ZEEBRAと☆Taku Takahashi、相次ぐ“自粛”に対する日米の差を語る

インターネットラジオを運営するblock.fmの☆Taku TakahashiとWREPのZEEBRAが、目指すメディアの形についてトーク。
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2019.05.07 08:00

block.fm MASSIVE WEEK『INSIDE OUT』にWREP局長のZEEBRAが登場! block.fm局長の☆Taku Takahashiとインターネットラジオの未来像や目指すゴールなどについて話していました。


トークの前半はこちらの記事をチェック。

ZEEBRAと☆Taku Takahashiが語る、インターネットラジオの未来と目指すメディアの形


「INSIDE OUT」

生配信:毎週月曜夜 22:00 - 23:00





ZEEBRA:ピエール瀧さんの時の話でね、すごくひとつ思ったのは、まず初めにその(ピエール瀧さんの)出演作品をOKにしたのは東映じゃない? 映画(『麻雀放浪記2020』)からなんだよ。音楽からじゃないんだよ。それはね、音楽やってる我々としてはすごく情けない。残念な。


渡辺志保:そうですね。軽んじられている気分にもなりますか?


ZEEBRA:そういう気がする。で、むしろあちらの方が「アート」なのかな?って思うし。俺らの方がもしかしたら「ビジネス」なのかな?って思うし。


☆Taku Takahashi:なるほどねー!


渡辺志保:私がちょっと見かけた記事では、「映画の方がたくさんの人が関わっているから」っていう風にも書いてあって。それもそうだけどさ……っていうね。


ZEEBRA:でも、別に音楽だってさ、それなりに人は関わってるわけだし。例えばそれにフィーチャリングされてる人だったりとか。エンジニアさんだってなんだって、みんな色んな人がやってるわけで。ちょっとね、そこは軽く見られるところがあるのかな?っていう気はしますよね。あと、他にダースレイダーたちと一緒に擁護に回っているっていうので俺が見たのは、ペンクラブ? 作家さんたちの会も、そういうのはありだと擁護してる。


電気グルーヴ出荷停止、撤回を 「作品は受け手の財産」

https://www.asahi.com/articles/ASM4H66YTM4HUCLV00K.html


☆Taku Takahashi:「自粛はなしにすべきだ」って?


ZEEBRA:自粛なし。だから、なんていうか作品とその作家の部分はやはり、もう少し切り離して考えるべきなんじゃないか?っていう風潮にはなってるかなと俺は思うのね。で、特に相手がいない問題。そこがやっぱりデカいんじゃない? たとえばほら、R.ケリーとかはさ、相手がいるから問題だってことになるし。だからそこの……。


☆Taku Takahashi:相手がケガをするとか……。


渡辺志保:被害者の立場になる方がいるかっていうことですよね。


☆Taku Takahashi:面白いのが、それぞれの国によって道徳の基準が違って。日本はそういうドラッグ……要は、禁止されているものに関してはめちゃめちゃ厳しい。で、アメリカはどっちかっていうと「エンタメならいいんじゃん?」っていう風潮が強い。「ああ、やっちゃったね。バカだね!」みたいに言われることはあるけど。あともうひとつ、逆に女性蔑視だったりとか、DVとか、幼児虐待、レイプとか。マイケル・ジャクソンも話題になったし、R.ケリーも。逆に日本はそっち、なんか甘くない?っていうような。


渡辺志保:そうなんですよね。超甘いんですよね。うん。ペドフィリア的なこととか。


ZEEBRA:それこそ、政治家の人たちとかね。「ええっ!」みたいなの、あるもんね。いっぱいね。


渡辺志保:本当に甘い! だからそれはやっぱりアメリカのメディア、特にエンタメ系のニュースとかを見ていて非常に思うところですね。


ZEEBRA:でも、たとえば俺、それに関しては本当に国それぞれで差があるなと思うのは、インドとかさらにすごいじゃない? 女性軽視、女性蔑視、ものすごいし。もうレイプも……だってバスの中でみんなでまわしちゃうみたいな事件があるわけでしょう? ひどい話じゃない、そんなの。だから、やっぱりその国それぞれの歴史とかによって、いる位置というのは少しずつ違うのかなと思うけど。でもこれだけ今ワールドスタンダードな世の中で、やっぱりどんどんどんどんそこに合わせていくことが俺は必要かなとは思うけどね。


渡辺志保:最近Netflixを見ていても、インドのそういう女の子ががんばる系のドキュメンタリーとか、すごい多いんですよ。インドの女性の性に対する価値観に迫ったドキュメンタリーだとか、あとは今年アカデミー賞の短編ドキュメンタリー映画賞を取ったのも、インドの女の子の生理のナプキンの話(『ピリオド-羽ばたく女性たち-』)だったりするので。やっぱりそういう活動が目に見えて今、世界に広まっているんだなっていうのは、ちょっと同じ女性としては嬉しく思うけれども。逆に翻って日本では……特に私もね、何ができているのだろうか? とかは思ってしまうところですけどね。


DJ YANATAKE:というところなんですけど、時間が意外となくて。バーッとしゃべってくれちゃったんで。1回、曲を聞いて。最後にこの話をしようっていうのを曲の間に決めて、最後のテーマに行ってみたいと思います。まずは1曲、ZEEBRAさんの曲をかけさせていただきたいんですが。こちら、どういった曲でしょうか?


