Marshmelloのスタジオにも呼ばれた、今最も注目のトラッププロデューサーJunior Chefにインタビュー

「客をモッシュさせるほど影響のある音楽を作りたい」と語る注目のプロデューサーJunior Chefにインタビュー。バックグラウンドからMarshmelloとの関係、ソウルとアメリカの音楽シーンについて語ってもらった。
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2019.05.08 09:00
2015年アジアのヒップホップシーンを変えた、Keith Ape「It G Ma」。世界中でヒットし誰もが知るこのトラックのビートをプロデュースしたのがJunior Chef(ジュニア・シェフ)だ。


先日、EDC JAPAN 2019への出演も発表された彼だが、block.fmでは来日前にインタビューを行った。トラップを作り始めたきっかけ、Marshmelloとのセッション、ソウルの音楽シーンなど語ってもらった。


ーまずは、あなたのバックグラウンドを教えてください。

Junior Chef(以下JC):ソウルの南にあるプンダンという都市で育ったんだ。教育熱心な場所だったから、中学から高校まで徹底的に勉強させられた。学生時代は勉強しかしてなかったよ。両親は貧乏とまでは言わないけど、それほど裕福でもなく。いい学校に行かせたかったみたいで、現地で一番の私立校に入学させられたんだ。クラスメイトの家庭はみんなお金持ちで、いい家に住んでたり、いい車を持ってて。そういう子たちが周りにいたからこそ、今トラップを中心に作ってるんだと思う。家族と頻繁に海外へ行ったり、留学してた子も多くて、そういう海外のカルチャーと接点があった子たちに海外の音楽を教えてもらったんだ。勉強は続けてたけど、数学の成績が悪くて留年した時があって。そこで、僕は普通の勉強には向いていないと思って料理学校に通い始めて、音楽を始める前にシェフになったんだ。

ーそこからJunior Chefという名前を決めたんですね。

JC:そう。20歳くらいの時は高級レストランで働いてたんだけど、働く環境は最悪だった。テレビで見るクッキングショーとは全然違って、なんで僕はこんなに苦しんでるだろうっていつもイライラしてた。その時期に、以前クラスメイトに紹介された洋楽にどんどんのめり込んでいって、アメリカのヒップホップも聴き始めたんだ。そしてラッパーのChief Keef(チーフ・キーフ)の音楽に出会った。彼の音楽は、すごくダークでアグレッシブで、高級レストランで働いていた時の気持ちを表現してくれているみたいで、すごくハマったんだよね。ハマりすぎて、どうやって同じようなビートが作れるかをYouTubeで調べて。パソコンがあれば作れるってわかったから、音楽制作を始めたんだ。

ー最近海外でスタジオに入ったり、アメリカのラッパーJ $tash(J・スタッシュ)の新曲もプロデュースしていますよね。海外と比較して、今の韓国の音楽シーンについてはどう思っていますか?

JC:一時期韓国のテレビドラマが世界中で流行っていて、そのおかげで韓国の音楽シーンも広がったとは思うんだけど、自分の音楽を聴いてもらうためには、テレビとどうにか繋がっていないとなかなか難しかったんだよね。今でも韓国の音楽シーンはほとんどアイドル業界に引っ張られているから、アイドル系の音楽じゃないと受け入れられにくかった。もちろん僕がプロデュースしてるようなヒップホップのシーンもあるけど、まだまだアイドルの世界だね。

ライブ環境の違いも大きいと思う。海外のライブに行くと、フロアがすごく盛り上がってモッシュピットがあったり、ヘビーメタルのライブのような盛り上がり方をするんだ。でもソウルだと、ほとんどの人は携帯を持ちながら見ている。音楽を聴いていると言うよりは、ただメインのアクトを撮りたがっているようにしか思えないよ。そのせいでオープニングアクトのDJやアーティストの音楽に対してはあまり反応してくれないし。海外のライブでは、オープニングアクトもとても重要な役割を果たしているのに、ソウルではそう感じない。Lil Yachty(リル・ヨッティ)やA$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)のようなラッパーのオープニングDJをしたけど、彼らが出演するまでぜんぜん盛り上がらなかったんだよ。同じショーとは思えなかったね。

