クールな佇まいでガールズバンドのイメージをアップデートするCHIANZに最速インタビュー!

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新たなガールズバンドが産声を上げた。 その名もCHIANZ(チアンズ)だ。2024年3月、突如デビューシングル「GIG」が配信リリースされ、活動開始を宣言。この「GIG」からは、これまでのガールズバンドにはないクールでスタイリッシュな印象を初めに受けるが、バンドのサウンドやリリックから熱さも感じられ、バンドが始まることへの気合いや初期衝動もしっかり伝わる楽曲だ。
しかし、このシングルのリリースのみで、まだまだベールに包まれているバンドの正体。それを明らかにするため、block.fmではインタビューを敢行した。それぞれがソロとしても活動するeill(Vo, Key, Manipulator)、Foi(Vo, Gt)、Chie(Gt)、月川玲(Ba)がバンド活動をスタートさせた理由とは?尚、このインタビューの直前には、CHIANZは初のラジオ生放送も行なっており、現在block.fmで視聴可能だ。
ーCHIANZという名前はバンド結成前からあったと伺いましたが、どのようにその名前が生まれたんですか?
Foi : 私たち4人は10年以上、毎年のように集まるほど仲が良くて。多分20歳位の時かな。ある日、eillが「プリクラを撮ろうぜ! 」って言い出して。たまたま、その日の照明とかメイクとかのせいなのか、撮った写真の治安が凄く悪くて。
Chie : 顔色もゾンビみたいな色で。
eill : 玲ちゃんから始まったんだよね。プリクラってしゃがんだら見えなくなるのに、玲ちゃんがヤンキー座りして、タバコを吸う真似を始めて。
Foi :「ベースが命っす」みたいな吹き出しを、そのプリクラの玲ちゃんに書き込んで。
月川玲 : あなた達が勝手に書き込んだんだよ!
eill : それから、ウチらも玲ちゃんの真似をしようって、みんなでヤンキー座りで写真を撮ったんです。プリクラ機の中で、わざわざスマホで(笑)。その後、ウチら治安が悪いねって言い出して、グループ名の“CHIANZ”が誕生しました。
Foi : それをLINEのグループ名にしてたんだよね。
ー“治安の悪さ”が由来のようですが、メンバーの中で1番治安が悪いのは誰ですか?
Chie :誰だろう?なんだかんだ、みんな育ちが良いんですよ(笑)。
eill : 愛情を受けて育っているというか。
Chie : 怒りとか、ちょっと暴力的な感情、激しい感情を前に出すって意味では、この2人(eillと月川玲)かな。
eill : 玲ちゃんは結構ストレートに言うタイプ。キレたらちょっと怖いかもしれない。
月川玲 : 確かに。
Foi : eillは喧嘩の時に唐揚げを投げてたもんね。
eill : 揚げたての唐揚げを凶器として。でも、もったいないから全部後で食べた(笑)。
Foi : 育ちが良いからね。

eill(Vo, Key, Manipulator)
ーそういう喧嘩もする程の仲良し4人が、なぜ改めてバンドをやることになったんですか?
eill : Foiちゃんと私はガールズバンドが好きで、ガールズバンドをやりたいねって話していて。メンバーはもちろんCHIANZでしょ!とは言っていたんですが、すぐに始まったわけではないんですよ。
Foi : 1回みんなでスタジオ入ったら意外とよくて。「このままやる?」って始まったんだよね。
ー普段の集まりの延長でバンドになったような感じですね。「プリクラ撮る?」っていうのと同じ、軽い感覚ですか?
eill : そうですね。初めはフニャっとしてたんですが、いざ、やるぞ!ってなってからは、モードも切り替えて、アー写も撮って。
Foi : やるならちゃんとやろう!って話したんだよね。
ー具体的なきっかけはあったんですか?
Foi : 結構良い曲ができたので、これはちゃんとやらないともったいないと思ったんです。やっぱりバンドとソロは全然違うし、映える曲も違う。 ソロだとこういう曲は出せないだろうなっていう曲も書ける。もっと違う景色が見られるかなって思いました。可能性を感じたということです。
Chie : いざ制作が始まると、ちゃんと真面目に取り組むんだってことをお互い初めて知りました。遊ばずにちゃんとやるんです。ご飯以外は真面目にやってるよね?
