Lil Uzi Vert「Just Wanna Rock」がヒット中!! ヒップホップに巻き起こるジャージー・クラブの流れ

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日本でも人気のラッパー、Lil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)が10月にリリースしたシングル「Just Wanna Rock」がアメリカのクラブやラジオで盛り上がりを見せている。12月1週目のビルボードチャートでは彼にとって2年ぶりとなるトップ10入りを果たすなど、代表曲となりつつある「Just Wanna Rock」で取り入れているのはジャージー・クラブというジャンルだ。
ジャージー・クラブから進化した新たなサウンド「ジャージー・ドリル」
ジャージー・クラブはその名の通りニューヨーク州の隣に位置するニュージャージー州で生まれたジャンル。BPMも速くヒップホップのメインストリームであるトラップともまた違うサウンドで、そのルーツはボルチモア・クラブにある。ここではボルチモア・クラブの詳細は割愛するが、2010年ごろよりニュージャージー以外の地域でも人気となり、Diplo(ディプロ)やSkrillex(スクリレックス)も取り入れるようになった。
そして今年再び注目を集めるようになったジャージー・クラブは2022年版の進化を遂げ、ジャージー・ドリルというサブジャンルも確立する。“ドリル”という名前が入っていることからも分かる通り、特徴的なベースラインに共通点のあるニューヨーク・ドリルから派生したものとイメージすればわかりやすいだろうか。ヌルッとしたニューヨーク・ドリルがBPM的には倍速になり、疾走感を増したジャージー・ドリルはポップ感もあり、より万人ウケするようにも感じる。
Jersey Clubを取り入れた日本人ラッパー
上で紹介したNLE Choppa(NLE・チョッパ)、彼の曲に参加している2Rare(ツーレア)もチェックして欲しいが、日本人ラッパーでもすでにジャージー・クラブを取り入れたアーティストがいるので紹介したい。まずblock. fmで放送中のKMによる「KM Beat Cypher」でも紹介されたkZmのニューアルバム『Pure 1000%』から「Jordan 11」。11月のリリースながら夏前には仕上がっていたという曲なのでLil Uzi Vertとほぼ同時期に制作していた可能性も。
もう1曲は地元の四国=4THCOASTを提唱し、レペゼンし続けるDisry。こちらはジャージー・クラブよりもジャージー・ドリルに近いスタイルで作られており、本人も「日本初!!」とコメントしているように、今後の国内での流れにも注目だ。
ジャージー・クラブ自体はヒップホップだけでなく、アニソンなどでもすでに取り入れられていたり、R&Bなどのリミックスも多数リリースされている。ディグってみればきっとあなた好みのジャージー・クラブが見つかるはずだ!!