Deadmau5が語るAviciiと、ビジネスパートナーが明かした“魔法のような”未発表アルバムとは

愛すべきみんなの喧嘩相手Deadmau5がAviciiについて語り、「Levels」以降長年のビジネスパートナーが“最高”の未発表アルバムの存在を明かす
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2018.04.24 12:00

宿敵Deadmau5(デッドマウス)が急逝したAvicii(アヴィーチー本名Tim Bergling)について語る。皮肉は愛情のあらわれだったのか。さらに長年のビジネスパートナーであるGeffen RecordsのNeil Jacobsonが未発表アルバムの存在をVariety誌に明かしている。





Deadmou5節が染みる。バチバチにやりあった憎まれ男がTwitterでAviciiの死についてツイート


「Aviciiのご友人、ファン、家族に心よりお見舞い申し上げます。彼が成し遂げてきたダンスミュージックは誰も否定することはできません。私は彼を誇りに思っています」と哀悼の意を述べるとともに「あまりにも早すぎる死だった。今俺がちゃんと彼の名前を間違えずにスペルできたことをきっと最後に笑っているだろう」と得意の憎まれ口で彼なりの弔辞を送った(Deadmau5のこういうところ、好きなんだよな)。



敵だからこそ相手のことをいちばんよく知っているということか。Deadmau5は毎度その言動が話題となる皮肉屋だ。たびたびEDM シーンやアーティストを批判し渇!を入れまくった末に、AviciiともSNS上でバトルを繰り広げた。ヒール役がすっかりキャラクターになってしまったものの、それらは自身の好きな音楽とAviciiへの歪んだ愛情表現だったのではなかろうか。


Aviciiが行った革新的なサウンドメイキングとは


Aviciiは最新のダンスミュージックアーティストとしてスターのキャリアを歩みながら、60年代〜80年代のソウル、ジャズ、フォーク、グラムロックを聴いて育ち、楽曲にその要素を落とし込んできた。「Levels」では60年代〜70年代に活躍し2012年に逝去したジャズシンガーEtta James(エタ ジェイムズ)「Something’s Got A Hold On Me」を特徴的にサンプリングし、2013年発売のデビューアルバム『TRUE』にも色濃くその影響を落とし込んでいる。




『TRUE』には幅広いアーティストが携わっており、ロックバンドINCUBUS(インキュバス)のMike Einziger(マイク・アインジーガー)、CHIC(シック)のギタリスト、Nile Rodgers(ナイル・ロジャース)、 Imagine Dragons(イマジン・ドラゴンズ)Dan Reynolds(ダン・レイノルズ)などがコントリビューターとして参加。フォークロックとエレクトロニカを合わせた“フォークトロニカ”と形容されるサウンドはAviciiの代名詞となった。さまざまな人種、年代、ジャンルを超えたアーティストから追悼のコメントが寄せられていることからも、Aviciiがもつ音楽の多様性をあらためて知ることができるだろう。







長年のビジネスパートナーが未発表アルバムの存在を示唆


Aviciiの知名度を一躍ワールドクラスへと押し上げた「LEVELS」から仕事をともにしてきたビジネスパートナーGeffen RecordsのプレジデントNeil Jacobsonは、Aviciiが急逝する2日前に話をしていたという。その際、Aviciiはアルバム制作作業を行っていたとJacobsonは米エンターテイメントメディアVarietyのインタビューで語っている。それはここ数年最高の出来で“魔法のような”音楽作品だったと振り返る。しかし、16時間ぶっ通しで作業するAviciiを休むように促したともJacobsonは話す。


天才の死は遠い地で起きた、ただの悲劇なのか? 


Aviciiが急性膵炎をわずらい闘病を続けていたのは周知の事実である。人気絶頂だった2013年以降から2015年にかけては日本公演を含むギグのキャンセルなどが相次いだ。治療に専念するために、2016年ツアー生活に自ら終止符を打つことを決意。3度の来日キャンセルを経て、ギグ引退前についに記念すべき初来日公演が行われた。



Aviciiの健康が心配される反面、世界的DJとなった彼を呼ぶ声はやまなかった。過密なハードスケジュールによって制作に集中する時間がないことを天才は嘆いた。その苦悩は2013年から密着して制作され2017年(日本では2017年11月)に公開されたドキュメンタリー映画でも吐露されている。


Aviciiの死因は発表されていない。Neil Jacobsonが言う未発表のアルバムを発表するかどうかも現時点では明言されていないが、今回の死はアーティストの在り方と消費されていく音楽の価値をリスナーにも問うような側面があるのではないかと個人的には思えてならない。





EDMと呼ばれるより前、リアルタイムでもっとも衝撃を受けたエレクトロミュージックアーティスト


当時、初めて「Levels」を聴いたときの衝撃は忘れられないし、「Fade Into The Darkness」など当時のHIP HOPのビデオではあまり見られなかった、シリアスでドラマチックなミュージックビデオのストーリー展開は筆者にとって斬新なものだった。幸運にも、2013年のULTRA KOREAでAviciiのギグを見ることができた。あのとき、オリンピックスタジアムで生「Levels」を聴けたことはかけがえのない体験である。新しいAviciiを聴くことができないのは寂しいが、偉大な1人のアーティストに感謝したい。




Yoshiyama Yuuki YouTubeより




written by TOMYMOCHIZUKY


source:https://www.billboard.com/articles/news/dance/8363326/avicii-unreleased-album-music-death-geffen-neil-jacobson

https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/news/avicii-dead-skrillex-deadmau5-tribute-edm-cause-death-dj-sweden-levels-a8315591.html


photo:AVICII: TRUE STORIES トレーラー




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