海外のEDMパーティで「オピオイド」乱用が急増している。NYU研究チームによる調査結果

ニューヨーク大学(以下:NYU)の研究チームがEDMパーティにおけるオピオイド使用を調査、警告をしている。
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2018.04.10 10:00

NYUの研究チームがEDMパーティにおけるオピオイド使用率を調査。その結果、調査した内の10%が過去1年間でオピオイドを使用していたことがわかった。これはアメリカ全土の平均使用率4%の2倍以上の数字である。オピオイドの危険性とアメリカのオピオイド危機については別のblock.fmニュースを記事を参照してほしい。アメリカでは毎日約115人もの人がオピオイドの過剰摂取によって命を落としている。




EDMのパーティでオピオイドの使用が拡大している!?


オピオイド危機の拡大とともに、アメリカではオピオイドが身近なドラッグになりつつある。研究チームは今回の調査でニューヨークのパーティやフェス参加者の954人に聞き取り調査を実施。そのうちの10%が過去1年間で治療目的以外で処方オピオイドの“娯楽”利用をしたことがあると回答した。この数字を分析するとパーティ参加者の約4分の1がキメている計算になるというのだ。なるほど。フェスで4人以上のグループを見かけたら、そのうちの1人以上が必ずラリっているということか。ドラッグ使用の感覚がもはやスナック並である。


Photo:NYU Scholl Medicine Joseph Palamar

Photo by NYU School of Medicine Joseph J,Palamar



NYU医科大学准教授で人口と健康、薬物使用の研究者Joseph Palamar博士の発言


今回の調査はEDMパーティ人口におけるオピオイドの使用比率をあぶりだすことが目的である。「私たちは、エクスタシーやモリーのようなパーティドラッグの使用にあたって、EDMパーティー参加者が高いリスクを抱えていることは知っていました。その上で、EDMパーティ人口におけるオピオイド使用の程度を知りたいと考えたのです」とNYU医科大学准教授で人口と健康、薬物使用の研究者Joseph Palamar博士はいう。


EDMカルチャーが内包するいわゆる“四つ打ち”と呼ばれる音楽は、古くからパーティドラッグとの親和性が高いことが事実としてある。その旨はblock.fmの別記事にて紹介されているので併せて読んでみてほしい。レイブカルチャーの歴史とドラッグの関係性や昨今のヒップホップカルチャーとドラッグについても網羅できるのでオススメだ。



Photo by Guilherme Stecanella


もっとも乱用されているのがオキシコドン。コデインやリーンも


調査したなかで、いちばん多く使用されていたのがオキシコドンである。ヒップホップカルチャーとも縁深くその名を馳せるコデイン、コデインをジュースに混ぜるリーンなどの使用率も高いとのこと。いずれも陶酔作用があるアヘン、モルヒネ由来の鎮痛剤だ。調査した使用者はオピオイドの非経口摂取が多く、これは過剰摂取のリスクを招きやすいそう。さらに単体使用ではなく人が多く集まるパーティでは、他のドラッグと併用されて使われるので依存や“事故”につながるリスクはさらに高まるのだ。



Photo by Alexander Popov



オピオイドは“ドラッグ”ではない。過小評価に危機感


博士によれば、タバコの喫煙者やコカイン、アンフェタミンやメタンフェタミン利用者がオピオイドに手を出しやすい傾向にあるという。というのも、この辺りにを手を出しちゃってる人はエクスタシーを通ってきていることが割合として多いから。多くのドラッグ経験があるゆえに、オピオイドをエクスタシーと同じ感覚で“過小評価”していることに問題があると指摘する。「一般人はオピオイドに関するより良い教育が必要である」とDaily Mail Onlineに語っている。そもそもオピオイドは医療用合成麻薬であり、“ドラッグ”ではないのだ。今回の調査はアメリカがオピオイド危機を脱するに程遠いことを示す悲しい結果となった。




Photo by Yvette de Wit


自分で考えて、音楽を楽しもう


この時期は新たな環境に身を置くことが多く、フェスシーズンもやってくる。今回たまたまクローズアップされているのはEDMのパーティだが、他のジャンルであってもドラッグとの関連性は存在する。アーティストやアウトサイダーに影響され、ファッション感覚で安易にマネしようとするスプリングブレイカーズ諸君はくれぐれも気を付けてほしい。アーティストたちがクールなのはドラッグをキメているからではなく、自分たちのスタイルを貫いているからなのだ。と筆者は考える。それぞれの文化圏におけるエンターテイメント戦略のイメージを真に受けて、命を落とす必要などないのだ。それがいちばんダサい。肝に銘じつつ、イイ音楽を今年もたくさん楽しみたいと思う次第だ。(フジロック楽しみだなー )


参考:

http://www.dailymail.co.uk/health/article-5562933/Electronic-dance-music-partygoers-HIGHER-risk-opioid-use.html

https://med.nyu.edu/faculty/joseph-j-palamar

Written by TOMYMOCHIZUKI

Photo :Alexander Popov on Unsplash,NYU School of Medicine



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