【レビュー】JP THE WAVY & RIRIによる名曲カバー、Skolor & Shurkn Papのトラップなど最新ヒップホップを聴く

懐かしさと新しさが同居した名曲カバーに、グローバルな感性を持ったアーティストたちの最新曲を紹介。
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2019.05.24 11:00

今回セレクトしたのは刺さる人には刺さる名曲のリバイバル、そしてグローバルな感性を持ったtokyovitaminのバイリンガルラッパー、Duke of Harajuku(デューク・オブ・ハラジュク)のEP、独自のネットワークとスキルで日本韓国を行き来するSkolor(スカラー)の新曲を紹介する。




SKOLOR/Star Trail(feat. Shurkn Pap):歌うようなラップと映像の世界観に引き込まれるエモトラップ




韓国と日本を拠点に活動するSKOLOR(スカラー)の新曲は、Shurkn Pap(シュリケン・パップ)とのコラボ。TYOSiN(トキオ・シン)、ACE COOL(エースクール)のリミックス版もイケイケだったSKOLORの楽曲「YOUTH」 を彷彿とさせる、ギターのリフが印象的なエモなトラックに、SKOLORとShurkn Papがメロディアスなラップを展開している。


ラップうまい人は歌がうまいっていうのは僕の勝手な持論で、なにをもって“うまい”とするかというのも人それぞれ捉え方はあるけれど、筆者の物差しでは2人のラップはまさにそれが当てはまるなあと思う次第。


Skolorは高い映像制作スキルを持ち、自分の映像にも自ら手を加える。今回もエフェクトやMVのVFXの大部分を手がけたとのこと。MV公開までタイムリー(リリースと同時に配信されるのことも珍しくない)かつコンスタントに新曲と映像をリリースするインディペンデントなヒップホップアーティストが日本でも増えてきている昨今、自らMVを作れてしまうのはかなりの強みではなかろうか。個人的にSKOLORのエフェクトとか映像の色は好み。


SKOLOR本人にDMで、コラボの経緯など聞いてみたところ、

「シュリケンくんとは去年夏ぐらいからから連絡をとっていて、MVは12月ぐらいにとりました」

とのこと。これからまだまだ撮りためてあるであろう楽曲やMVが今後公開されると思うと楽しみだ。


【iTunes】https://music.apple.com/jp/album/star-trail-feat-shurkn-pap/1463936334?i=1463936474

【Spotify】https://open.spotify.com/album/1Ev70ke2e5UkhYKfg4IojE?si=gZiTOLsPSECk58KK6WnqKw



JP THE WAVY&RIRI/Dilemma:いろんな感情が込み上げてくる、良質なリメイク作品



Marshmello来日公演のフロントアクトでも圧巻のパフォーマンスを披露し、小袋成彬プロデュース、KEIJUを迎え、今年のアネッサCM曲として話題となった「Summer Time」EPがリリースされ絶好調の歌姫RIRI(歌姫ってなんなんってツッコミはなしよ)。




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そんな彼女がJP THE WAVYと素晴らしいコラボ曲をドロップしてくれた。Nelly(ネリー)とKelly Roland(ケリーローランド)の2002年リリースの名ラヴソング「Dilemma」のカバーである。リアルタイムで青春令和してる人たちは、原曲自体知らないかもしれないが、ちょうどこの頃にヒップホップを聴き始めた筆者としてはぶっ刺さりまくり。


特に「Dilemma」は好きなコからのケータイ(もちろんガラケー)の着信音にしてたよ。まだ着うたとかじゃなくて、4和音とかでさ。オルゴールバージョンとかもあったりして。一生懸命、着メロ職人の板(WEB上の掲示板)に張り付いてダウンロードしていたのが懐かしい。筆者と近い世代のヒップホップファンなら、そんな思い出のひとつやふたつ、この曲にあるんじゃない? 



