今時の子どもは鉛筆が持てない? 小児科医が警告するタブレットの弊害

スマホやタブレットの普及によって、鉛筆を持てない子どもが増えている!?
SHARE
2018.07.18 03:00

小学生の頃、夏休みの宿題で漢字の書き取りをしなくてはならないのが憂鬱で仕方なかった。しかし、気がつけば、文章は書くものから打つものに変わっていて、雲ひとつない夏の日に室内でテストで間違えた漢字をひたすら書く、なんて拷問みたいな所業をしなくても生きていけるようになった。快適! 最高! ありがとうiPhone、ありがとうMac book pro。


しかし、一見良いことずくめに思われるテクノロジーの進歩も、思わぬところで弊害が起こっていたりする。




小児科医が警告! 鉛筆が持てない子どもたち





英メディアのガーディアンによると、スマホやタブレットの普及によって最近の子どもたちは鉛筆が正しく持てなかったり、鉛筆を持つための筋肉が弱ってきたりしているという。


イギリスの国営医療サービス、the Heart of England foundation NHS Trustの小児作業療法の責任者であるSally Payne(サリー・ペイン)氏によると、10年前と比較して、鉛筆を持つために必要な子どもたちの指の筋力や技術は減退しているのだそう。鉛筆を正しく持つには、正しく持つ技術と適切に動かす筋力の両方が必要なため、一見、うまく持てているように見えても、実はきちんと持てていない、なんてことが起こり得るということだ。


実際に、2016年には、ウィンストン・セーラム州立大学の研究によって、1985年と比較して若年層の握力が大幅に低下したというデータもある。


こうした問題に対し、作業療法士が付き添い、正しい鉛筆の持ち方を教えてくれるという“習い事”をする子どももいるのだそう。


でも、鉛筆で字が書けなくなっても良いじゃん、とつい思ってしまうが、実際は文字が書けないことによって子どもの発達に大きな影響があるかもしれないのだ。




文字にはその人の個性があらわれる


ブルネル大学ロンドン校の教授であり、国際手書き連合(そんなのあるんだ! )の副議長であるMellissa Prunty(メリッサ・プルーニ)氏はこのように指摘する。「一人一人の子どもの発達状況の把握に文字の個体差を利用することがあります」


つまり、文字にその人の個性や人生が反映されているというわけだ。


さらに、彼女は、文字を利用した過去の事例を利用できなくなれば、子ども達の発達の度合いや何かにつまづいたとき、その背景にどんな理由があるのかを推論するのが難しくなるのだと語った。


人間が書いた最も古い文字の記録は紀元前3400年ごろ、つまり、少なくとも5,000年以上前から人類は文字を書き続けていたということだ。


そうして積み重ねて行った手書き文字の歴史が、技術によって絶たれかけているというわけだ。


それを進歩としてよしとするか、伝統の喪失として嘆くかは人それぞれ。けど、個人的には、鉛筆の持ち方を習いに行くっていうのは、ちょっと奇妙な気がしちゃうな。


みんなはどう思う?



written by Kotona Hayashi


source:

https://www.theguardian.com/society/2018/feb/25/children-struggle-to-hold-pencils-due-to-too-much-tech-doctors-say

http://www.businessinsider.com/children-are-joining-school-unable-to-grip-pencils-because-of-technology-2018-2

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26869476

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%AD%97%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2


photo:Pixabay



SHARE