ヒップホップに広がる新種ドラッグ「Molly」の影響で黒人のミレニアル世代のMDMA摂取が増加している:調査結果

セカンド・サマー・オブ・ラブ以来のブームになるのだろうか。ヒップホップアーティストによるMDMAの使用をほのめかすリリックに触発された、多くのアフロアメリカンがドラッグに手を染めているそう。
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2018.03.19 03:15

服用したものに興奮作用をもたらし、時には幻覚さえ見せてしまう危険なドラッグとして広く知られるMDMAが、今アメリカの黒人コミュニティの間でトレンドになりつつある。


Kanye WestやFrench Montanaらの影響が


その影響はどこから来ているのか? それは、"Molly"と呼ばれる、MDMAを砕いて細粒化したドラッグが流行ってきているようだ。なぜこのMollyの使用が彼らの間で横行しているのかというと、Kanye West(カニエ・ウエスト)やFrench Montana(フレンチ・モンタナ)らヒップホップMCが歌詞で表現する機会が増えてきたためだという。Mollyをパーティーの最中や、性的欲求を解放するために用いている、という趣旨の描写が彼らのリリックの中で散見される。






薬物の用途に関する人種間の違いについて調査報告している"The Journal of Ethnicity in Substance Abuse"によると、Mollyを使ったことのあるアフロアメリカンのうち、82%が彼らの音楽に影響を受けMollyを利用している、との結果が示されている。


このリサーチの参加者すべてが中毒者だというわけではない。大抵が、今をときめくラッパーたちと同じように楽しみたい、という衝動でMollyを一時的に体に取り入れているにすぎない。一歩間違えば死に至るリスクのある麻薬を、気軽に摂取しているのだ。


ヒップホップが麻薬撲滅に一役買うかも


南フロリダ大学の精神保健法に関する教授であり、このジャーナルの中心編集者のKhary Rigg氏によると、「ミレニアル世代の黒人コミュニティの習慣は、同じデモグラフィックであるアーティストが制作しているヒップホップミュージックに基づいている」そう。このことから、彼らの音楽が上記のような犯罪を抑止することもできる、と教授は語る。




レイヴパーティーと親和性の高かったMDMA


1980年代にレイヴカルチャーがイギリスで流行した際に、気分の高揚させる目的でMDMAが汎用された。Aphex Twin(エイフェックス・ツイン)らが代表的なアシッドハウスやテクノ、The Prodigy(ザ・プロディジー)のようなビッグ・ビートがパーティーでよく流れていた。これらのジャンルはいわゆる4/4拍子のリズムが主であり、一定したテンポでの動作を気持ちよく感じさせるMDMAの効果に最も適していた。




これまでのMDMAに関する調査でも、エレクトロダンスミュージックを主に聞いているヨーロッパに属する白人を対象に行われるものが多かった。今回の新しい調査結果で、いかにしてアフロアメリカンが麻薬に触れる機会を得ているのか、またヒップホップが善悪に関わらず、どれほど多大な影響を与えているのかがよくわかった。


だからといって、ヒップホップアーティストのリリシズムが制限されてしまうのは、この分野の発展に歯止めをかけてしまいかねない。


昨年、世界中でブラックミュージックがブレイクし、アメリカにおいては、ヒップホップとR&Bの売上がロックを初めて上回ったほど。もちろん、上記のような弊害は今後も続くだろうが、できればこの勢いのままに、彼らが躍進し続けるさまを見届けたいところだ。


参考元:

https://medicalxpress.com/news/2018-02-hip-hop-music-african-americans-molly.html

https://www.thefix.com/content/molly-hip-hop-new-it-drug91021

https://medicalxpress.com/news/2018-01-link-drugs-music-science.html#nRlv


Written by Kenji Takeda

Photo:Hypebeast



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