DisclosureがPrinceの未公開曲を使用したブートエディットの制作工程を無料公開

数時間にわたりノーカットで制作過程や使用機材を紹介。
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2020.08.20 03:00

3枚目となるアルバム『ENERGY』を2020年8月28日リリースする兄弟デュオ、DisclosureがTwitchの配信で自身のトラック制作の様子などをノーカット公開。


現在進行形の人気クリエイターが自身の制作風景をノーカットで、しかも無料で見せてくれるということで、Disclosureファンはもちろん、全ビートメイカー、 DTMerは必修科目として視聴しよう。


制作に関する動画はいくつかあるが、当記事ではその中でも興味深かった、Princeの未公開曲を使用したブートエディットの動画で使用された機材や作業工程を紹介する。


該当の動画はこちら。ちなみに前半がPrinceのエディット、後半はKhalid - Talk (Disclosure VIP MIX)のセッションを開いての解説動画となっている。 


Disclosure - Listening Sesh + MAKING PRINCE EDIT! + Talk (V.I.P Mix) Breakdown 

https://www.twitch.tv/videos/702294309



アナログとデジタルを融合したスタジオ


制作環境はLogicとAbleton LiveをRewireさせたDAW環境を中心に、ハードウェアシンセやアウトボード類と多数のプラグインを併用するハイブリッドスタイルのスタジオ。

使用している機材は動画中で惜しげなく見せており、機材導入のヒントとなりそうだ。


Princeの1987年のアンリリース曲「The line」をエディット


YouTubeでの拾い物ということで、当の本人も「こんなの大丈夫なのかなw」と言いつつも、アンリリースとはいえ超大御所のリエディットという形でまさかのコラボレーションが実現。まずは元ネタの音源がこちら。



独特なシンセ音とコードが印象的な楽曲だが、個人的には一聴した限りではDsiclosureの作風と結びつかなかった。これがなぜだかDisclosureワールドにハマっていく不思議。


エディット作業の準備


まずはAbleton Live内でビートマッチした上で、各セクションをどう使うかを決めていく。そのビートをLogicへ取り込み、EQでマスタリング作業のように繊細に補正する作業を開始。

楽曲自体が正式なリリース曲でないため、サウンド的には荒い状態なのでSootheというプラグインで耳障りな帯域を削った上、さらにEQをかけていく。ちなみに使用されるEQやリミッター類はほとんどFabfilter社のものだった。


原曲のサウンドを補強


原曲はドラフト版と思われる状態の楽曲を、さらにYouTube配信しているということで、ハイエンドは失われている状態。この辺りはOverloud DOPAMINE(エンハンサー)を使用してサウンドのキラキラ感を補強しているようだった。また、現在のプロダクションと比較するとすこし薄く聴こえる楽曲だが、コーラスなどのエフェクトでサウンドに広がりや重厚感をだしている。


さらにドラムの打ち込み前の段階だが、サイドチェインコンプはドラムではなくトリガー専用のトラックを用意し、サイドチェインコンプもかけてしまっている。エディットでも思っているより深めにサイドチェインをかけているのが印象的だった。





ドラムトラックの打ち込み


キックドラムシンセサイザーBig Kickにより、キックの打ち込みをしエディットのベースとなる部分を構築していく。ちなみに別動画でBig Kickはキックのアタックとボディをパラアウトし処理しているということだった。


その後、ここまでで完成したPrinceの楽曲のループを利用してRoland TR-8を利用したジャムセッションのようなライブを披露するのだが、この時点でサウンドとしてはDisclosureのものになってしまっている。

そのまま録音するのかと思いきや、楽曲制作ではTR-8のサウンドは使わないそうで、多くのドラムパーツはNative Instruments 「Battery」で打ち込まれていく。スネアやハットなどのパーツごとにいくつかの音色の入ったプリセットを用意しており、効率的に音色を切り替えながら打ち込みができるようになっているようだ。


ハイハットは一つの音色でオープンもクローズも作っていたり、「シェイカーには必ずオーバードライブをかけましょう」といった細かい技法についても開示していた。名前の通りDisclosureぶりを発揮している。

この他にもDisclosureのリズムトラックに欠かせないタムの処理も見せていた。EQの処理やステレオイメージャーを活用して、トラックに埋もれないサウンドを作っている。


ドラムトラックができると再度原曲にフィルターなどでエフェクトをかけながら、楽曲の展開を変更したり、ブレイクを追加するなどしてエディットを完成させていった。

これって権利関係どうなの?という我ながら小さなことが気になってしまうが、制作中に「Princeみてたらバチギレするかな〜」といったネタもはさんでいたので、完全に無許可だったようだ。

Disclosureのようなトップチャートで活躍するクリエイターがこのゆるさなの最高かよ。


なお、このエディットで使用されていた機材は以下の通り。


Ableton Live

Apple Logic

Fabfilter Saturn

Fabfilter Pro-Q

Fabfilter Pro-L

Soothe

Gem dopamine high up

Roland TR-8

SoundToys Decapitator

UAD Moog Multimode Filter

Native Instruments Battery

Waves H-Delay

Valhalla delay


ここまでが3時間以上もある動画の前半戦なのだが、ここで紹介したのはほんの一部の内容なので、ぜひ本編の動画も観てほしい。この他にも細かい解説付きでサウンドの追加や処理など全ての工程が見れるうえ、最後にはQ&Aもあり、さらにこの後はKhalid - Talk (Disclosure VIP MIX) の解説もある。


さらに今回紹介した動画以外にも、通常のビート制作も惜しげなく公開中。こちらも全ビートメイカー、 DTMerの必修科目なので必ず視聴しよう。


Twich DisclosureMusic

https://www.twitch.tv/disclosuremusic




written by Yui Tamura


source:

https://www.twitch.tv/videos/702294309

photo:

https://www.twitch.tv/videos/702294309





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