日本の著作権法にはない「フェアユース」とは。許諾不要? 公正なら問題ナシ?

著作者の許可がなくても、条件を満たせば著作物を利用できるアメリカ特有のルール「フェアユース」とは?
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2018.01.08 08:00

海外のYouTuberが投稿する写真素材を使った解説動画。これらの画像の著作権は一体どうなっているのか気になったことはないだろうか? 


日本では、2016年に「キュレーションメディア」や「まとめサイト」が無許可でさまざまなサイトから画像やテキストを勝手に引っ張って記事に使っているコピペ問題が記憶に新しいだけに、日本人ライターやコンテンツクリエイターたちはもちろん、メディアウォッチしている人にとっても気になる点だ。 


フェアユースとは? 


例えば、何か特定の映画の素材を使ったパロディー動画を作るとしよう。日本で定められている現在の著作権法で考えると、オリジナルの著作者の許可なく使用すれば著作権法違反になる。しかしアメリカの場合、条件を満たした公正な利用であれば、著作権の侵害とは見なされない。それが「フェアユース」という考え方だ。


もちろん、TVや映画をそのままYouTubeにアップするという行為はもちろんNGだ。そのフッテージを使って何かオリジナルとは違ったものになっていれば、その場合は著作権の侵害とならず、著作権の公正な利用、つまりフェアユースとなる。それがアメリカでは著作権法107条で認められている。


そして「フェアユース」は、手当たり次第にオリジナルコンテンツの素材を無許可で使えるという類のものでなく、ルールは存在する。それは、「利用の目的および性質」、「著作権のある著作物の性質」、「著作権のある著作物全体との関連における利用された部分の量および実質性」、「著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する利用の影響」の4つの要項をクリアしていれば、仮に無許可で他人が持つ著作物を使って作ったパロディー動画でも著作権侵害とは認められない。



 

オリジナルとは違った変容的であることが重要  


「フェアユース」で特に重要視されるのが「利用の目的および性質」と「著作権のある著作物の潜在的市場または価値に対する利用の影響」の2つだ。


アメリカでは「フェアユース」と認められるには、教育目的や研究、解説、批評、ニュース報道などで、トランスフォーマティブ(変容的)であるかどうかが重要で、オリジナルの著作物にはない付加価値をつけたものに関しては、それが立証できる場合は無許可で利用可能となる。また非営利よりも認められる可能性は低くなるものの、同じく付加価値を立証できる場合は商用利用も可能だ。


さらに変容的であればあるほど別の作品となり、元の作品の市場を奪わないものだと認められれば、フェアユースとして成立するのだ。この点に関しては、すでにアメリカ国内ではパロディー動画は90年代に判例も出ている。



端的に言えば、著作権のあるものをリミックスしたもので、オリジナルの市場とはまた違ったところに向けたもので、かつオリジナルの利益を損なわないものであれば、著作者の許可なしに使用可能というのがフェアユースと言えるだろう。 


日本でも導入は検討されていた 


しかし、これは現状、あくまでアメリカの法律で日本ではまだ認められていないもの。弁護士.com Newsによれば、かつて日本でも「知的財産推進計画2009」での提案を受けて、文化庁が日本版フェアユースの導入を検討したことがあったそうだ。だが、権利者たちの反対する声が上がり、2012年の著作権法改正で実現した規定では、アメリカのものとは程遠い内容に終わってしまった。


だが、昨今のデジタルコンテンツの普及の影響から、アメリカのようなフェアユースの考え方を再び検討する動きが始まっているそうだ。 こういったフェアユースは日本でもベンチャー企業によるイノベーション促進に効果があるという見方もあるが、現状は文化庁の審議会には権利者団体の委員たちが半数近く占めているため、アメリカのような柔軟な対応は難しいと見られている。  


もちろん、無許可かつオリジナルをそのままコピーし利用するのは問題である。今後も進むデジタル化を考えれば、日本もアメリカ的なフェアユースを取り入れることを考えていくべきなのかもしれない。


ただ、オリジナルの権利を損なわないよう、クリエーター側の編集リテラシーと判断力の向上も求められる。また権利関係ビジネスを行う側との調整は必要不可欠だろう。フェアユースが導入されると、使用許諾に関する作業などは軽減されることになり、新しい創作物が生まれるまでのスピードが増すことは間違いないはず。今こそ日本での著作権の柔軟な取扱いについてもっと盛んに議論されるべきではないだろうか? 


参考: 

https://www.youtube.com/intl/ja/yt/about/copyright/fair-use/#yt-copyright-four-factors 

https://www.bengo4.com/internet/n_5685/

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B9 


Written by Jun Fukunaga 

Photo: Jorge Correavia flickr

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