ZEEBRA:こちら、もう「出す出す詐欺」と言われてます私の作品が全然出ない中で、企画物ではありますが「1人でやれ」ということで1人でやらさせていただいた楽曲があるので、そちらを聞いていただけたらと思います。レッドブルの企画だったんですけども。ZEEBRAで『64 Bars』。


ZEEBRA『64 Bars』


渡辺志保:今、お聞きいただきましたのはZEEBRA局長『64 Bars』。なんかドキドキしちゃいますね。ご本人の前で。というか、いま曲がかかってる間にもすごい興味深いお話をお二人がされててね、「ああーっ!」とか思いながら聞いていたんですけれども。本当に今日、あっという間。昼間の放送も夜の放送も1時間が2秒ぐらいの感覚で進んでいるんですけれども。色々とね、いま議論をしまして。じゃあ次、それぞれがどんなことを目指していらっしゃるのか? 近いゴール、もしくは長期的なゴールでもいいですけれども、そういう理想形があるとしたら。それで☆Takuさん、ZEEBRAさん、どういった形になりますでしょうか?


☆Taku Takahashi:どうですか? ZEEBRAさん?


ZEEBRA:俺はね、まあ本当にそれはゴールというか……もちろん局が大きくなるにこしたことはないですよ。それは。で、何て言うのかな? 本当の理想って言ったら、やっぱりメジャーのメディアと同じ肩を並べる状態が作れること。で、あわよくばそれを超えられたら最高だし。俺ね、これに関してはその昔からイメージしてるものとしては、例えば昔、アメリカに行った時に、「うわっ、MTVとか家で見れんるだ! ケーブルテレビってすごいね!」って子供の時に思ったでしょう?


で、それが日本にはその時はなかったじゃない? もう本当に民放の数少ないチャンネルしか見れなくて。羨ましいな!って。アメリカに行ったら、民放と同じくらいMTVだったり、そういうチャンネルがパワーを持ってる。すげえな!って思っていたの。で、ラジオ界でそこみたいなことに俺らはなりたいな、みたいなことですよね。


☆Taku Takahashi:うんうん。アメリカももともとはそういう民放チャンネルのみで。それでケーブルテレビっていうのが発明されました。そこから、そういうトランジションがあった。それで今、僕らのこういうネット放送局、ネットメディアって、言わばその民法の電波からテーブルに行ったかのように、今そういうメインストリームからインターネットに移る時代っていうのはちょっと似てるんじゃないかなって感じたりするんですよね。


渡辺志保:たしかに、たしかに。


ZEEBRA:当時は、アメリカの山奥の方は電波が届かなかったからケーブルテレビをひいたという。


☆Taku Takahashi:ああ、しょうがなかったから。


ZEEBRA:そう。しょうがなかったらしい。それによって普及したっていうのは聞いた。


渡辺志保:国土もあれだけ広いからね。


ZEEBRA:そうそう。だからまあね、その理由は何にせよ、そうやって新しいメディアが出来上がっていって、いい意味で我々はもちろん民放のところとかよりもお金とか全然ないですから(笑)。お金がないとできないようなことはなかなかいっぱいできませんけれども。だけども、我々のフットワークの軽さで、逆に大きなところが表現できないことがいっぱいできてるはずなので。そういうことはどんどんやっていきたいし、大きくなっていっても、それをやめないで済むような形で整えていきたい。やっぱりある程度はね、しょうがなくなってくることも出てくると思いますよ。だけれども、できるだけやっぱり「ストリートだったりアンダーグラウンドだったりっていうところから世界に向けて発信してる」って意識を無くさないようにしていきたいなと。それは思いますね。


渡辺志保:おっしゃる通り。☆Taku局長はいかがでしょうか?


☆Taku Takahashi:さっき、ZEEBRAさんはケーブルの話をしていて。そういうケーブルが大きくなったひとつの転機っていうのがHBO。いま、それこそ『ゲーム・オブ・スローンズ』をやっているところですよ。いま、世界でいちばん見られているドラマを作っている会社ですけど、当時HBOがやったのは、テレビで笑いが決められた時間でしか流れない。だったらそのお笑いライブをまるまる流しちゃおうとか、あとはスポーツで民放がやっていないスポーツを放送しましょうとか。そこでコアなファンたちが集まってきたんですよね。


