トーク禁止のクラブイベント「沈黙ダンス」とは?

しゃべってはいけないクラブイベント「沈黙ダンス」
SHARE
2020.02.17 01:00

しゃべってはいけないクラブイベント「沈黙ダンス」


「沈黙ダンス」とはDJ SHINDYが主催をしている、声を発してはいけないトーク禁止のクラブイベントだ。クラブイベントといえば曲にのり、ときにコール&レスポンスをして盛り上がる場所。「沈黙ダンス」は声出しが全く行うことができない、音楽だけが響き渡る空間となっている。新しいスタイルの「沈黙ダンス」について紹介する。




その場にいる全員が「沈黙」をし音楽を楽しむイベント


「沈黙ダンス」は1ヶ月に1度の平日の夜に、定期開催で行っているクラブイベント。音楽はHouseからDeepHouse、Techno/Tranceと幅広くDeepなジャンルを揃えている。そしてDJをはじめとしたイベント参加者である客、店員も含めたトーク禁止がルールとなっているのがこのイベントの特徴である。会場内では歓声や談笑は一切なく、たとえどんなに盛り上がることがあったとしても声を出してはいけない。また店員にお酒などを注文する場合も、しゃべらずにジェスチャーや手書きを使って伝えることが必要になっている。「沈黙ダンス」の会場にいる全員がトーク禁止になっており"サイレントコミュニケーション"をしながら音楽を味わうことができるイベントだ。





トーク禁止のスタイルがSNSで話題になる


新たなイベントスタイルである「沈黙ダンス」は過去にTwitterで度々トレンド入りになることがあった。「#沈黙ダンス」で検索をおこなうと、開催されたイベントの様子を動画で投稿しているツイートが見受けられる。投稿されている動画の中には、音楽にのり会場全体が盛り上がっている途中コール&レスポンスが必要になるところで、”無音”になりシュールな映像を見ることができる。またコールが入るところを、クラップでリズムをとる姿もあった。


ほかに1952年にJohn Cage(ジョーン・ケージ)が作曲した「4分33秒」を流し、それぞれが自由に踊っている姿を見ることもできる。無音の中踊る会場内はまさに”沈黙ダンス”そのものであった。これらはトーク禁止だからこそ起きる現象であり、またどの楽曲でも会場内は非常にノリノリで堪能している。初めて見た人は「なぜ何も言わないのか?」「自分の端末がおかしくて音が聞こえていないのでは?」と違和感から興味を持ち、足を運ぶきっかけになるのかもしれない。





参加者に楽しんでもらえることを意識したイベントづくり


2019年6月29日に掲載されたパーティークリエイター・アフロマンスとの対談記事「小さな主催者」にて、「沈黙ダンス」の主催者であるDJ SHINDYはこのように答えていた。はじめはDJのみを集めたクラブイベントを行っていた。しかし客をイベントへ誘うときに、どんなことをするのかうまく説明できないことに気がついた。そしてイベントづくりをする中で客に届けるためにテーマが必要であるという考えを持ち、「自分たちがやりたいだけのイベント」から「お客さんが楽しめるイベント」に意識が変わっていった。


そこから客と出演者、店といった「三方良しになるイベント」を大事にし、会場内全員がイベントで盛り上がることができるよう企画をしていった。そのなかでも起点となっているのが客だ。どのようにして客に参加している意識をもってもらうかを考え、楽しめるイベントを企画している。クラブイベントに参加している意識をもってもらうルールと、その中で客が自由に楽しむことができるバランスが難しいところだ。「沈黙ダンス」はトーク禁止というルールを課すことにより、全員がいつもとは異なるコミュニケーションをとる必要が出てきて、能動的にイベントを楽しむ姿勢へなっていると話していた。


DJ SHINDYが主催したイベントには「沈黙ダンス」の他に、踊ることのできるダンサー兼DJと客で合図の瞬間に踊るイベント「瞬間ダンス」、テロップジョッキーも参加しDJが選曲しMIXしたJ-POPやアニソン、人気洋楽を合唱する「クラブでカラオケ」なども開催した。これらはすべてDJ SHINDYが重要としている「客が参加していることの意識を持つ」イベント内容となっている。ルールが加わることによって普段のイベントとはちがう盛り上がる瞬間が訪れたり、面白い経験を味わえる。そこにはDJと客、店が断絶することなく同じ温度で盛り上がることができる、まさに会場内に一体感が生まれるのだ。





固定概念を打ち破るクラブイベント


クラブイベントでありながら、トーク禁止の中楽しむことができる「沈黙ダンス」。DJ SHINDYが「お客さん自身がクラブイベントに参加しているという実感をもってもらいたい」という考えから生み出されたイベントのひとつである。声を出してはいけないからこそ起きるコミュニケーションや、他とは体験したことのない異空間を味わうことができるクラブイベントだ。「沈黙ダンス」の言葉や感情を声で発さない世界に自ら参加することで、新たな気づきや楽しみが生まれるかもしれない。


「沈黙ダンス」の他にもルールを会場内に足すことによって、今まで考えられていたクラブイベントのイメージが覆される企画をし、開催を行うDJ SHINDY。固定概念にとらわれず色んな切り口で音楽を攻めることにより、出演者や客、店員といったあらゆる立場の人が会場でひとつになることを可能にしている。純粋に音楽を楽しむことができる場所を企画し続ける彼に、今後も注目である。




written by 編集部


photo: YouTube

SHARE