【ライヴレポート】田我流『RIDE ON TIME TOUR』熱気と多幸感に包まれた東京公演

甲府から始まり、福岡、大阪を経て東京で開催された田我流の『RIDE ON TIME TOUR』WWW X公演を振り返る。
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2019.07.17 11:00

7月7日(日)にWWW Xで行われた田我流『RIDE ON TIME』東京公演。熱狂と感動のステージを振り返る。


夢はまだ続いていく。WWW Xが熱気と多幸感に包まれた田我流『RIDE ON TIME TOUR』東京公演


七夕。渋谷はあいにくの雨である。といっても近年の気候だと梅雨前線の影響で、七夕は決まって曇りか雨だ。天の川を観られる晴天の七夕というのは正直記憶にほとんどない。


悪天候にもかかわらず、WWW Xのフロアは人でいっぱいだ。甲府から始まり、福岡、大阪と3公演を田我流とともにし、開演前のDJでフロアを盛り上げるのはDJ/トラックメーカーのKM(ケーエム)だ。そのほとんどを自身のリミックスで構成するDJingはKMならでは。ヒップホップを軸に、国内外ジャンルを問わずKMによってリミックスされたビートを響かせる。


2週間ほど前、『RIDE ON TIME』ツアーの幕開けとなった甲府公演も雨だった。地元のライヴハウスでKMのDJを聞けたことが嬉しくてたまらなかった。山梨でこのような機会を作ってくれたことに、心から田我流に感謝したい。と、強く思ったのを覚えている。



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama


LEX、Bank.Somsaart、NTsKi、若き才能の共演


そんなことを思い出しながら身体を揺らしていると、KMのDJからそのままショットライヴが始まった。最初に登場したのはLEX(レックス)だ。若干16歳の神童、などと言ったら大袈裟かもしれないが、楽曲のクオリティも高く、満員のWWW Xでも物怖じせずLEXを貫き通す姿勢に圧倒された。口数は少ないながらも、淡々とパフォーマンスを展開していく。


LEX「DORY!! 」で客演しているBank.Somsaart(バンクソムサート)もステージに登場。LEXからそのままBank.Somsaartにバトンタッチ。堂々のライヴを見せ、先日配信リリースとMVが公開されたYamieZimmer(ヤミージマー)プロデュースのシングル「She Gon Pass That feat.大神」を披露。フィーチャリングの大神もステージに登場した。


田我流はコアなヒップホップファン以外にも幅広い層、年代から支持されている。この日も多様なオーディエンスがフロアを埋め尽くしていた。もしかしたら、田我流を聴きに訪れた、もしくは田我流のラップに耳が慣れている人にとっては、LEXやBank.Somsaartのスタイルは新鮮で、異質にも聴こえたかもしれない。実際、僕の近くにいた女性2人組はトラップスタイルのノリに戸惑ってはいたが、それでも彼らの楽曲を興味深そうに聴き入り、控えめにトラップビートの拍子を身体でとっていた。


ショットライヴの最後を飾るのは田我流との「Anywhere」で客演し、特徴的な声とボーカルでその存在感を示すNTsKi(ナツキ)。ブレイズに結ったヘアスタイルとスポーティな出で立ちで登場。静かに激しく、そのパワーをフロアに浸透させていく。アクロバティックな動きと、凜としたNTsKiの歌声に思わず「かっこいい」と近くから感嘆の声が聞こえた。僕は彼女のパフォーマンスを目にするのは初めてだったが、“田我流が震えあがった才能を持つシンガー”と紹介されていることにあらためて納得させられた。



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama


田我流、ホーン隊とダンサーを引き連れて登場


NTsKiのパフォーマンスのあと、ライヴDJとして4公演をともにしたMAHBIE(マービー)がブースにスタンバイ。スタートを飾った甲府公演から田我流と抜群のコンビネーションを披露し、『RIDE ON TIME TOUR』で田我流の背を支え続けた。開演のイントロに続き、『RIDE ON TIME』の「Wasuremono」が鳴り響くと場内はざわめく。いよいよ田我流の登場だ。


勢いよく飛び出した田我流とともに「Hustle」のホーンが鳴り響く。トランペット: 川崎太一朗、サックス:後関好宏による生のホーン隊は東京公演だけのスペシャルな演出である。