で、共通するところやっぱり僕らが好きなものって、まあちょっと前よりは大きくなっているかもしれないけども、やっぱりニッチじゃないですか。特に日本だとニッチ。そのニッチでも面白いものを少しでも色んな人たちに聞いていってもらいたいし、それを成功させるためには、ジブさんが言っていたようにやっぱり大きくなりたいですよねって。マネタイズがちゃんとできる状況を作る。ニッチなものでもしっかりみんなでメイクノイズして、それでマネタイズできて。それで面白いものをどんどん作っていけるっていうような状況を僕らで、そして色んな人たちと一緒に、みんなで。ニッチ好きな人たちが集まって変えていけたらいいなっていうのが。


ZEEBRA:そうですね。そういう意味で行くとね、やっぱり本当にさっきの話じゃないけども。アーティストさんだけじゃなくて、ディレクターさんとか、そういう意味でのクリエイターの人たちがもっともっとね、入ってきてほしいなって思う。WREPも本当に数少ないディレクターで回しているけども。そこにそれがあと何人かいたら、またフレッシュなアイデアが、色んなことがいっぱい入れられるショーになっていくし。やっぱり、本当にこういう音楽とかカルチャーとかって、いちばんアップフロントに出てる人たちだけで作っているわけじゃないからね。


そこは本当に氷山の一角。見えてる部分だけで。それ以外のカルチャーっていうのはそれ以外……もうクラブの店員さんから、何から何まで。だってクラブのバーの店員さんがいい感じの店員さんかそうじゃないかで、絶対にお客さんの量も変わるわけだし。俺たちも行く、行かないが変わるわけだし。それで言ったら「アーティストがあそこにすごいいっぱい来てるよね。なんでだろう?」って思ったら、実はバーテンがいいやつだったからっていうのもあるわけだから。もう本当にいろんな意味でみんながこういうゲームに参加していって、盛り上げてくれたらいいなと思うんですよね。


☆Taku Takahashi:間違いないですね。





渡辺志保:ねえ。間違いないですね。ZEEBRAさん、もしここで……そろそろ番組も終盤なんですけども。告知をすることなどあれば。


ZEEBRA:告知ですね。告知……今ね、俺の問題はね、さっき携帯の電池が切れちゃって(笑)。全く見れない状態なんですけども。まあ、普段まだWREPを聞いたことない方はぜひぜひ、毎日俺は月曜から金曜日。お昼12時から1時間、いわゆるヒップホップ版笑っていいとも!をですね、やってますんで。それをぜひぜひチェックしてもらえたらなというのと、あとはDJ Bar & Lounge WREPっていうWREPがやってるクラブというか、ちっちゃめなバーがあのブリッジの下にあるんですけど。そちらの方も月に1回、第二金曜日。俺とDJ MAYUMIともう1人、DJ。ゲスト入れてやったりしてるんで、そちらの方もぜひという感じですかね。


渡辺志保:ありがとうございます。でも、ジブさんって本当に会いに行ける局長というか会いに行けるレジェンド感があるのがすごいなって思うんですけどもね(笑)。


ZEEBRA:いえいえ。でも、それは前からずっと俺、言ってるの。なんか、もちろんいざという時にもう全然、超入れないところにもいたりもするけれど。でもなんか常に街の兄貴みたいな存在でいたいなーっていうのはずっと思っているところですね。


渡辺志保:なるほど。というわけで本当にあっという間で『INSIDE OUT』ね、block.fmのMASSIVE WEEK記念放送回ということで。今日はblock.fm局長の☆Taku Takahashiさん、そしてWREP局長のZEEBRAさんをお迎えしてお届けしました。ありがとうございます。


☆Taku Takahashi:ありがとうございます。


ZEEBRA:光栄です。呼んでいただいて。


☆Taku Takahashi:こちらこそ、ありがとうございます。


ZEEBRA:また、いつでも。


☆Taku Takahashi:ぜひ。


ZEEBRA:またちょっと、普通の時にも呼んでください。


☆Taku Takahashi:もっと語り合いたいです。飲みながらとか。


渡辺志保:ねえ。本当に。


☆Taku Takahashi:そうですね。昔の話とかをするのは得意ですから。おじいちゃんだから(笑)。


渡辺志保:いやいや(笑)。でも、今日はあくまでもメディアを運営するお立場の☆Takuさんとジブさんということでお話をうかがいましたけども。もちろん、1リスナーとしては「あの時のあれって、どうだったんですか?」とか。そういう話も聞きたいから……。


ZEEBRA:ああ、もうなんでもいいですよ。


渡辺志保:ぜひぜひ、第二弾を計画していければなと。


ZEEBRA:ゴシップっぽい方もね、ぜひぜひ。乗っかっちゃいますよ。他では言えないことを言っちゃいますよ(笑)。


渡辺志保:フフフ、サービス、サービスみたいな。ありがとうございます(笑)。



番組情報

 「INSIDE OUT」

https://block.fm/radios/8

生配信:毎週月曜夜 22:00 - 23:00


ディレクターYANATAKEがお送りするblock.fmの人気ヒップホップ専門番組! 2015年7月より毎週放送! 渡辺志保とYANATAKEがナビゲーターを務めてお送りします。


written by みやーんZZ



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