昭和おっさんの思い出話は置いておいて、USのヒットチューンの日本人カバーって、少しガッカリしてしまうようなこともかつてはあったけれど、こちらのカバーは原曲の雰囲気を継承しつつ、2人の魅力が存分に詰まってて最高。JP THE WAVYのチルなラップに、RIRIの芯のある力強い歌声が好対照。


トラックもリニューアルされてて、ぶっとい低音が特徴的なトラップ調に。ただのイロモノじゃなくて、歌、オケともにハイクオリティ。ビートメイクはZOT on the WAVE(ゾット・オン・ザ・ウェイヴ)とLil' Yukichi(リル・ユキチ)、プロデュースはDJ CHARI &TATSUKI(DJチャリ&タツキ)クラブ、ヒップホップカルチャーに精通した錚々たる面々がバックアップ。僕はこのリメイク好き。


この楽曲はユニバーサル・ミュージックによるHIPHOP/R&Bクラシックスを日本のアーティストがリメイクするという企画『ReVibe』によるもの。昨年は向井太一がBobby Brown(ボビー・ブラウン)の「Rock Wit’cha」をカバー。こちらの企画はまだまだ楽しみなラインナップが続きそう。


ところで、Nellyってどうなっちゃったの?映画「バッドボーイズ」シリーズの新作が出るからその時また登場してくれたら最高なんだけどな。


【iTunes】https://music.apple.com/jp/album/dilemma/1462124028?i=1462124033

【Spotify】https://open.spotify.com/track/6B0vefz8IsYUZ8zBNXhzeP?si=_X8dqwwgSwySWa_OGnL4qw




Duke of Harajuku/Duke of Harajuku EP:tokyovitaminからの刺客、原宿から世界を股にかける公爵の最新EP



image:Duke of Harajuku Spotify


直訳すると原宿公爵。Duke of Harajukuはグローバルに活躍するアート&ミュージックコレクティブtokyovitaminのラッパー、アトランタ出身、日本語と英語を駆使するANTARIUS(アンタリウス)の2つ名である。その名を冠した6曲入りのEPがリリース。どれか1曲というよりジャケも楽曲も好みだったので、EPまるごとピックアップしたい。


“リルデワールド”と称される世界観をDJで表現するLITTLE DEAD GIRL(リトル・デッド・ガール)をフィーチャーした「The One」は8bitサウンドが心地よく、ほんの数小節最後にラップしているリルデのラインにやられる。


Gokou Kuyt(ゴコウカイト)、Sleet mage(スリート・メイジ)、Tohji(トージ)といった気鋭の若手ラッパーとコラボを行い、頭角を顕すwho28(フートゥエンティエイト)を迎えた「Swing My Way」はパンクなギターのメロディが印象的。who28は5月24日(金)の夜にもGokou Kuytと新曲をリリースする予定なので、こちらもあわせて聴き逃さないようにしておこう。


「Light Speed Love」、「Art Gang Money」といったソロ曲は英語詞がほとんどだが、言葉が伝わらない、筆者のようなグローバルリテラシーの低い者が聴いてもカッコイイ。個人的には、映画『名探偵ピカチュウ』を観たばかりなので「Pikachu」がお気に入り。Duke of Harajakuがピカピカ言っているところもカワイイ。


EP中唯一の日本語タイトル曲「ドシャブリ」ではラップも日本語。バイリンガルならではのスキルを披露し、パンチライン満載でクールだ。“ドシャブリ”という言葉をセクシーに表現するDuke of Harajukuの感性が光っている。


全編、かねてよりANTARIUS名義のころから楽曲を手がけていたstar boy(スターボーイ)がプロデュース。star boy(スターボーイ)はYENTOWN(エンタウン)のPETZ(ペッツ)が2月にリリースした「BRO」にて、Chaki Zulu(チャキ・ズールー)とともにクレジットされていたのが記憶に新しい。Duke of Harajukuとstar boyのコンビ、かなり強力だ。


今後MVが公開されると予想されるが、tokyovitaminのクリエイターたちとのコラボや共演が観てみたい。彼らが定期的に開催するパーティもチェックだ。筆者はTシャツが欲しいので、会場で販売されるTシャツをゲットしたいと常々思っているが、地方民なので平日に足を運ぶことができず頭を抱えている。これこそジレンマ。


  

 

【iTunes】https://music.apple.com/jp/album/duke-of-harajuku-ep/1464116329

【Spotify】https://open.spotify.com/album/1SPjWhizXfdIxv5AwrUljK?si=JiaKTx8oTq6uZr0mF2y3yA


written by Tomohisa“Tomy”Mochizuki


photo:Skolor YouTube



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