90s Lo-fiヒップホップの定番サンプラーがスマホで!EMU SP-1200エミュレートアプリ「eSPi」ベータ版公開中

iOSだけでなくAndroid、WIndows、MacOSそしてLinux版まで!
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2020.03.10 03:00

Pete Rockや DJ Spinnaなどから J DillaにDiploまで、新旧問わず多くのプロデューサーに愛され、ヒップホップクラシックを多数産み出した名機中の名機サンプラー「E-MU SP-1200」。実機は高価すぎてとても手が出ないヴィンテージ機材として知られているが、フランスのLow Hiss SystemsがかねてよりYoutubeでデモを公開していたソフトウェアエミュレーション版、「eSPi」のベータ版を公開している。


SP-1200といえば最も気になるのはあの12ビット独特のザラザラした音質だろう。90年代サウンドはもちろん、その遺伝子を引き継ぐ昨今のBoom BapやLo-fi Hip Hopなどのサウンド面の原点ともいえる独特なサウンドが再現できるのか?まずはデモを聴いてほしい。



どうやら我々は誰もが自宅でSP-1200でビートを作れる時代に生まれてしまったようだ。





ビートメイカー憧れのSP-1200でピッチを落としたサウンド


ヒップホップ黄金時代と呼ばれる90年代を築いたサンプラーとしてAKAI MPCシリーズと双璧をなす人気を誇ったSP-1200だが、現在も生産の続くMPCに比べると入手も困難で、機材も扱いやすい機材とは言いづらい。にも関わらず多くのビートメイカーにとっては憧れの存在だ。その理由は紛れもなくSP-1200でしか得られないサウンドだろう。


90sサウンドが好きなクリエイターならこんな経験があるのではないだろうか。


エピソード1

ビートづくりには慣れてきた。でも90年代ヒップホップ特有のシャリっとした抜けのいいスネアやハイハット、ザラザラとしたウワネタの質感が再現できない。


エピソード2

「ヒップホップ ザラザラした音 作り方」でググり勉強。結果SP-1200の存在に行き着くも、中古市場では2020年3月現在80万円ほど。はい無理、、


エピソード3

サウンドの鍵は26.040 kHz, 12 bit という中途半端なスペックによるところでは!?とLo-Fi系プラグインでおなじ設定を試してみて「・・・・・違う・・」


エピソード4

SP-1200はサンプリングタイムが2.5秒と短いため、早めのピッチでサンプリングし、ピッチダウンしたらあの独特なざらついた質感になったことを知る。


そんなわけで、単純なスペックだけでなくピッチシフトのアルゴリズムの再現も重要なわけだが、その肝心のピッチダウンの音質を聞かせてくれる動画がこちら。



サウンドだけでなく細部も再現しつつ、アップデートも


EMU SP-1200らしいザラザラした音だけならエミュレーターを搭載したサンプラーもあるが、eSPiは音色だけでなくワークフローやUI、高い評価を得る内蔵フィルターのサウンドなども再現されている。


フィルターのサウンドに関するデモがこちら。



プレイバックエンジンだけでなく作業工程やエフェクトも近いので、より高い次元でサウンドを再現できるだろう。

このUIだけでテンションが上がるヒップホップファンは多いのではないだろうか。見た目でクリエイターのモチベーションを上げてくれるのは、機材の重要な役割だ。学校や会社の行き帰りに電車でスマホで毎日SP−1200に触れる日も近い。


MIDIにも対応しているので、ライブにも簡単に持ち込め、遠慮せずにガンガン叩けそう。

アップデートされている部分として、一番大きいのは多くのユーザーが頭を悩ませた2.5秒というサンプリングタイムの上限が撤廃されていること。現在のスマホやパソコンでは当たり前のスペックだが、晴れて長尺のSP-1200サウンドを堪能できる。この他にも自動での音階のアサインなどユニークな追加機能を予定しているようだ。





AndroidからLinuxまで含むマルチプラットフォーム


eSPiはiOSだけかと思いきや、Android、WIndows、MacOSそしてLinuxでも動作するマルチプラットフォーム展開の予定。LinuxやAndroid環境ではビートメイク用のアプリは少ないので、ユーザーにとっては喜ばしいニュース。まだリリース前だが、モバイルライセンスには「 Cloud save of sequences」という機能も搭載する予定のようで、スマホでフットワーク軽くビートを組んでいき、DAWでミキシング・マスタリングして楽曲に仕上げるシームレスなワークフローが想定できる。


フリーライセンスもダウンロード可能


Windows、MacOS、Linux版はすでに公開されており、Free版をダウンロードして利用できるので、購入前にサウンドのチェックはもちろん動作確認も含めて試すことができる。

注意点としては2020年3月10日時点ではスタンドアローンでのみの起動で、VST版は無いため他のDAW内で動かすことはできない。また、現時点ではパソコン版のライセンスのみで、モバイル版の登場はComming soonとのこと。

これらのアップデートや機能・エフェクトなどの追加も予定しているので、気になる方は同社サイトのメールリスト登録をしておこう。


現在はベータフェーズということで、「Beta Price」とされている価格だが通常€29.99のところ2020年3月15日までEarly Bird Priceとして€19.99が提示されている。価格から月額?と思いきや、買い切り価格のようだ。

ハードウェアでの再現版の発売の話もあるが、いきなりハードは価格や場所などハードルが高い・・と思っていた方でも手頃に気軽にSP-1200を試せる価格。


なお、同社YoutubeチャネルではKenny DopeやEvil DeeといったレジェンドたちがeSPiで戯れる様子も!こちらもこの時代のヒップホップ好きならアガる面々なのでチェックしておこう。




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written by Yui Tamura

Source:

https://low-hiss.com/

photo:

https://low-hiss.com/





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