GOODMOODGOKUと荒井優作の『色』はこうして作られた

GOODMOODGOKUと荒井優作がコラボレーションして『色』をリリース
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2020.03.11 06:01

GOODMOODGOKUと荒井優作がコラボレーションして『色』をリリース


EP『色』は、GOODMOODGOKU(グッドムードゴク)と荒井優作がコラボレーションして2017年8月にリリースされた。2人はどのようなきっかけで出会い、コラボへと向かっていったのだろう。異なる場所にいた2人がEP『色』を作りあげるまでの経緯、音楽活動に対するそれぞれの考え、お互いをどう感じているのかについて見ていこう。



GOODMOODGOKUと荒井優作のプロフィール


それぞれのプロフィールを紹介していこう。GOKU GREEN改め、GOODMOODGOKUは北海道旭川市出身のヒップホップ・ミュージシャンだ。父親がDJだったこともあり子どもの頃から音楽を身近に感じながら育った。2012年16歳のときにファーストアルバム『HIGH SCHOOL』をリリース。それ以降もアルバム『Thrill Of Life』、EP『ACID&REEFER』を発表するなどの活動をしている。


2015年9月GOODMOODGOKUは、サードフル・アルバム『HOTEL MALIFORNIA』をリリースし、2017年8月に荒井優作とのコラボEP『色』をリリースした。その後はTAMTAMや3Houseとのコラボを発表し、2018年にソロ曲「Down」を発表、2019年3月29日に「Keep Going」をリリースし同時にMVも公開し積極的に音楽活動を展開している。


荒井優作は神奈川県平塚市出身のビートメイカー。1995年2月22日生まれ。ラッパーへのトラック提供、ファッションショーやインスタレーションの楽曲制作などを行い音響効果を自在に駆使した音楽活動をしている。「私的な知覚の痕跡」と評されるようなコンセプチュアルな作品も提供している。



2人の出会いからコラボレーションまで


GOODMOODGOKUと荒井優作の出会いのきっかけは2016年リリースのコンピレーション『T.R.E.A.M. presents~田中面舞踏会サウンドトラック~』に収録された「Roll Witchu」だった。この頃、GOODMOODGOKUはラッパーを辞めようと考えていたが「Roll Witchu」の荒井優作のビートを聴いて、絶対にこの曲をやりたいと感じたという。


一方、荒井優作もGOODMOODGOKUの作ったベースやビートは「低音の鳴りが半端ない」ところがあって魅力を感じたという。GOODMOODGOKUと荒井優作、双方が互いに相性の良さを感じて自然にコラボへとつながっていった。しかし『色』がリリースされるまでには紆余曲折もあった。GOODMOODGOKUが、荒井優作からパラデータをもらって音楽制作を続ける途中で互いに連絡が途絶えた時期などもあったという。音楽制作がスムーズに行かなかった頃、『色』のディレクターを務めた二宮が2人のあいだに入って何とか制作が続けられた。



最初のタイトル案は『Anti Social』だったがやがて『色』に変わった


GOODMOODGOKUと荒井優作のコラボEPは、当初は『Anti Social』というタイトルにする予定だった。『Anti Social』というタイトルはGOODMOODGOKUからの提案だったが、この言葉には決して相手を攻撃しようという意味ではなくて、既成のものではない何か新しいことをやろうという思いが込められていた。


しかし荒井優作はこれに疑問を感じたという。Anti Socialって何?という荒井優作とGOODMOODGOKUとのやりとりの繰り返しのなかから、『色』がタイトルとして出てくるが、これにも荒井優作は「スタイルという意味での色」であり、音を聴いて色をイメージすることはないと語っている。これに対してGOODMOODGOKUは『色』は最初はモノクロをイメージしていたという。ところがアルバムジャケットの写真を担当した細倉真弓やデザイン担当の坂脇慶によって『色』へのイメージは大きく変わっていったとGOODMOODGOKUは語っている。


これとは別に、荒井優作はビデオアーティストUMMMI.(石原海)から「GOODMOODGOKUの音楽が大好きだからぜひビデオを撮りたい」と言われる。そして、『色』のディレクターの二宮を経由してUMMMI.のHPがGOODMOODGOKUへ送られて、これを見たGOODMOODGOKUがOKを出し、『色』の収録曲「素敵で無敵なLady / Long Distance」のMVはUMMMI.が撮影することに決まった。GOODMOODGOKUと荒井優作、この2人につながるさまざまなアーティストたちが『色』の完成に関与している。



GOODMOODGOKUと荒井優作は音楽以外でも影響を受けてきた


GOODMOODGOKUはデビューしたての高校生の頃、ラッパーの意識が強く、他の人からの意見は全然聞かないでやっていたという。しかし荒井優作を見ていると、一度は聞いてみて嫌だと感じたら、そのときは捨てればいいと思うようになった。互いに個性も異なる2人であり、GOODMOODGOKUから見て荒井優作はルーツが違うと感じる場面がある。


たとえば遊びに行く場所も2人は全然異なるが、その分音楽作りだけでなく人間的な部分でも刺激を受けたり影響されることが多いという。同じ境遇の人たちといっしょにいることは楽だと感じることもあるが、そこにずっと留まっているのは違うと感じるとGOODMOODGOKUはいう。


GOODMOODGOKUの場合、音楽作りでも女の子からの影響は大きいのだという。女性は考え方が違うからどうしても大事なときに影響を受けてしまうとGOODMOODGOKUは語っている。またGOODMOODGOKUは、自分をおじいちゃん子だといっている。今は亡き祖父へのエモーショナルが抑えきれなくなる瞬間があるという。それでも音楽でエモーショナルな部分を過度に表現するのは好きではないという。


一方で、荒井優作が音楽作りでインスピレーションを得ているのは”空間”だという。荒井優作は空間や何かの形態から音をインスピレーションすると語っている。


『色』は、耽美的あるいはメロウな世界観があると評される。現在進行のヒップホップ、R&Bがラップと相まって心象風景が描かれているといった意見も聞かれる。『色』を聴いていると、1日24時間がまるで引き伸ばされているかのように感じられるという感想もある。しかしGOODMOODGOKUは、互いの異なる個性を感じながらも荒井優作とともに音と向き合うことで『色』は作り上げられたので、どんなジャンル、どんなアーティストなのかといった考えを持たず、とにかく『色』を聴いてほしいと語った。




written by 編集部


photo: https://www.youtube.com/watch?v=-XX8T5k15aA


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