特別なのはそれだけではない。Takuya aka LiL HaVoC(Prophecy)、Junya aka Chikob(Prophecy)、Yamato(Creation Global)、Ryo(Creation Global)によるスペシャルなダンスユニットHustle Footworkersが、田我流の脇を固め、ラップにハメた文字通り見事なフットワークを披露。田我流とシンクロするかのように呼応するホーン隊、ダンス、MAHBIEの絶妙な押韻のかぶせなど、すべてが調和した最高のオープニングに会場の熱は一気に高まった。


曲終わりに田我流が不敵な表情で会場を見渡す。オーディエンスで溢れたフロア、そのひとりひとりを見据えるかのような強く頼もしい眼差しだ。彼から、僕たちはどんな風に見えているのだろうか。


「雨の中せっかく来たんだから、まずは地元のこの曲、聴いとけ」


地元である山梨のディストピア的な地方都市の現実をシニカルに切り取った「Vaporwave」を挨拶代わりにオーディエンスに見舞った。続いてOLIVE OIL(オリーブオイル)、Ritto(リット)、Kojoe(コージョー)とコラボしたメッセージ性の高い「回る」のイントロに大きな歓声が上がる。



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama




田我流の過去と現在、その時流をつなぐ


アルバム『RIDE ON TIME』のあとがきにもあったように、このアルバムには“時流に乗る”ということがひとつのコンセプトであり、キーワードになっている。それは単純に新しいものに飛びつくというミーハー心とは別次元にあるものだ。


アルバムの発売日に、地元山梨にてメンバーであるBigben(ビッグベン)が店主を務めるstilllichimiyaのアンテナショップ「BIG FLAT」で田我流が1日店長を務めた際に、


「今までのファンとか全部置いてく勢いで作った。こんなの、おっさんが作るアルバムじゃねえよ(笑)」


と冗談混じりに話してくれた。


実際に聴いてみるとそれは田我流なりの照れ隠しだったのではないかと今は思う。『RIDE ON TIME』は今までの田我流の流れを汲みつつ、新しい世界へと連れて行ってくれるような快作だった。決して今までの田我流ファンを置き去りにするような作品では当然なかったし、田我流フォロワーにこれで離れるようなヤワなファンはいないのではないだろうか。


旧きを訪ね、新しきを知る。温故知新とでも言うべきか、山梨に生きているとそんな考え方でもしていなければたちまち閉塞感と退屈、虚無感に包まれてしまう。そして「Vaporwave」で歌われている悲しい現実に気づくこともできないまま、感覚が麻痺してしまうのだ。それがいちばん恐ろしい。


田我流の1st『JUST〜作品集〜』から「坂」、そして2ndからの「Saudade」とライヴは続く。ふと、田我流本人も覚えていないことだと思うが、10年以上前に酒の席に誘ってもらった際のことを僕は思い出していた。そこで田我流は


「この土地(山梨)は“バク”だよ。夢を喰うやつな。だから、ここで夢を追うなら、いろんな場所へ行って色んなもん見てきた方がいいぞ」


とまだ若かった僕にそう言い聞かせてくれた。


いろいろな含みがあったであろうその言葉を、僕が当時どれだけ解釈できたかはわからない。しかし今も、僕の行動を起こすモチベーションのひとつとして息づいているのは確かだ。田我流はそうやって、自身のリアルな体験を通して見てきた光景や感情の揺らぎ、葛藤といった心理描写をリリックの中に落とし込み、作品を生み出している。


「BACK IN DA DAY」では田我流のキャリアのスタートのきっかけ、そして苦い思い出が歌われている。つづけて演奏された『RIDE ON TIME』収録の続編「Back In the Day 2」では単身NYに渡ってサバイブした日々、日本に戻ってstillichimiyaの面々と三鷹台にルームシェアして住んでいたときのことが綴られている。


僕も曲中の「三鷹台の牟礼ハウス」を一度だけ訪れたことがある。なのでリリックからありありとそのときの情景が思い起こされる。「牟礼ハウス」周辺にある、馴染みの服屋さんやご飯に連れ出してもらったのは思い出深い。



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama


「好きなものを掘り続けろ」その男、シンプルにつき


田我流が若手のラッパーたちに「田さん」と兄のように慕われているのは納得できる。兄貴肌で頼もしいその男は、いつだってシンプルだった。「BACK IN DA DAYから21年、ラップしつづけたらこんな男になりました」と照れくさそうに笑って、「Simple Man」を歌う。この曲の


