ナイキの決断。国歌斉唱でひざまずいたあの選手を、"Just Do It"誕生30周年記念のモデルに抜擢

国歌斉唱問題から2年、世の中を分断したコリン・キャパニックの行動は正しかったのだろうか?
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2018.09.04 08:00

2011年にNFL入りを果たしたミルウォーキー出身のアメリカンフットボール選手、コリン・キャパニック(Colin Kaepernick)。彼が2016年に起こした「国歌斉唱問題」から約2年、ナイキが展開するJust Do It誕生30周年記念のモデルに選ばれることが決まった。




2年前人々を分断させた「国歌斉唱問題」


みなさん彼を覚えているだろうか、忘れるはずもないあの問題を。2016年8月26日、NFLのプレシーズンマッチで国歌斉唱中、異例とも言える不起立を貫き、多くの人々にショックを与えた。彼の言い分としては、黒人差別やマイノリティへの差別がまかり通るこの国にリスペクトはできない、といった理由であったが、これを受け入れられない人も多く存在した。


国歌斉唱時に起立を強制するルールはNFLに存在しておらす、リーグとしては容認の対応をとったが、あまりにセンシティブで、コントロバーシャルな内容に2年経った今でも未だに議論のゴールは見えない。しかし今回ナイキがとった行動は、世間に大きなインパクトを与えるに違いないだろう。


"Just Do It"誕生30周年のカバーにコリン・キャパニックを抜擢


 

1988年に生まれた世界で最も有名なスローガンの1つ、「Just Do It」の誕生30周年のアイコンにコリン・キャパニックが選出された。2011年に彼と契約を結んでいたナイキだが、ここ2年は彼を広告塔として利用することがなかった。つまりコリン・キャパニックを尊重し、ほとぼりが冷めるまで契約を履行していたこととなる。(ここ2年間のナイキは、彼に対し金銭的なサポートを一方的に続けていた)。


公開された写真は「たとえそれがすべてを犠牲することになっても、何かを信じること」と書かれており、「国歌斉唱問題」以降NFLから契約をもらえていないコリン・キャパニック自身と重なる文章だ。彼はNFLのオーナーに対し、リーグと結託して自分をNFLから追い出していると訴えているところだ。ナイキ副社長のGino Fisanottiはこう語っている。


「コリンは人々に感銘を与えることのできる人間だ。彼はスポーツの力で世の中を前に進めることのできる選手の1人だと信じている」


言葉の通り、コリン・キャパニックの他に"Just Do It"30周年記念のアイコンに選ばれた人物は、LeBron JamesやOdell Beckham Jr、Shaquem Griffin、Lacey Baker、Serena Williamsなど、スケートボーダーからNBAプレイヤー、テニスまでと各界の超有名人ばかりだ。企業の社会的、文化的役割が日に日に大きくなっているのを感じる。


コリン・キャパニックが伝えたかった黒人差別は過去の問題ではない



黒人差別と聞くと奴隷を思い浮かべ、過去について話し始める人がいるかもしれない。しかし現実を見て欲しい。黒人差別は今現在リアルタイムで起こっている。スパイクリーがメガホンを取った「BlacKKKlansman」(邦題KKKスリラー)は、KKK問題と過去の白人至上主義を描きながらも、現在に通じる理不尽さを上手く表現した。2018年に公開されたこの映画は2018年そのものを表している。自分が関わらない世界はどこか遠い存在に感じてしまいがちだが、近い将来日本でも必ずぶつかるこの問題について、少しでも早く自分の意見を持っておくべきだろう。


コリン・キャパニックがとった行動が正しかったかどうかの答えは存在しないが、少なくとも彼が伝えたかったことはしっかりと世界に届きつつある。


written by Yoshito Takahashi


source:

http://www.espn.com/nfl/story/_/id/24568359/colin-kaepernick-face-nike-just-do-30th-anniversary-campaign 

https://www.hotnewhiphop.com/colin-kaepernick-is-the-face-of-nikes-new-just-do-it-ad-campaign-news.58875.html 


photo: Twitter

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