Foi : うん。ドラムがいないので、誰かの家に集まって、みんなでトラックをずっと作っています。
ーちゃんとやろうってなるまでには何曲位作ったんですか?
Chie : 最初に「GIG」を作って、それと並行して2曲目も作っていて、それを作っている頃にはもう真面目にやっていました。
eill : 曲ができて、レコーディングをしようってなったんですよ。そこからじゃない?ギアが変わったのって。
Foi : ちゃんとスケジュールも決めないといけなくなったしね。
eill : うん。でもまだそれでもおとぎ話みたいだったな。曲は作ってたけどバンドの実態はなかったから。アー写を撮ったら、4人が集まるとこういうビジュアルになるのか、って俯瞰できて。それで、“CHIANZ”っていうバンドが実在するのを感じた。さらに今日、4人で初めてラジオをやったら、こんなにわちゃわちゃになるのかって。未だに、1つずつ紐解いてる状態っていうのかな。
ーなるほど。バンドを組む時、普通は音楽をやる為にメンバーが集まると思うんですが、CHIANZは人が先に集まって、後でバンドを組むことが決まったということで、順番が逆で中々ない形ですね。
eill : 確かに。Chieちゃんがどうやってギターの音作りをしているのか。玲ちゃんはどういうベースを弾くのか。Foiがどういう風に歌うのか。ファンとして聞いてはいたんですけど、こうやって音楽的に向き合うと、違う側面で見るようになるから、気づいたことは凄く多かったです。

Chie(Gt)
ー具体的にはどんなことに気づいたんですか?
eill : とりあえずこの人(Chie)はギターがうまい!
Foi : ギターのリフを初っ端で決めるんです。それは、Chieちゃんの技量がないとできない。あと、彼女は引き出しも多いです。
Chie : eillとFoiがお客さんのお手本みたいな感じなんですよ。「Chieちゃん、それ最高!もう天才! 」みたいな感じで褒めてくれて。だからお陰様で、熱い気持ちでギターが弾けます。
Foi : 本当に制作はChieちゃん頼りです。リフも、コードも。
eill : 女性ギタリストとして、今のギタリスト界で、ガンって上にいける存在だって感じます。なのに、謙虚なんです。
Chie : 私もみんなを友達としては知ってるけど、音楽的な部分は初めて知ることが結構あって。デモの歌を入れる段階で、既にめっちゃ完成度高かったりすると、そういう一面があったんだってびっくりします。そういうことが多々あって、ハモりとか、凄いなって感じる。
eill : 褒め合い!(笑)
Foi : 自分が持っていないものを持っている人たちとバンドをやるのが良いなと思ってまして。補い合えるところが凄くいいなって思う。特に、玲ちゃん、Chieちゃんはプレイヤーだから、歌う私やeillとは考え方が違うよね。だから、それが凄く楽しいです。
eill : あと、玲ちゃんのベースは凄い!私、モータウンとか、80、90年代の音楽が好きだから、玲ちゃんのベースが本当に大好きで。華奢で可愛い見た目して、おじさんみたいな貫禄あるベースを弾くんです。ポップな感じの曲にもおじさんっぽいベースを弾いてくるし。ギターソロを入れる予定のところに、ベースソロを入れて渡してくる。もうそれって最高!
月川玲 : 「GIG」に関しては、あそこのベースはブリブリでお願いって言われたから弾いたつもりだよ。
eill : あれ?そうでしたっけ。すみません(笑)。

月川玲(Ba)
ーCHIANZはドラマーが不在ですが、ドラマーをバンドに入れようとは考えなかったんですか?
月川玲 : 本当は、いた方がいいなとは思います。でも、今からこの仲良し4人の中に、1人急にポンって入るのがまだイメージできなくて。でも私達の作りたい音楽を考えると、絶対いた方がいいと思う。逆に言うと、これから色んなドラマーの人とセッションできるので、前向きに考えたら良いのかな。
Foi : ドラムは大事だからね。骨組みだから。でもまあ、ゆくゆくですかね。
ー先ほど、モータウンというワードが出ましたが、メンバーそれぞれどんな音楽に影響を受けているんですか?