高級車要らない チェーンもつけてない

Drug いかない タトゥーもいれてない


これは「三鷹台牟礼ハウス」の頃から田我流が言っていた言葉だ。


自信さえありゃそれで良くね? 押しつけられる価値観がウゼー

〈中略〉

地位 名声よりロマンがスローガン

あざとい 早すぎ しとけよ Slow down


田我流/Simple Manより


リリックそのままに田我流は誰かの価値観に流されることなく、自分のものさしで価値を判断するスタンスを貫き続けている。日本のシステムと社会構造を揶揄した「Broiler」では三角形に照らされた照明の中に田我流が浮かび上がる。


「おかしいなーって思うことや、嘘だろ!? って思うことが多すぎて」


言葉は穏やかだが、これは“選挙に行こう”というシンプルなメッセージを投げかけている。田我流は長年、選挙に対する意識喚起に向けた活動を行っており、地元紙にも識者として取り上げられているほどだ。


そもそも、stillichimiyaと政治は切り離せないファクターである。山梨県は一宮町(現・笛吹市)に誕生したWu-Tang Clanのような強い個性と、Native Tongueのようなファミリーの強い絆を併せ持ったこの集団が決起したのは、市町村合併への反対運動に端を発している。


続く「墓場のDigger」では


「好きなものを掘り続けることが大事だと思うんですよね。これはレコードだけの話じゃなくて、みんなそれぞれの好きなものに置き換えて聴いてほしい」


とオーディエンスに対して“掘る”という行為をポジティヴに肯定し、促した。


「Bigbenがいねえから俺が歌うぜ! 」


とBigbenの客演パートはMAHBIEが担当。彼もまた、恵まれた体躯とミュージックインテリジェンスを兼ね備えた生粋のDiggerである。


そんなバディとともに一通りレコードを掘り終えると


「何か腹へっちまったなMAHBIE」


そう呼びかけ、田我流の大好物である「ラーメン」を歌い、アルバムタイトル曲「Ride On Time」をフロアに投下。


「この曲はフックで思いっきりバウンスしてくれ! 」


そう鼓舞する田我流に呼応したWWW Xに集まったオーディエンスは一様に飛びはねた。


直後、


「これ以上盛り上がりたいってバカどんだけいます?(笑) やべえの持って来てますから」


とstillichimiyaメンバーを呼び込む。Bigben不在が「墓場のDigger」でアナウンスされていただけに、stillichimiyaは見られないかな? と思っていたので嬉しいサプライズだ。


まるで漫画『グラップラー刃牙』の地下闘技場の出場者アナウンスシーンさながら、stillichimiyaの面々が堂々とその姿を見せ、ポッセアンセム「やべー勢いですげー盛り上がる」をもってフロアを熱狂の渦に叩き込んだ。



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama


“ミルキーウェイ”から続いている夢


HIPHOPにゃやっぱ 似合うGlory 

俺が聴きたいのは 人生をフリップするストーリー


ゴキゲンなヤツらはHands Up! 

何かと戦うヤツらはHands Up! 

何かを変えたいやつらはHands Up! 


田我流/「Hands Up(A Cappella)」より


WWW Xに集まったオーディエンスは田我流の「Hands Up(A Cappella)」にその手を掲げて応える。孤独と自己、生み出す苦しみと向き合う「Deep Soul」から「あの鐘を鳴らすのは、、俺」のカタルシスにますます熱を帯びるステージ。そして人生の転機を示唆する「Sign」から実際にその1歩を踏み出す「Changes」へとライヴは展開していく。


まさに栄光へ向かっていく、“人生がフリップするストーリー”をなぞっているかのようだ。


「山に囲まれた場所で育ったんですけど、やっぱ海っていいですよね」


オーディエンスに語りかける田我流はC.O.S.A.(コサ)を呼び込んだ。田我流のライフワークである“釣り”を通して自然の偉大さ、自身と向き合い俯瞰する「Wave」で、ふたりはステージから貫禄を見せつける。C.O.S.A.との曲での掛け合い、ふたりの微笑ましい海釣りトークも見所であった。そのあとは「大抵のストレスは、宇宙スケールで考えれば大したことない」と語り、MAHBIEとの「Space Brothers」で宇宙愛を炸裂させた。


「Cola」でしっとりと聴かせたあとはKMが再び現れ、キーボードで「夜のパパ」のメロディラインを生演奏。家族を養いながら、音楽を武器に闘い続ける2人のパパがステージ上で交差した。


