Carpainterによる“勝利宣言”を聴け。レイヴィーなミニアルバム『Declare Victory』がTREKKIE TRAXよりリリース

クラブミュージックのクールな初期衝動を思い起こさせる、懐かしさと新しさが同居したダンサブルな1枚。
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2019.02.22 01:00

インディーでありながら海外アーティストからも注目され、もはや説明不要のインターナショナルレーベルへと成長を遂げたTREKKIE TRAXを主宰するひとり、Carpainterがミニアルバムをリリース。




Carpainterによる“Declare Victory(勝利宣言)”。待望のミニアルバムがリリース


TREKKIE TRAXクルーの中核を担うDJ/トラックメイカーCarpainter(カーペインター)は、『仮面ライダーエグゼイド』オープニングテーマ、三浦大知「EXCITE」を共同作曲・編曲しオリコンチャート1位を獲得するなど、クラブミュージックファンのみならずその知名度を広げている。




そんなCarpainterのニューミニアルバム『Declare Victory』がTREKKIE TRAXよりリリースされた。


クラブミュージックの初期衝動


筆者がクラブミュージック、インストゥルメンタル音源をカッコイイと最初に思ったのは「beatmania」をプレイしたときだ。こんなことを書いても、TREKKIE TRAX世代にとっては何を言っているのかわからねーと思うかもしれないが、まあとりあえず読んでほしい。


筆者が小学校高学年から中学生くらい、ゲームセンターでは1997年〜1998年頃から音ゲーが隆盛しブームになった。その走りとして1997年にコナミが稼働を開始した『beatmania』はPlay Stationに移植され、家庭用としても発売されたのだが、当時、専用コントローラーのボタンが何を意味しているのかすら筆者は分かっていなかった。今ではそれがMIDI鍵盤だと認識できるけれど、とにかくその頃は「beatmania」を通してのDJしか知らなかったため、DJとはこういうもので、楽器ではなくボタンを使って音を奏でるスタイルは未来的でとびきりクールなものとして捉えていた。


90年代のテクノ・レイヴ・ブレイクスをアップデート


それは『beatmania』に収録されている楽曲にしても同様だった。プレイする楽曲をセレクトをする際、難易度とジャンル名しか情報がない。「House」、「Minimal」、「Techno」、「Rave」、正直、ジャンルに関してはなんのこっちゃわからなかった。(難易度初級の「Hiphop」がかろうじて、あーこのノリね。くらいの認識)それでも、「beatmania」に収録されいている楽曲群をカッコイイと直感したのは確かだ。


前置きが長くなったが、『beatmania』で感じた懐かしくも新しい音楽と出会うワクワク感を思い起こさせてくれたのが、このCarpainterのミニアルバム『Declare Victory』なのである。


本作はCarpainterの得意とするジャパニーズテクノの回帰と昇華をテーマに、90年代のテクノ・レイヴ・ブレイクスをアップデートし、現行のフューチャーベースともクロスオーバーしたアルバムとなっている。




懐古的なサウンドアプローチで描く最先端


SF世界への旅立ちを想起させる「Transonic Flight」で幕をあけ、続くアルバムタイトル曲「Decler Victory」はレトロフューチャー的な側面もありながら、グルーヴィーなフューチャーハウスを展開する。


アルバム全体に漂う斬新でありながら懐古的なサウンドアプローチは、どこかあたたかみを感じさせる。それが冒頭に書き記した、懐かしい感覚の正体だ。

かつて『beatmania』で“クラブミュージック”のクールさに触れたのち、PSからPS2へと変わる転換期には、数々のゲームのハイキーなグラフィックに驚きながら画面に吸い込まれていた。当時はそれこそが最先端の未来だったのだ。その時のおぼろげな記憶と高揚感を、Carpainterの楽曲は解像度高く呼び起こしてくれる。


先行配信された収録曲「Mission Accepted」は、ノイジーでインダストリアルなビートが特徴的。反復されるアラーム音、未来的なサウンドが折り重なり、有機的な音の波となって鼓膜を刺激するレイヴ感満載の楽曲に仕上がっている。踊っちゃうよこんなの。