だからすごくアメリカの音楽に憧れてる。韓国で育つ中で聴いてきた音楽との中間点を探して音楽をプロデュースしたいんだけど、それをみんなに納得してもらうのがちょっと難しいんだよね。


ーシェフ時代のフラストレーションからChief Keefにハマったことがビートを作り始めるキッカケだとおっしゃっていましたが、今の楽曲制作ではどんなことにインスパイアされていますか?

JC:最近は他のアーティストとコラボレーションすることにインスパイアされてるかな。一緒にスタジオに入ると、いろんなアイディアが出てくる。音楽学校にも通ってたんだけど、そのクラスメイトたちともよく会っていて、彼らと一緒に制作しているおかげですごく音楽の知識も広がったと思う。DJも再開して、お客さんがどんな曲にどういうリアクションをするかチェックしたりもする。だから、みんなのためにかけられる音楽も作りたいね。

ーインスタのプロフィールに「mello-gang」と書かれていますが、Marshmello(マシュメロ)とはどういった関係なんですか?

JC:一年半前くらいにMarshmelloが出演したイベントに僕も出演してて、楽屋で自己紹介したんだ。それで仲良くなってメールアドレスを教えてもらえたから、僕が作ったビートを頻繁に送っていたんだよね。その後LAに行った時に、彼のスタジオに招待されて一緒にセッションすることになった。しかもMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)が制作してたスタジオだったんだよ!5時間くらいスタジオに入って、ビートもいくつか作った。あの時のMarshmelloはEDMのトラックメイカーというイメージだったけど、実はちょうどヒップホップのビートを作り始めた時で。ヒップホップのビートを作るのにはAbletonを使うのが一番作りやすくて、「あのセッションから制作についてたくさん学んだよ!」と言ってもらえたんだ。代わりに、Marshmelloからは音楽業界についてのアドバイスをたくさんもらえたよ。

ーデビューアルバムを近々リリースするとSNSで発表していましたが、どんなアルバムになりそうですか? 

JC:「It G Ma」をプロデュースした時はアジアのトラップシーンに大きな影響を与えられたと思う。だからまたそういうトラックを作りたいなと思ってる。ショーでお客さんがエキサイトしてモッシュするようなトラックを目指してるよ。

Junior Chefは、Jay Parkも所属するレーベル「AOMG」より、東京の注目ラッパーYoung Cocoをフィーチャーする新曲「Tsugi」を本日リリース。


【来日情報】



EDC JAPAN 2019 開催概要

■日程: 2019年5月11日(土)・12日(日) 
■場所:ZOZOマリンスタジアム&幕張海浜公園EDC特設会場 
■時間:12時開場、12時開演予定
■主催:INSOMNIAC HOLDINGS,LLC、GMO Culture Incubation
■後援:外務省、観光庁、千葉県、千葉市

■出演アーティスト: AK-69 presents Stacked、Alison Wonderland、Andrew Rayel、Armin Van Buuren、Artbat、Awich × kZm & Special Massive Friends 、Baggi、banvox、Bontan、Born Dirty、DARUMA & JOMMY、Excision、Future、Goldfish、Jauz、Jay Park × Yultron、Josh Wink、Joyryde、JUNIOR CHEF、K?D、KEKKE、KSHMR、Major Lazer、Marcel Dettmann、 Masayoshi Iimori+TREKKIE TRAX 、Mars89、Mason Maynard、Melé 、Mija、 N.O.S.、Ookay、Paul van Dyk、Peggy Gou、Phantoms、RL Grime、SAKUMA、Skrillex、Tchami b2b Malaa、 Tiësto、TroyBoi、 YOSA & TAAR、Yukibeb、WAFF、Whethan  ※アルファベット順

■特設サイトURL: https://japan.electricdaisycarnival.com/

Written by Amy
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