クリエーター要注目。Googleによる未体験の音を作り出せるAIシンセとは?

AIが学習した音声データを使い、新たな音を作り出すNSynthとは?
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2017.05.17 11:45

Boiler RoomによるVRプログラムや、GollirazによるARアプリ、3Dで演奏学習ができるMR楽器など最新テクノロジーは音楽業界の発展にも多大な影響を与えているが、Googleが開発しているNSynthという人工知能(AI)による最新のプログラムもまた今後その発展にとってはなくてはならないものになりそうだ。


海外メディアWIREDによるとこのNSynthは、ニューラルネットワーク、機械学習を研究するプロジェクト「Google Brain」内の「Magenta」というアートと音楽に関するプロジェクトが開発した音声合成プログラムで、従来のシンセサイザーとは違い、オシレーターや波形を使い手作業で音声を作るのではなく、深層ニューラルネットワークを利用し、個別のサンプルレベルで音声を生成すること可能、またそれは、直感的に手作業でコントロールするシンセサイザーでは不可能な新しい音声を作り出すことができるという。


プログラムではバイオリン、グロッケン、フルートなど約1000個の楽器と30万個の音符、個々の楽器ごとのピッチやベロシティといったサンプルデータが使用され、それがニューラルネットワークに送られることでAIが楽器の可聴特性を学習し、その数学的な特性を使って音声が合成される。


また、合成された音声は2つの音を同時に出したようなものでなく、その中間のような音声になるとのことで、WIREDによるオーディオサンプルでは、NSynthで作り出した「ベースとフルート」、「オルガンとフルート」、「ベースとオルガン」といった楽器の組み合わせで合成された音声を確認することが可能。



今後、市場に出回れば、例えばサブベースとキックを合成してこれまでになかった分厚いキックを作り出したりと色々な組み合わせによるハイブリッドサウンドを生み出すことができるはずなので、音楽クリエーターにとっては、そのクリエイティビティを大いに刺激されるものになるのではないだろうか。


なお、NSynthは今週末アメリカで行われる音楽とテクノロジーの祭典「Moogfest」に出展されることになっており、そこでの反響にも注目が集まりそうだ。


参考:

https://www.wired.com/2017/05/google-uses-ai-create-1000s-new-musical-instruments/


Written by Jun FukunagaPhoto by Google Inc./Magenta

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