プリミティブな音色を取り入れたブレイクビーツを軸に、トリッピーな空間を描く「Enrichment Center」や西暦2500年(テラフォーマーズくらいの未来ね)の文化圏にタイムスリップしたかのようなCarpainter流フォークロアの新解釈「Future Folklore」など曲から曲へ、バウンシーなグルーヴ感はそのままに別の惑星へと次々にワープしていくような感覚が味わえる。


Virtual SelfがGIGでプレイ。OtiraのRemixも収録


本作はグラミー賞にもノミネートされたPorter Robinson(ポーター・ロビンソン)の別プロジェクト、Virtual Self(ヴァーチャル・セルフ)の最新DJセットでアルバム収録曲が2曲プレイされ、リリース前から国内外の注目を集めた。


新進気鋭のテクノ・ミュージックアーティストOtiraを起用した「Mission Accenpted」ハードテクノRemixも収録。生粋のテクノラヴァーからゲームミュージック、ベースミュージックファンまで幅広い層が楽しめる、世界標準かつTREKKIE TRAXらしさ満載のダンスミュージックをコンパイルしている。


アルバムのジャケットはレーベルメイトであるfutatsukiが担当した。futasukiがTweetするスニーカーの好みが個人的に好き。




ステップを永遠に踏み続けたくなる本作はなるほど、“レイヴィー”なアルバムと紹介されているのもうなづける。『Declare Victory』を再生した瞬間、Carpainterの奏でる凱歌は高らかに勝利を宣言していたのだ。




Carpainter 『Declare Victory』


発売日 : 2019/2/22

価格 : 1350円


Track List 


01. Transonic Flight

02. Declare Victory

03. Mission Accepted

04. Enrichment Center

05. Sylenth Warrior

06. Wut U Tryin

07. Noctiluca

08. Future Folklore

09. Mission Accepted (Otira Remix)


iTunes、Bandcampで発売

Apple Music、Spotifyなどの各種ストリーミングサービスでも配信


配信URL : http://smarturl.it/CarpainterDeclareV


iTunes : https://itunes.apple.com/jp/album/declare-victory/1451190075

Bandcamp : https://trekkietrax.bandcamp.com/album/declare-victory

Spotify : http://open.spotify.com/album/0XMFwTtdAQZW0XpZJGAoCc




Carpainter


DJ/Trackmaker


横浜在住のTaimei Kawaiによるソロプロジェクト。Bass music/Techno musicといったクラブサウンドを軸に制作した個性的な楽曲は国内外問わず高い評価を得ており、これまで自身の主宰するレーベル「TREKKIE TRAX」や「Maltine Records」よりEPをデジタルリリース。


2015年にはレコード形態でのEPやCDアルバムをリリースするなど、積極的な制作活動を行っている。また「tofubeats」「東京女子流」やカプコンの「モンスターハンター」「ストリートファイター」のコンピレーションアルバムにRemixを提供するほか、人気マンガ家「浅野いにお」がキャラクターデザインを務めた映像作品「WHITE FANTASY」では全編において楽曲を提供した。その勢いは国内だけにとどまらず、フィンランドの老舗レーベル「Topbillin」やイギリスの名門レーベル「L2S Recordings」などからもリリースを行ない、イギリスの国営ラジオ局「BBC Radio1」や「Rinse.fm」「Sub FM」でも楽曲が日夜プレイされている。 


また、m-floの☆Taku Takahashiが主宰する日本最大のダンスミュージック専門インターネットラジオ局「block.fm」では、レーベルメイトとBass Musicを中心としたプログラム「REWIND!!!」のパーソナリティも担当しているなど幅広く活動している。2016年からは自身の楽曲により構成されたLive Setもスタートし、ライブ配信サイト「BOILER ROOM 」での出演などを果たした。


TREKKIE TRAX「TREKKIE TRAX RADIO」

毎週水曜日20:00-21:00放送

https://block.fm/radios/536

written by Tomohisa“Tomy”Mochizuki


photo:TREKKIE TRAX




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