するものの、そのうちの1曲「Lift Yourself」は”釣り”目的の曲と言われており、もう1つのT.I.をフィーチャーした新曲「Ye vs. the People」では、一転して政治的な内容となり、そこでKanyeは、政治家出身でない民間人だったトランプ大統領が大統領選を勝ち抜いたことを引き合いに出しながら、自分も大統領になれる可能性が開かれたと主張。


さらにトランプ大統領関連では、そのスローガンである「Make America Great Again」という文字入りのキャップを被っていたことも波紋を呼んだ。




トランプ支持発言が生んだ音楽業界からの批判  


そんなKanye Westの天才が故の自由奔放な発言の数々は、ファンを熱狂させるものもあれば、失望させるものもあるという状況を生んでいる。その失望という点では、トランプ支持は同じ音楽業界で活躍するQuestlove、Frank Ocean、John Legendのような大物アーティストたちが、Kanye Westに対し、批判と失望の声を挙げている。


特にデビューアルバムの『Get Lifted』をKanye West創設レーベル「GOOD Music」からリリースし、その後のブレイクのきっかけをつかむなど彼とは浅からぬ縁があるJohn Legendは、黒人としてトランプ支持発言を撤回すべきではないかとプライベートで説得を試みていたことが、Kayne West本人がTwitterでテキストメッセージのそのやりとりを公開したことで明らかに。



そのメッセージでJohn Legendは、Kanye Westに対し、自分がどういう人物でどういった影響力を持っているかを考えるべきであり、Kanyeファンの多くは、人種差別的なトランプ大統領の政策がアメリカに住む有色人種たちに弊害をもたらすことを知っているため、裏切られたような気持ちになっていることや、そういったことがこれまでの音楽キャリアで作り上げた実績のうち、負の遺産になると、Kanye発言に対し、苦言を呈した。  


しかし、Kanye Westは、John Legendの忠告と考えを尊重しつつも、その忠告はファンや音楽キャリアを引き合いに出して、恐怖を煽ることで自分の発想を操作するようなことだと返答。またそれに対し、John Legendは、思考は自由であるべきだと前置きをしつつも、彼の発言と行動は何かしらの結果を生み出すものだからと再度、Kanye Westに自分の意見を物申している。


2人の意見は結局は平行線のままやりとりを終えることになったようだが、その後、Kanye WestはJohn Legendとの2ショット写真をTwitterで公開。2人の関係は険悪なものでなく、意見が合わないことに同意している間柄だということをアピールしている。




黒人奴隷制に関する発言が大炎上 


そして5月に入り、物議を呼んだ発言が、TMZが行なったインタビューでの黒人奴隷制に対する発言だ。Kayne Westは、このインタビューで、17~19世紀にかけて、アフリカからアメリカへと強制的に連行され、奴隷として売られたという事実に対し、400年も奴隷制が続いていたことを考えると、奴隷制度は黒人にとっては受け入れるべき選択肢の1つだったように思える」と発言。



しかし、その発言に対し、TMZスタッフのVan Lathanは猛然と反論。Kanye Westの言動には思慮深さや根拠が欠けていること、彼が天才的なアーティストとしてある種の特権階級的な生活を送ることができる一方で、多くの人々は現実社会に存在し、起こりうる様々な脅威に対処していかなければならないことなどを訴えた。


さらにKanye Westが言う、400年前の自らの選択のせいで、自分たちは社会的な差別に耐えていかなければならないこと、そしてその発言を行なった彼への失望感を口にしている。



この件について、Kanye Westはその場で謝罪したものの、インタビューは公開後、たちまち炎上。中にはKanye Westに、今すぐ奴隷制について書かれた『The Half Has Never Been Told』を渡して読ませる必要があるというような声もあがるほど、彼の奴隷制についての考え方は多くの人々にとっては理解しがたいものだった。



そういったことを受けてKanye Westは、アフリカにいた黒人たちが自らの意思で鎖に繋がれ、船に乗り、アメリカにきたわけではないことは理解していると発言。



さらに自分が言いたかったことは黒人がアメリカ社会における多数派になったにも関わらず、未だ精神的には奴隷根性のままだという点だとして黒人奴隷制に関する発言の釈明をTwitterに投稿した。  


