アーティストへの配分はたった10%!De La Soulとレーベルの間で深まる「配信収益」問題

この記事をシェア
90年代を代表する伝説的なヒップホップグループ、De La Soul(デ・ラ・ソウル)。当時主流だったギャングスタ・ラップとは一線を画したユーモア溢れる独自のスタイルでシーンをリードしてきたヒップホップを語る上で欠かせないグループだが、当時所属していたレーベル「Tommy Boy Records」との対立はまだまだ続いているようだ。
2月末、今までストリーミング配信されていなかった彼らの初期のアルバム6作品の配信解禁を発表したものの、売上の90%は所属していたTommy Boy Recordsに、De La Soulにはわずか10%しか入らないという契約内容であることをグループの公式Instagramで明かし、不満を漏らしていた。
つきまとうサンプリング問題
De La Soulは先月26日にラジオのインタビューで「ストリーミングを開始するにあたって、オレたちのアルバムに関するサンプリング問題がクリアになっているかわからないままレーベルは話を進めようとしていた。それはスマートなビジネスではないね」と話している。もちろんクリアにならないままストリーミング解禁となれば訴えを起こされる可能性があるのはDe La Soulだ。
De La Soulはデビューアルバムの『3 Feet High and Rising』からサンプリング問題で訴訟を起こされており、この時からレーベルとの対立が続いている。現在Tommy Boy RecordsはWarner Music Group傘下のレーベルとなっており、De La Soulの曲の権利も譲渡されたが、依然サンプリング問題は解決されておらずデジタルリリースには至っていなかった。
解決されるまで配信は延期へ
各種配信サービスで解禁されると発表されていた中、Jay-Z(ジェイ・Z)が運営権を持つストリーミングサービス「TIDAL」はいち早くDe La Soulのアルバムを配信“しない”ことを決めた。TIDALはストリーミングサービス会社の中でもアーティストに対する配分が多いことでも知られており、De La Soulをサポートするため今回の決断に至ったのだろう。さらにNas(ナズ)やThe Roots(ザ・ルーツ)のQuestlove(クエストラブ)もDe La Soulをサポートするため「#TommyBoycott」運動を始めた。
こうした煽りを受けてかTommy Boy Recordsは「De La Soulとの交渉を終えることができなかった」とし、ストリーミング配信を延期することを決めた。ファンにとって残念な結果ではあるが、アーティストの権利を守るためできるだけ早く解決することを願いたい。
デビューアルバムから30周年となる今年、デジタルリリースとは別に2枚のアルバムをリリースする予定のDe La Soul。現在はインディペンデントアーティストとして活動する彼らが新しい作品で何を語るのか楽しみだ。
written by BsideNews
source:
http://www.missinfo.tv/index.php/de-la-soul-reveal-tommy-boy-records-robbing-them-of-streaming-royalties/
https://variety.com/2019/music/news/de-la-souls-digital-album-releases-postponed-by-tommy-boy-records-exclusive-1203152398/