マイケル・ジャクソンの楽曲がライブでも排除。自粛の対象は「サンプリング」にも拡大

ツアーでは定番のマイケル・ジャクソンがフィーチャリングされた「Don't Matter To Me」を今回のツアーではパフォーマンスせず。
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2019.03.17 23:00

カナダ、イギリス、ニュージーランドの大手ラジオ局がマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の曲をプレイリストから排除したニュースはすでにお伝えしたが、ミュートの波はアーティストにまで広がってきている。


全米ツアーを終え、次なるヨーロッパツアーを今月10日にスタートしたドレイク(Drake)。初日のイギリス公演では全米ツアーで定番となっていた「Don't Matter To Me」をセットリストから排除したようだ。「Don't Matter To Me」は大ヒットしたドレイクのアルバム『Scorpion』の中でも話題になった一曲で、マイケル・ジャクソンの未発表ボーカル音源を使用している。


明らかにドキュメンタリー映画『Leaving Neverland』の余波を受けての対処だと思われるが、ドレイク側は理由を明らかにしていない。




他界したアーティストを誰が裁けるのか


R・ケリー(R. Kelly)に対するミュート運動と大きく異なるのは、当のアーティストがすでに他界していることだろう。死人に口なしとはよく言ったもので、今更マイケル・ジャクソンを裁くことなど誰にもできるわけがない。彼の残した曲に対する反応はいまだ人それぞれだ。


過去にグラミー賞も獲得しているシンガーのインディア・アリー(India.Arie)は「R・ケリーとマイケル・ジャクソンの訴訟問題に関しては状況が違う」と話す。マイケル・ジャクソンと同じ時代を生きたスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)も「今はマイケルを1人にしてあげるべきだ」と話し、彼の残した素晴らしい曲とそこから受けるインスピレーションだけを心に留めたいとしている。


マイケル・ジャクソンの甥であるタジ・ジャクソン(Taj Jackson)は先日イギリスのテレビ番組に出演し、2005年のマイケル・ジャクソンの裁判についても言及。「当時、マイケル・ジャクソンの曲だけでなくジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)の曲すら排除され、その後無実となったんだ。一方的な見方しかされていないドキュメンタリー映画を理由に犯罪を決めつけるのは不公平だ」と不満を漏らしている。



サンプリングに罪はあるのか?


今回ドレイクがセットリストからマイケル・ジャクソンとの曲を排除した事は、今後マイケル・ジャクソンのボーカルを使用した、またはサンプリングした曲を持つ他のアーティストでも起こりうる事だろう。そのアーティストのライブに訪れる観客はそのアーティストのファンであり、マイケル・ジャクソンの熱狂的ファンというわけではない。観客の中に1人でも嫌な思いをする人がいるならば、排除すべきという意見も出てきて当然だ。今後もアーティスト達の対応が求められるかもしれない。


しかし、”容疑”の段階で曲に対して排除するなどといった行為はいささか早すぎるのではと考える。日本でも先日逮捕されたピエール瀧の影響でコンプライアンス問題について議論が繰り返されているが、残された曲に罪はあるのだろうか。たとえ歌っているアーティストが犯罪者となっても、その曲に携わった人間は歌っているアーティストだけではない。そして何より、その曲を聴いてきたリスナー達の記憶や思い入れにはなんの罪もないだろう。好きな曲を好きな時に聴く。リスナーの自由は奪われてはならないはずだ。


『Leaving Neverland』の影響による一連の報道には、マイケル・ジャクソン側からの意見が早い段階で求められるだろう。



written by BsideNews


source:

https://www.tmz.com/2019/03/11/drake-drops-michael-jackson-song-uk-tour-set-list-leaving-neverland/

https://genius.com/a/michael-jackson-s-vocals-on-drake-s-don-t-matter-to-me-are-from-a-1983-recording-session-with-paul-anka


photo: instagram


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