インディーズアーティストの7割がメンタルヘルス問題に悩む。衝撃の調査結果が明らかに

最新の調査は約1500人のインディーズアーティストを対象に今年3月21日から4月2日までに行われたという。
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2019.05.09 09:00

最近ではSpotifyやSoundCloudなど音楽プラットフォームが、レコードレーベルと契約せずともアーティストが自分の音楽でマネタイズできるプランを開始しており、以前と比べて、インディーズアーティストの収益源の裾野が広がった印象を受ける。しかしながら、最近のそういったアーティストを対象にした調査の結果によると、彼らの多くはメンタルヘルス問題を抱えていることがわかった。



インディーズアーティストの73%がメンタルヘルス問題を抱えている 


スウェーデンのデジタルディストリビューション会社「Record Union」が行なった最新の調査によると、インディーズアーティストの73%がメンタルヘルス問題に悩まされているという。この調査は約1500人のインディーズアーティストを対象に今年3月21日から4月2日までに行われたもので、いかに多くのインディーズアーティストが音楽活動を行う上で精神的な不安を抱えているのかがよくわかる調査になっている。


失敗への恐怖や経済的な不安定さ、成功へのプレッシャーなどが問題を引き起こす要因に  


「73 Percent Report」というタイトルで発表された調査結果によると、彼らのうち約3/4にあたる人数が音楽活動という仕事対して、不安、プレッシャー、ストレス、鬱を感じているそうで、その理由は失敗への恐怖や経済的な不安定さ、成功へのプレッシャー、常人とは違った生活を送ることからくる孤独が彼らの精神疾患の原因になっているという。近年はインディーズアーティストに限らず、世界的な知名度を持つ有名アーティストでも音楽活動によるメンタルヘルス問題を理由に自ら命を絶つという不幸な選択を選ぶものもいる。そのメンタルヘルスを害してしまう理由は様々だが、抱える問題を引き起こす要因はメジャーアーティストもインディーズアーティストも大差はないだろう。 


ミュージシャンのように常人にはない才能をベースにした職業は、たしかに多くの一般人に比べ、一度成功すると多額の収入を得ることが可能だ。しかし、その成功を継続していくことは常人には考えられないストレスや孤独感も伴うことになる。またキャリアを成功に導くまではどうしても経済的に不安定だという面も否めない。



インディーズアーティストの収入源は増えたものの…  


現在は、以前に比べて音楽で収入を得る方法は増えたことは間違いないが、特にストリーミングサービスの収入は莫大な再生数を稼ぐことができないと微々たる額の収益しか得ることができない仕組みだ。そのため収入面では従来のCD販売の方が収益率が高いと発言するインディーズミュージシャンも決して少なくない。



一方で、インディーズミュージシャンの中には、SNSを駆使することでファンベースを拡大。それを背景に各種ストリーミングサービスの再生数を稼ぐことで知名度を上げ、マネタイズに成功したり、キャリアを形成しメジャーレーベルと契約する者も。またファンに対して行うグッズ販売も収入を支える大きな柱のひとつになっていることが多く、インディーズアーティストとして成功するには音楽の才能以外に結果を出すための戦略も重要になってくる。そのため調査結果のとおり、経済面はもちろんのこと活動継続のプレッシャー、ストレスなどメンタルヘルスを害する要因は多い。



音源のリリース、マネタイズ方法などインディーズアーティストの音楽活動は以前よりも確かに容易になり、裾野も広がったという印象を受ける。しかし、芸事で身を立てるということはやはり簡単なことではなく、彼らを取り巻く環境はまだまだ厳しいことがこの調査からわかる。それだけに問題を抱えている場合は、最悪の事態に陥らないために専門家に相談するなどメンタルヘルスケアにも常々気を使っていくべきだろう。  


なお、Record Unionではこの調査結果を受けて、ミュージシャンの精神病予防と支援を目的としたメンタルヘルス問題対策のプロジェクトに対し、3万ドル(約330万円)の寄付を行うと発表している。  


written by Jun Fukunaga 


source: https://www.factmag.com/2019/05/08/73-independent-musicians-mental-illness/


photo: Dejan Krsmanovic



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