ここで、


「残り2曲なんですけど」


田我流がアナウンスすると会場はこの夢のようなステージの終わりを惜しむ声に包まれる。一呼吸終えて、田我流は何かを言おうとして


「やっぱ言うのやめるわ」


と気恥ずかしそうに口をつぐんだが、オーディエンスにせっつかれて、渋々、照れ笑いを浮かべながら語り始めた。


「山登りもたぶんそうじゃないですか。登らないと、頂上にはたどり着けない。やめたら頂上には行けなくて。意外とあと少しだけど、登ってる途中はわかんない。そうして諦めてしまう人が多いけど、それだとどうしても、頂上からの景色は見れないんですよ。残念だけど。やめたらそこで終わりなんですよね。


諦めずに頂上に登って、また下って、新しい山に登る。人生ってその繰り返しなんだって分かりましたね。21年間ラップ続けてきましたけど、今回のアルバムも大変だった。登っている途中はね。今は頂上に辿り着いて、こうしてたくさんのお客さんと幸せを共有しながら多幸感を噛み締めているところです。でもここから、アルバムを作らない期間は山を下っているってことなんですよ。そしてまた作品を作ろうとか新しいことに挑戦していく。そうやって夢は続いていくんだなって」。



Photo by Jun Yokoyama


田我流はこの日、「BACK IN DA DAY」を歌う際、


「今日は雨だから天の川は見えないけど、初めてライヴした場所は、“ミルキーウェイ” ってハコだったんだよね。今はもうないけど」


と語った。


この名前を渋谷で聞くことになるとは思わなかった。僕ら世代もお世話になった山梨の小さなライブハウスだ。僕も高校生の頃にそこでライヴイベントを仲間たちと開催させてもらったことがある。ミルキーウェイから始まった田我流のラップストーリーは国内外の各地を巡って、今日のWWW Xへと続いてきた。


いくつもの山を越え、ひとつひとつ夢を叶えてきた。そのひとつの集大成をまさに今、僕は目の当たりにしている。そんなことを感じながら聴くラスト2曲はEVISBEATS(エビスビーツ)プロデュースの「夢の続き」、そしてNTsKiが「どこにでもいける」と歌う「Anywhere」だった。



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama


「生きているうちが華だからさ」出会いと別れの旅路を振り返る


フィナーレを迎えたステージ。惜しむオーディエンスの手拍子のもと、ほどなくしてブースにカムバックしたMAHBIEによって沈黙は破られた。


「お前ら、今、俺のことデブって思っただろ」


唐突にMAHBIEから投げかけられた理不尽な物言いに、会場はまだステージが続くことへの喜びと、困惑が入り混じった反応だ。MAHBIEはただならぬ怒りとともにソロのエクスクルーシヴ楽曲「D.E.B.U.」を投下。デブあるあるとともに本人のリアルな心境を綴ったメガ盛りリリックが満載だ。


「水の代わりに飲む醤油」


というパンチラインに会場は笑いに包まれた。


この曲、初日の甲府公演では「墓場のDIGGER」の後、「ラーメン」前の、幕間に披露された高カロリーチューンである。東京公演ではここまで歌われなかったので、さすがにやらないのかと思っていたが、まさかアンコールに持ってくるとは。言いたいことを言ってスッキリしたMAHBIEは、満足そうに「ゆれる」のトラックを再生した。


田我流はその様子に笑いながら袖から登場し


「最低な呼び込みだぜ(笑)」


と再びステージ中央に陣取った。そして、オーディエンスと「ゆれる」を大合唱し、会場はひとつに。至福のひとときだ。甲府公演のアンコールはここで本当に幕引きとなったが、この日はさらにもうひとつ、サプライズなプレゼントが用意されていた。


「今から最後にもう1曲だけやります。今夜このあとから配信になる曲です」


と新曲「センチメンタル・ジャーニー」を初披露した。MAHBIEがトラックメイキングを担当し、田我流が過去のライヴ、ツアーなどその時々を切り取り、出会った人たちへの感謝をリリックにしたためた。さらにこの世を去ってしまった先人たちへの敬意と愛が詰まった楽曲でもある。その思いは溢れ、田我流は途中、堪えられず涙を流す。


前述した10年以上前の酒の席で


「人は生きてるうちに、2回生まれるんだってよ。ひとつは文字通り生まれたとき、もうひとつはいつだと思う?  」


と田我流に問われたことがあった。その問いにわけもわからず首をかしげていると


「絶望したときだよ。そっから這い上がるときに本当の人生が始まる。それが再生ってことらしいぜ。お前はどうだ? 」


という田我流の言葉がハッキリと記憶に残っている。僕が何て返事をしたのかは覚えていない。おそらくその意味をよく分かってもいないのに、適当な相づちを打っていたのだろう。今ならあの頃より、少しはその意味が理解できる。