Foi : 私は小3から高校ぐらいまで中国にいたので、思春期は中国の曲。C-R&Bがルーツです。日本に戻ってきてからは、結構満遍なく聴いてたんですけど、好きなのはR&Bテイストのもの。The 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)とかのオルタナティブロックを聴き始めたのは大学生ぐらいからです。
eill : 私はK-POPとRihanna(リアーナ)とかのディーバ系。あとはお母さんが大好きなモータウン。ソウル系の音楽がすごく好きです。UKの音楽を聴くようになったのはJess Glynne(ジェス・グリン)で、そこからMura Masa(ムラ・マサ)とか、その辺の音楽を聴いてハマりました。あとは、バンドやろうかなと思ってた時に、オルタナやシティポップなバンドってそんなにいなくて。クールなシティポップだったら、場所があるんじゃないかなって思って、The 1975を聴き始めました。知ってはいたけど、女の子の歌を聴くのが好きだから、今まではあんまり聴いてこなかったんですよね。
Chie : 私は中学生の時にギターを始めたんですが、その当時は、“日本にはゆずっていう人がいるんだ”くらいしか知識がなくて。だけど、当時の先生が古い洋楽おじさんだったので、その影響でEric Clapton(エリック・クラプトン)、山崎まさよし、The Doobie Brothers(ドゥービー・ブラザーズ)とか、当時はよく聴いていました。基本はロックとファンクが好きです。
月川玲 : 私はYES(イエス)、XTC、King Crimson(キング・クリムゾン)といった70年代のロックがめちゃめちゃ好きですね。
ーみなさんルーツはバラバラですが、バンドを始める時に、先ほども名前が挙がったThe 1975はキーワードとしてあったんですか?実際に、私もデビュー曲の「GIG」を初めて聴いた時にThe 1975を思い出しました。
eill : そうそう。よく訊かれるんですよ。The 1975って日本でめっちゃ人気じゃないですか。だから「GIG」がそれっぽくて好きっていうコメントも結構あって。でも実は、そんなに意識してないです。
Foi : 確かに。
eill : 最初は、The 1975っぽいガールズバンドっていなくない?と思って意識してたけど、曲を作る時はあんまり考えないで作ってました。イントロを考えてるときにリファレンスの候補に出てはいたんですけど。まんまやってみようという感じでは全然なくて。 The 1975ってロックだけどオルタナティブで、ポップじゃないですか?その要素も「GIG」にはあるんじゃないかなって思ってます。
Foi : 似てるって言われる理由は音像なのかなと思っていて。実は今後、EDMテイストとか、ロックに振り切った曲も作っているんですが、全然カラーの違う曲でも、その音像で統一感は出せるのかなと。だからいろんな曲を出してみたくて。

Foi(Vo, Gt)
ー「GIG」には歌詞にバンド名も入っていますが、テーマソングみたいな意味合いはあるんですか?
eill : BLACKPINK(ブラックピンク)が大好きだから、すぐ曲の中でバンド名を言いたくなる(笑)。でも、「私たちのギグを見せようぜ!」っていうテーマの曲にしたいって話してたもんね。
Foi : 歌詞を書く時は、1曲目にふさわしい、名刺みたいな曲にしようと意識してました。
ー英語に日本語を少しだけ混ぜるようなスタイルのリリックですが、作詞の際に打ち合わせがしっかり行われてそうなったんですか?
