年末年始に観たい! 2022年公開のアーティストドキュメンタリー作品

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一年の中でもゆっくりと自分の時間が取れるこの時期だからこそ観ておきたい映像もある。Netflixなどの普及によって毎年多くのドキュメンタリー作品が公開されているため、2022年公開の作品も見逃さないように!!
等身大のまま成功を収めたラッパー、Lil Babyの半生|『Untrapped: The Story of Lil Baby』(Amazon Prime Video)
8月に公開されたLil Baby(リル・ベイビー)のドキュメンタリー。Lil Babyはもともとの人気に加えてBlack Lives Matterに関連する楽曲「The Bigger Picture」を2020年にリリースし、MVではデモの様子や実際のニュース映像などを使用したことで、より広く知られるラッパーとなった。
ドキュメンタリーはアトランタで生まれたLil Babyが貧困を抜け出すためドラッグディールに手を染め、ラッパーを夢見てはいなかった珍しいタイプの彼が“等身大”のまま成功を収めているストーリーが収録されている。特にキャリア初期はメディア対応などが苦手で、それでも各方面から早い段階で高い評価を受けていた。などの裏話も盛り込まれており、興味深い。
ドキュメンタリー公開後も甘んじることなく“等身大”のまま活躍を続けるLil Baby。今年リリースされたニューアルバム『It’s Only Me』とあわせてチェックして欲しい作品だ。
ラテン系コミュニティを代表して声を上げるJ. Loに魅了| 『Jennifer Lopez: Halftime』(Netflix)
2023年にはRihanna(リアーナ)の出演が決定していることでも話題のNFLスーパーボウルのハーフタイム・ショー。Jennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)がShakira(シャキーラ)とダブルヘッドライナーとして出演した2020年のハーフタイム・ショーにまつわるこの作品は、ラテン系女性アーティストである二人が自分たちのコミュニティを代表して声を上げる、そんな裏側をより一層知ることのできる作品。ちょうどトランプ政権下のアメリカで行われたことも影響していることと思う。
通常ヘッドライナーは1人なので、パフォーマンス時間が短くなったことに対する怒りや不満をあらわにしているが、2人は限られた時間の中で息のあったステージングを披露し、Jennifer Lopezの娘が「Born In The U.S.A.」を歌う場面など、世代を越えて人種的政治的メッセージを打ち出した素晴らしいパフォーマンスだ。派手な側面ばかりが目に映るJennifer Lopezだが、ブロンクス時代の恵まれない環境を経て、今の彼女が成り立っていることも思い出させてくれる。
良くも悪くも常に世間を賑わせるKanye Westの遍歴|『jeen-yuhs: A Kanye Trilogy』(Netflix)
今年も最後までKanye West(カニエ・ウエスト)はニュースの中心にいた。10月には反ユダヤ的な発言、白人至上主義者を思わせる行動など多くの問題を起こし、音楽業界だけでなくファッション業界からも干されつつあるKanye West。このドキュメンタリーが公開された2月には、こんな年末を迎えるとは予想できなかっただろう。
三部作で構成されたこの作品は、1部2部ではデビューに向けた若かかりしKanye Westの姿、Jay-Zやレーベルとの関係性などミュージシャンとしての彼のキャリアが秘蔵映像とともに描かれており、非常に興味深かった。しかし3部では昨今のイメージの悪い、悪くなっていくKanye Westをメインとし、本人も周りも環境が変わる中で困惑している様子が見て取れる。監督の1人であるクーディもまたブレイクし、スーパーセレブ、Kanye West的には“神”になった親友に対してコメントしており、昔を知る人物だからこその切ないエピソードが描かれている。
2023年もアーティストに関する多くのドキュメンタリーが制作されることだろう。楽曲を聴くだけでなく、映像としてみることでより深く知ることができるので、好きなアーティストでなくてもオススメ。個人的にはSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)の作品が早く観たいな。