だが、そういったKanye Westの発言に対して、ヒップホップシーンからは激しい反発の声が上がっており、有色人種に対する差別から不当な刑期を言い渡され、先月ようやく保釈されることになったMeek Millは、”RIP OLD KAYE”という文字入りのかつてのKanye Westの写真を公開し、批判。


またWill.i.amは、出演したテレビ番組で自身の祖先が奴隷だったことを明らかにし、Kanye Westの自由な発想自体は認めつつも、もし、それが無知によるものだったら、黒人コミュニティーにとっては害を与えるという意見も口にしている。



Snoop Doggは、自身のInstagramでKanye Westが白人になったという文言とともに画像編集ソフトで肌の色を白人に見えるように加工した画像を公開し、一連のKanye発言を批判。


そのほかにもTalib Kweli、French Montana、G HerboらがSNSで批判的な意見を主張しているが、中にはその発言は天才故のもので、常人には理解しがたいものだという擁護論を掲げるThe Gameのような人物も少なからずいる。 


また最近、デトロイトのラジオ局105.1 The Bounceで放送されているラジオ番組「The Morning Bounce」のホストが、Kanye Westの曲のエアプレイのボイコットを宣言するなど、黒人奴隷制に関する発言に対する波紋は広がり続けている。




YEEZYの今後 


このように先月から今月にかけて物議を醸す発言を続けるKanye Westだが、一連の発言は本業の音楽方面以外に彼がプロデュースするスポーツブランドのアディダスとのコラボコレクション「YEEZY」にも影響を与えており、Kanye Westの発言を受け、アディダスのCEOを務めるKasper Rorstedは、「明らかに当社では支持しない発言だ」と自らの意見を表明。


しかし、Bloombergによると、アディダス側はKanye Westと話し合いの場を設ける予定があるということを明らかにしつつも、彼が同社にとっては商品の販売戦略における重要人物だとの見方を示しているという。そのため、発言は先述のとおり、支持しないとするものの、契約解消の可能性は議論していないとのこと。  


なお、今月に入り、Kanye West自身は、TwitterでYEEZYの新作コレクション「YEEZY Season 7」のルックブック制作と思われる現場風景を公開している。




アルバム発売に関する炎上商法の一種なのか? 


現在、これらの発言の全ては、6月に発売が予定されているKanye Westのソロ新作アルバムやGOOD Music関連作の販売のためのマーケティング戦略や炎上商法の一種であり、Kanye Westはそのために物議を醸す発言を連発し、わざと世間を刺激している可能性もあるとBBCは指摘している。  


果たして、最近の発言に対する世間の批判的な反応の全てはKanye Westが想定しうる範囲の出来事なのだろうか? それともやり過ぎたと後悔することなのだろうか? 


先述のThe Gameの発言のようにそれに関してはKanye Westという不世出の天才にしか理解できないことなのかもしれないが、黒人奴隷制に関する発言は、現在の社会情勢からしても到底受け入れられるべきものではないだろう。


世界中の人々の興味関心をたった一言の発言で集めるような影響力を持つ人物だけに、少なくともそれが炎上商法の一種として意図的に行われたものでないことを願うばかりだ。

Written by Jun Fukunaga


source:

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-43970903

http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-43973090

https://www.highsnobiety.com/p/kanye-west-john-legend-twitter/

http://www.radioaustralia.net.au/international/2018-04-29/i-could-be-president-kanye-west-releases-new-song-defending-his-support-for-donald-trump/1752728

https://www.hotnewhiphop.com/meek-mill-to-old-kanye-we-miss-you-bro-news.49187.html

https://www.highsnobiety.com/p/snoop-dogg-kanye-west-photoshop/

https://edition.cnn.com/2018/05/03/entertainment/kanye-radio-boycott-begins-trnd/index.html

http://www.complex.com/music/2018/05/g-herbo-calls-kanye-west-traitor-following-slavery-comments

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-05-03/adidas-ceo-sticking-with-kanye-west-after-his-slavery-remarks

https://hypebeast.com/2018/5/kanye-west-yeezy-season-7-preview


photo: Jason Persse



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