プレスリリースによれば『RIDE ON TIME』は旅をしながら作ったアルバムだと書かれている。加えて仲間たちの個々の活動にともなう制作環境の変化に、イチからのスタートを切ることになった旨が『RIDE ON TIME』のあとがきに記されている。もしかしたら『RIDE ON TIME』の制作の旅は、田我流にとって何度目かの再生の旅だったのかもしれないなと思った。


「マジで、生きているうちが華だからさあ」


震える声を絞り出しながらそう言うと、田我流はステージをあとにした。閉演後の会場のエントランスには田我流の仲間達と家族が集まっていた。1つの大きな山を乗り越えた田我流と一同は祝杯をあげ、ピースなムードに溢れていた。家族と仲間に囲まれ、ホッとした笑顔を見せる田我流の姿を眺めつつ、まだこれからも僕たちに夢の続きを見させてほしい。そんな風に思った。



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama


ひとやすみしたら、また田我流は旅に出て山を登るのだろう。そしてさらに高い頂からその壮大な人生の景色を共有してくれるに違いない。最後に「センチメンタル・ジャーニー」のリリックでこのライヴレポートをしめくくりたい。


次にまた 会える日まで 

どうぞまた お元気で


〈中略〉


旅続きの人生さ 寅さんみたいな瘋癲(ふうてん)だ

最高の夜ならば まだきっと あるはずさ

ホテルの窓から見下ろす 夜景が夢に俺を誘う

聞こえてくる甘いメロディー 夜を包む甘いムード

孤独とか虚しさとか 知った先にある何か

大人もまあ 悪くはない たぶんきっと悪くはない

こんな風に過ぎてくなら

こんな風に過ぎてくなら


田我流/「センチメンタル・ジャーニー」より



Photo by Jun Yokoyama



Photo by Jun Yokoyama


▶田我流 『RIDE ON TIME TOUR』at 渋谷 WWW X


[Set List]

1:Wasuremono

2:Hustle

3:Vaporwave

4:回る

5:坂

6:Saudade

7:BACK IN DA DAY

8:Back in the day 2

9:Simple Man

10:Broiler

11:墓場のDIGGER

12:ラーメン

13:パニックゲーム

14:Ride On Time

15:やべ〜勢いですげー盛り上がる

16:Hands Up(A Capella)

17:Deep Soul

18:あの鐘を鳴らすのは、、俺

19:Sign

20:Changes

21:Wave(feat.C.O.S.A.)

22:Space Brothers

23:Cola

24:夜のパパ

25:夢の続き

26:Anywhere

(アンコール)

27:D.E.B.U

28:ゆれる

29:センチメンタル・ジャーニー



[Guest]

stillichimiya


C.O.S.A.


KM


NTsKi


Hustle Footworkers【Takuya aka LiL HaVoC(Prophecy)Junya aka Chikob(Prophecy)Yamato(Creation Global)

Ryo(Creation Global)】


トランペット:川崎太一朗


サックス:後関好宏


[OP Shot Live]


LEX


Bank.Somsaart


NTsKi


[Photo] 


Jun Yokoyama @yokoching



Photo by Yukitaka Amemiya


▶田我流

山梨県笛吹市一宮町出身。趣味は釣り。尊敬する人は松方弘樹。高校1年でHiphopに出会い、リリックを書き始める。2004年に地元の幼馴染とラップグループ=stillichimiyaを結成し、2008年にファースト・ソロ『作品集~JUST~』を発表、2012年4月に発表したセカンド・アルバム『B級映画のように2』でその評価を確固たるものにする。2015~16年はバンド・プロジェクト「田我流とカイザーソゼ」として数々のライブをこなす。その頃から更なる音楽性の向上の為、Falcon a.k.a. Never Ending One LoopとしてBeat Makeも始める。野蛮さと繊細さを兼ね備え、アッパーな楽曲からコンシャス、叙情的な楽曲まで幅広く乗りこなす作詞力と音楽性、ガツガツと畳み掛けるエモーショナルなライブパフォーマンスには定評がある。4月24日には自身の原点回帰を計るべく新しいプロデューサー陣と制作した待望のサード・アルバム『RIDE ON TIME』を発表。地元である山梨・甲府からスタートし、福岡、大阪、東京と回る4公演のツアー『RIDE ON TIME TOUR』を敢行した。



written by Tomohisa“Tomy”Mochizuki


photo:Jun Yokoyama



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