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    ダメだ、頭から離れない!『サイバーパンク2077』で流れる中毒曲「PONPON SHIT」プロデューサーのカワムラユキに訊く制作秘話

    2020/12/19 (Sat) 06:00
    Moemi

    毎日、PONPONさせてね〜

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    事前予約だけで約800万本も売り上げたとされる大ヒット中のゲーム、『サイバーパンク2077』。ポーランドのゲーム開発会社CD PROJEKT REDが開発したオープンワールドRPGだが、そのゲーム内で流れてくる「PONPON SHIT」という楽曲の中毒性が高すぎると話題になっているのはご存知だろうか?

    その「PONPON SHIT」含め3曲をプロデュースしたのは、作詞家/プロデューサーとしても幅広く活躍し、block.fmでもレギュラーパーソナリティを務めるカワムラユキだ。歌唱は芸術家アイドルユニット・ナマコプリが担当し、『サイバーパンク2077』の舞台である“ナイトシティ”で人気の3人組アイドルグループ「US CRACKS」が歌う楽曲としてゲーム内で聴くことができる。
    今回プロデューサーのカワムラユキに、世界的大ヒットとなっている『サイバーパンク2077』へ提供した楽曲制作の裏側について、特別に話を聞くことができた。

    English Interview here.

    ***

    ー『サイバーパンク2077』は2012年ころから制作がスタートしたと言われていますが、楽曲提供のプロジェクトはいつ頃からスタートしていましたか?

    カワムラ:2年前くらいです。

    ーどういった経緯でカワムラさん、ナマコプリにオファーが来たのでしょうか?

    カワムラ:CD PROJEKT REDからメールが来て、やることになりました。父親の危篤と重なったので、この時期の作業は一生忘れられないですね。

    ーサントラを手掛けた全てのアーティストには、ナイトシティでのキャラクター設定があることも話題となっています。ナマコプリは「US CRACKS」という3人組アイドルグループとして登場しますが、この設定は楽曲提供のオファーが来た時点であったのでしょうか?それとも楽曲制作の過程で設定ができあがったのですか?

    カワムラ:オファーの段階で「US CRACKS」というキャラクターに沿って楽曲を作ってほしいとのことでした。声も3つ以上入っていてほしいとリクエストがあり、ナマコプリを軸にminami tagaさんにもコーラスで参加してもらい、私も人生で初めてコーラスをやっていたりします(笑)。

    ▼US CRACKS

    ーナイトシティという世界に存在する「US CRACKS」という架空のアーティストの楽曲を作る上で、普段と違って面白かったこと、または苦労したことはありますか?

    カワムラ:サイバーパンクにはジョニー・シルヴァーハンドという伝説的なロッカーボーイのキャラが出てくるのですが、それを演じるのがなんとあのキアヌ・リーヴス。そのジョニーの所属する“SAMURAI”というバンドのギタリストであるケリーと大きく関係してくるのが「PONPON SHIT」以外に手掛けた「User Friendly」「Off The Leash」の2曲です。

    大袈裟でヘタウマなメタルの要素とニョーヨークのパンクみたいなものを掛け合わせた楽曲なんですが、コライトや演奏を担当してくれたKaito Sakuma君やAMERICAN DREAM EXPRESSの皆と下北沢に集まって、キム・ゴードンやジョン・ゾーン、ダイナソーJr.、プラスチックスとか、クイーンズライチやモトリー・クルー、メタリカの話をしながら、ビールやハイボールを朝4時くらいまで飲んで語り合ったり、セッションしたのは楽しかったですね。私は90年代にテクノや渋谷系を通ってますが、もれなくソフィア・コッポラ時代のX-girlのピタTシャツとヒステリックグラマーのデニムを履いていたし、マンチェやキム・ゴードンのフリー・キトゥンも好きだったので、童心にかえってノビノビと制作できました。

    ー「PONPON SHIT」はどういったコンセプトで制作されましたか?

    カワムラ:ナイトシティで流行っている曲だけど、ロックを極めたミュージシャンが聴くと「もぉ~やだ」みたいな曲に仕上げるべく、リリックの運びとしてはゲーンズブールがフランス・ギャルが使った手法で、言葉の配置で意味が多面的になるようにしたのと、あまり日本語に詳しくない方が聴いても理解できる文法や言葉を使いました。だから、とても難しい内容のことを簡単に見えるようにやるということに集中しましたね。冒頭に入っている音は、成田空港の蕎麦屋さんでかかっていそうな旋律と音色になってます(笑)。

    ー『サイバーパンク2077』の音楽に関するBehind The Sceneでは、サントラは物語に合うようにほぼ100%エレクトロミュージックで構成されており、温かみを感じさせるためにアナログシンセを多用したと語られていました。楽曲制作に関してCD PROJEKT REDから楽曲イメージの指定やリクエストなどはありましたか?