eill : ここまでのラインだったら洋楽としても聴けるし、J-POPとしても聴けるみたいなところは意識してます。でも、話し合いは特にしなかったですね。多分、Foiちゃんとジャッジのラインが似てるのかな。
Foi : Chieちゃんがギター入れてるうちに、歌詞を考えたりするんですけど。「私がAパートを考えるから、Bをお願い!」みたいな感じで分担して、後でお互いの歌詞を融合します。その後、少し調整したりもするけど。
eill : あと、英詞を書いてくれているナナさんって方がいらっしゃって。 その方も作詞家なので、ちゃんと英語の意味と音を整えてくれてます。
Foi : でも、今後はそういう所も自由にしたいなって思ってます。 曲によっては全部日本語、全部英語でもいいし。
ーCHIANZの“GIG” 、ライブはこれからですが、今後のライブの展望を教えてください。
Foi : まずはあわせないとね。
Chie :DAW上ではなくて、みんなで揃って「GIG」が弾けるようにね。
eill : 本当に始まったばかりで、まだウチらのグルーヴも何もわからないんです(笑)。 6月にリリースライブが決まっているんですけど、その日までにはちゃんとCHIANZを作らないと。本当はサングラスかけて、キャップ被って、なんかもうベロベロに酔っ払いながらライブしたいんですけど、そうはいかない!でも、そういうマインドでやりたい。自分を解放する場所、CHIANZはそういう場所にしたいです。
Foi : 海外ライブもやってみたいな。
eill : 海外のリスナーも視野に入れて英詞も作ってるので。アジア代表になりたいですね。
ーもし海外ツアーに行って、治安の凄く悪い場所、例えばスラム街みたいな場所に各々がCHIANZのメンバー1人を連れて行くなら誰ですか?
Chie : 私、絶対玲ちゃん。精神が強くて、どっしりしているんですよ。だから多分そんなに動じない。
月川玲 : それで言うと、私もChieちゃん。一番身長が高いから盾にする!(笑)
一同:(笑)
ー残りのお二人はどうですか?
Foi: じゃあ、もうここ二人(eillとFoi)で行くしかないな。なんだかんだeillは生きてそう。生命力強いから。
eill : Foiちゃんはトラブルにあっても的確に指示してくれそうだよね。私はギャーギャー、ビービー泣いたりしてると思うから。
Foi : やることは私がやって、eillはご利益持ってきてね(笑)。
終始、インタビューは和気あいあいと行われ、4人は世界のどんな場所でも仲良しなバンドであることが想像できる。アーティスト写真や「GIG」から想像するクールな印象とは全く違い、とてもフレンドリーで笑顔に満ちた彼女たちも魅力的だった。今後、様々な表情を持つ楽曲もリリースになるようで、彼女たちの活動が一体どうなるのか楽しみだ。
[Information]
3月25日よりCHIANZによるクラウドファンディング「CHIANZ納税」を開始
1st EP の制作、1stワンマンライブの開催決定
CHIANZ 1st ONE-MAN LIVE
-1st EP Release Live-
6.29.2024
OPEN 17:00 START 18:00
渋谷 TOKIO TOKYOにて
チケットはクラウドファンディングで先行発売!
尚、リリースライブ後は限定でアフターパーティーも開催。
詳しくはCHIANZによるクラウドファンディング「CHIANZ納税」をチェック!
https://ubgoe.com/projects/706
■CHIANZ 1st Digital Single
「GIG」
2024年3月6日配信
配信リンク: http://lnk.to/chianz_gig
■リリックビデオ
3月6日21時公開
■SNS
X :@chianzofficial
Instagram:@chianz.official
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC1rDL903iA-Bdp0uTDIqO4w
■メンバープロフィール
〈Foi〉
2020年 SPACE SHOWER MUSICより「Swim in your eyes」でデビュー。日中にルーツを持つC-POP/マンドポップ育ちのシンガーソングライター。ハイトーンボイスと叙情的なリリックでJ-R&Bシーンでの客演参加や数々のコラボナンバーを発表。
〈Chie〉
A-Sketchより4人組バンドHi Cheers!としてデビューし、2020年〜2023年まで活動。現在はYABI×YABIのVo&Gtとして活動中。ギター、三味線、バンジョー、ウクレレを自由自在に操る。現在はフリーランスでGtサポートやREC現場で活躍中。
〈月川玲〉
A-Sketchより4人組バンドHi Cheers!としてデビューし、2020年〜2023年まで活動。現在はYABI×YABIのVo&Baとして活動中。80’s や90’sを感じさせる卓越したベースラインが魅力。ONCEや森 大翔など、他アーティストのサポートベースとしてライブに参加する他、2023年にはLIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」で女優としても舞台に出演。
〈eill〉
2021年PONY CANYONより「ここで息をして」でデビュー。K-POPとR&Bをルーツに持ち切なさと甘さが混在したスモーキーヴォイスが魅力のシンガーソングライター。2022年リリースの「フィナーレ。」が韓国やアジア圏でロングヒット中。