政治家とクラブがタッグを組む! 聖地ベルリンが次に目指す「持続可能なクラブカルチャー」とは?

行政からの支援が報じられたクラブの聖地ベルリンでクラブカルチャーのための新たなプロジェクトが開始された。
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2019.02.15 10:00

世界中からあらゆるジャンルのアーティストが集まり、今やヨーロッパ随一のアートな都市になっているベルリン。クラブシーンを見ても、”テクノの教会”ことBerghainなど、数々の有名クラブが存在するなど、この街のシーンは日本のクラバーからしても憧れの対象だ。  




クラバーの聖地ベルリンが次に目指す「持続可能なクラブカルチャー」 


そんなベルリンでは、これまでに行政との連携により、シーンを守り、発展させるための取り組みが行われてきた。記憶に新しいところでは昨年のシーンのための100万ユーロの助成金がクラブ産業保護のために捻出されることになったという話題だろう。その助成金は行政がクラブと近隣住人の摩擦回避のために間を取り持つという意味合いのもので、騒音問題対策のためのものだった。  


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このようにクラブシーンに付き物である地域とのトラブル対策として行政が積極的に支援を行なっている印象があるベルリンだが、最近また新たにシーンを発展、持続するためのプロジェクトが開始されたという。 


RAによれば、新たなプロジェクトは政治家とクラブシーンがタッグを組み、”持続可能なクラブカルチャー”を目指すというもの。これはドイツのNGO団体「Friends of the Earth Germany」と「clubliebe eV」が連携し、ベルリンのクラブシーンが環境保護活動に取り組むカーボンニュートラル化 (carbon neutral、炭素中立) を2050年までに目指すというもの。カーボンニュートラルとは”何かを生産したり、一連の人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量である”という環境化学の用語。現在、地球温暖化には主な原因のひとつとして大気中の二酸化炭素の濃度が上昇していることが挙げられ、二酸化炭素の濃度の上昇を抑えることで地球温暖化の進行を抑えようとする動きがあり、その動きの中にこの概念があるとのことだ。




環境に優しいクラブシーンのための取り組み  


話をベルリンのこの取り組みに戻して。今回の取り組みについて、気候変動保護とクラブカルチャーのための「同盟90/緑の党」に所属する政治家のGeorg Kösslerは、「ベルリンでは何千人もの地元住人がクラブに通う以外にもクラビングのためにほかの地域から数千ものクラバーがベルリンにやって来る。私たちはクラブと協力することで、クラブをより環境に優しいものにすることができる」と語っている。


そんなプロジェクトの取り組みとしてすでに挙がっているのは、クラブにエコで環境に優しいLEDライトの使用、省エネな冷暖房設備、グリーンエネルギーへの切り替えだ。現状、ベルリンのクラブは週末だけで、普通の1世帯が1年で消費するのと同程度の電力を消費しているそうで、この取り組みが推進されることで改善を試みるとのこと。 


またベルリンのクロイツベルク地区にあるゲイクラブの「SchwuZ」は、すでにこのプロジェクトに取り組んでおり、2日間の環会場ではプラスチックを減らし、24時間冷蔵に代わる方法を見つけるための措置を講じている。さらにこのクラブの持続可能性についてはほかにも急進的なアイデアがあり、オランダのデザイナー、Daan Roosegaardeは、クラブで踊る人からエネルギーを集めてそれを電気に変えるための特別なタイルを使用したダンスフロアを提案。ちなみにこの技術はすでにオランダ・ロッテルダムでは採用されているという。一方、ドイツのフェス「Melt Festival」などの会場として使用される「Ferropolis」では、廃棄物の熱分解から電力を生産することを検討。3万人収容の同ヴェニューではすでに電力の70%を太陽光発電で賄っているそうで、こういった取り組みに対する意識は高い。





「持続可能なクラブカルチャー」に向けて 


こういった環境保護の観点からの「持続可能なクラブカルチャー」を追求する姿勢は、さすがに環境保護の先進国のイメージが強いドイツならではで、行政やクラブシーンを含めての都市をあげての取り組みはさすがの一言。日本ではクラブカルチャーと行政がタッグを組み、環境保護に取り組むということはまだまだ浸透していない印象だ。しかし、実際に「クラブとクラブカルチャーを守る会(CCCC)」は、週末にクラブが多く所在する渋谷の街を清掃するなど、クラブシーンのマナー向上を啓蒙するための「PLAYCOOL」を実践するなど、クラブカルチャー持続のための活動を行なっている。またアムステルダムやロンドンなどで導入されている”夜の市長”、ナイトメイヤー制度発足を目指す動きもある。



政治家とクラブカルチャーの結びつきについては、イギリス労働党党首Jeremy Corbynが、グライムシーンにも支持され、一時若者の声を代弁する政治家として注目を集めた。日本ではドラッグ問題や治安面での向上についてはクラブ側も主体的に取り組んでいるが、今後はベルリンのように「持続可能なクラブカルチャー」を目指すならやはりこれまで以上に行政、政治家と連携し、こういった環境保護活動も含めた取り組みについても考えていくべきではないだろうか?



written by Jun Fukunaga

source:

https://www.residentadvisor.net/news/43266

https://en.wikipedia.org/wiki/Georg_K%C3%B6ssler

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AB

http://playcool.info/

http://clubccc.org


photo: Pexels



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