    カワムラ:US CRACKSは、音楽の構成としても目茶苦茶で音程やピッチが絶妙に危うい感じにしてほしいとリクエストがありました。トラックを作ってくれたichi takiguchi君には絶妙にスカスカな感じや、Mixを担当して下さったHideo Kobayashiさんには美しき未完成の塩梅など、無理難題をお願いしながら進めさせてもらって助かりました。あとは英語のイントネーションも目茶苦茶にしてほしいと言われて、提出したら「目茶苦茶すぎるので、もう少しマシにしてください」と戻ってきた時は我ながら大笑いしましたよ(苦笑)。

    ー『サイバーパンク2077』の音楽は90年代の音楽要素が多く取り入れられているそうですが、「PONPON SHIT」に関しては2010年代のフレーバーを感じるという反応がネット上で多いのも印象的でした。「サイバーパンク」「2077年」というテーマを楽曲で表現する上で、どんなことを意識されましたか?

    カワムラ:私は90年代に家出したまま、2010年代の渋谷花魁界隈で遊んでいたので、その感じをそのまま出せばいいのかなと思って作りました。歌詞はSM映画『トパーズ(Tokyo Decadance)』とか、ある種のVaporwaveなので、その精神世界と言語の構造みたいな部分を作業の軸にしていたのですが、それをそのまま出すわけにはいかないので、本当にわかりやすく幼児プレイバージョンに変換したってことかなと。

    ー「YES NO YES NO 枕 NO」というフレーズはナマコプリの「SUSHI PARTY ft. Masayoshi Iimori」でも出てきますよね。あえて今回の「PONPON SHIT」にこのフレーズを入れた意図はどういったところからでしょうか?

    カワムラ:デビュー曲の「ナマコプリのトラップ」でも出てくるフレーズなんですが、当時のナマコプリを聴いていた方には「帰ってきた~」って思ってもらいたかったのと、あとは“枕がYESかNOか”って感覚や意味が、私にとっては半径30メートルくらいで通じる話題という感じのもので「それをそのまま世界へ持っていったらどうでしょう?」と思って挿入しました。☆Takuさんもこのフレーズが好きだそうで、以前タクシー移動中に大盛り上がりしたことが印象的な思い出で、そんなわけで今回も使ってみました(笑)。

    ー先程もお話しに出た、ゲーム内のみで聞ける「Off The Leash」「User Friendly」の2曲はどういった楽曲でしょうか?

    カワムラ:実はゲームって子供の頃に『忍者くん』と、「ロンドンは夜8時」で踊れた頃に『DanceDanceRevolution』くらいしかやったことなくて。『サイバーパンク』もまだ1時間くらいしかやってなくてよくわからないのですが、多分「User Friendly」はUS CRACKSのライブシーンで人気の曲として、「Off The Leash」はケリー・ユーロダインとのデュエット曲として流れていると思います。「User Friendly」は日本語のコールやミックス加減が面白いのと、私も結構歌ってます(笑)。「Off The Leash」はAMERICAN DREAM EXPRESSのイチワ君の変質的なギターソロが最高なのでぜひ堪能して欲しいです。

    ー今回のプロジェクトを手掛けて、いかがでしたか?

    カワムラ:ナマコプリのナマコラブとマコ・プリンシパルと出会ったのが、2013年の6月9日。7年以上経ってRockをやるとは思いませんでした。「PONPON SHIT」は詰め込みすぎな世界状況の中で、頭がフワっとなれる歌だと思うので、ハイになったりチルしたりしてくださいね。

    ー最後に「PONPON SHIT」でナマコプリにハマってしまった人におすすめの楽曲を教えて下さい!

    カワムラ:A面の回答は「君とRAVE」で、B面の回答は「アートの神様(COLDFEET Remix)」です。

    ***

    なお、ナマコプリ/US CRACKS「PONPON SHIT」も収録されたサウンドトラック『Cyberpunk 2077: Radio, Vol. 2 (Original Soundtrack)』が12月18日に 配信リリースされた。Grimesが提供した「Delicate Weapon」やNina Kravizによる「Surprise Me, I'm Surprised Today」なども聴くことができる。

    配信URL
    https://smarturl.it/cp2077-radio2/

    さらに同日放送されたカワムラユキがナビゲートするラジオ番組「Shibuya OIRAN warm up Radio」では、US CRACKS楽曲の制作秘話や、制作中にインスパイアされた楽曲などを聴くことができる。「PONPON SHIT」にハマってしまった人はぜひチェックしてみよう!

    「Shibuya OIRAN warm up Radio」
    毎週金曜日20:00-21:00放送
    https://block.fm/radios/17

    photo: https://cyberpunk.fandom.com/wiki/Us_Cracks

    written by Moemi

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